街頭演説集

第19回 自然共生の原点は福島原発事故

「自然共生」の原点は福島原発事故!!

Facebook 2015.12.7

 昨日は19回目の呉駅頭街頭演説。この日は「自然共生」と書かれた幟を2基立て掛け、私自身が「自然共生」と書かれた幟を身につけ、大々的にPRするお披露目となりました。
 そこでこの日は、私が「自然共生」を政治スローガンに掲げるようになったいきさつや趣旨について説明しました。
 私は呉市議会議員に立つ前は、自民党国会議員の秘書を務めておりましたので、20年前の初当選後は保守系会派に所属しておりました。従いまして、国策である原発は推進派でした。ところが平成23年3月11日の東日本大震災を受けた福島第一原発の被災を見るにつけ、それが間違っていたことに気付いたのです。
 先ずこの事故は1986年のチェルノブイリ原発事故と同じレベル7と位置付けられました。ですから、当然首都圏一円も放射能をまき散らし人が住めないようになる可能性を秘めていました。ところが、不幸中の幸いでそこまでに至らなかったのは、偏西風のお陰で放射能が太平洋へ逃げたことが最大要因です。つまり、一歩間違えば国の首都機能壊滅と隣り合わせだったことになります。
 小泉元首相も原発廃止に方向転換されたのは、原発から出る高レベル放射性廃棄物の処分地が存在しないことが最大要因と言われています。社民党がよく例えに使われる「トイレのマンション」と同じことです。
 それをどこの自治体も候補地として名乗りを挙げないため、政府主導で適地を捜すことに方針を変えましたが、地元自治体の反発が予想され、決まらないと思います。何せ世界全体を見回しても、先日スウェーデンは世界初の処分地候補を決定したばかりで、未だ存在していないのが実情です。
 ましてや半減期が30万年となりますと、幾ら地中深く埋めてのその間地殻変動が起こって、地表に出現しないとも限りません。それは誰も保証できないのです。つまり、現政治家は誰も責任を持とうとしていないのです。
 勿論、燃焼後のプルトニウムは核爆弾製造が可能ですから、核無き社会建設にも水を指すことになります。核燃料サイクルである、プルトニウム再利用のプルサーマル発電も僅かしか進んでおらず、ましてや六ヶ所村の再処理工場は未だ可動しておりません。加えて、高速増殖炉もんじゅも、以前ナトリウム漏れ事故を起こし、管理がずさんなことが判明し、稼働停止状態が続いたままです。
 一方、地球温暖化を阻止するには、二酸化炭素を排出しない原発が適切であるとの議論があります。太陽光発電は天候の関係で安定した電源になりませんし、蓄電が困難なことが上げられます。
 ところが原発は非常にエネルギー効率が悪く、蓄電機能を持たせるために揚水発電とセットになっています。これは化石燃料で発電し稼働させているといいます。ということは、原発においても二酸化炭素を排出していることになり、これを政府は隠しています。
 おまけに、原発から排出されるのは80度の高温水です。これをどこも海中に排出している問題が表面化することも報道で抑制されている向きがあります。海水温度が極端に上昇するのですから、海中の生態系を破壊し、これも温暖化に一役買っている可能性も否定できません。
 しかも原発はコストが安価であると言われますが、揚水発電に係るコストや原発事故後の対応費用は、他のエネルギーとのコスト比較で含めていないのです。
 また、省エネをしないといけないと政府は宣伝しております。福島第一原発事故後は当時54基あった全国の原発を全てストップさせました。その上で、各電力会社にその年の夏を乗り切る期間、即ち7月から9月までの2ヶ月間に省エネ目標を立てさせました。
 ところが、原発稼働ゼロで、夏場の電力が足りたのなると、原発不要論が台頭するため、その年は、無理矢理大飯原発を再稼働させたのです。結局各電力会社による融通が可能なこともあって、原発ゼロでも電気が足りたことがその後の検証で判明しました。それを政府は積極的公表をしなかったばかりか、寧ろそれを隠蔽しているのです。
 更に、一般人よりも企業の電力消費量が7~8割と圧倒的に多いことから、省エネは企業に向けるべきなのです。実は電気が蓄電できないことから、年間を通じて最も国民が電力を使用する需要に合わせて供給電力を設定しています。ところが、夏場の平日の昼間僅か2時間、それも僅か10日間だけが突出して電力需要が高いのです。それを平坦にすれば、原発は他の他の電力会社からの融通を待つまでも即不要となります。
 家庭への電気代は使用料が増すと電気単価が高く設定されています。企業はその逆なのです。ですから、その企業活動が活発な夏場の僅かな期間だけ、企業に不利な電気代システムを導入すれば、企業はワークシェアリングを実施して企業活動の分散を図ることになりますので、省エネは一気に進むという訳なのです。
 原発は地震大国である我が国だけの問題ではありません。一旦大事故になると、放射能を全世界に放出するからです。その大事故を経験した我が国の首相が、原発建設に絡む企業を引き連れて、原発の技術輸出を売り込みに海外セールスに訪問することは、正にエコノミックアニマルです。
 未だ仮設住宅で苦しんでおられる方々がおられ、口では「早期の復旧に努めるのが私の使命だ」と豪語されながら、方や原発の売り込み。これでは二枚舌を巧みに駆使していると言われても仕方ありません。
 私は4年近く前に、会派を飛び出し、呉市議会内で「自然共生党」を旗揚げしました。2年前は、議会に提出された伊方原発再稼働反対請願に賛成票を投じました。原発反対は左翼の専権事項と言われた時代はもう過ぎ去りました。彼らもそれなりの使命を帯びて活動して来られましたし、それには敬意を表さなければなりません。それが福島第一原発事故で証明されたのです。
 私は、右でもなく左でもない、右と左のよき部分を発展昇華させた思想、即ち「自然共生」を掲げて、今後も世の中の改革を目指し奮闘して参る決意です。
タイトルとURLをコピーしました