街頭演説集

第99回 呉市非常勤職員の待遇改善

呉市非常勤職員の待遇改善策を提唱!

Facebook 2017.7.8

 去る7月3日は、前回に続きナビの故障で、テーマバックミュージックがないままでの99回目の街頭演説。テーマは、先日の一般質問で採り上げた呉市非常勤職員の待遇改善についてです。
 本市における非常勤職員には、産休・育休補充や繁忙期に雇用する臨時職員と嘱託員に加え再任用職員があります。
 中でも臨時職員は一般職同様、週38時間45分労働となっておりますが、地方公務員法第22条第5項によりますと、契約期間は半年を限度とし、更新は1回までと記述されています。つまり、最高1年間の継続雇用ということですが、一旦退職して、例えば僅か2週間程度空けてから再度採用する、実質的な継続雇用があったことを、この度の質問で当局は認めました。これは法のグレー部分であり、厳に慎むべきです。
 次に、臨時職員と嘱託員の待遇差に関して考察してみます。
 枚方市非常勤職員一時金等支給事件では、人事院規則の国家公務員における非常勤は常勤の3/4を超えているため、平成22年に大阪高等裁判所において適法判決が出ています。ということは、一般職と同一時間労働である本市の臨時職員は手当支給が、条例で定めることにより可能となりますが、本市では実施していないのが実情で、少なくとも通勤手当は支給すべきです。
 因みに本市の嘱託員には、放課後児童会指導員、学校業務主事(用務員)、生徒指導員、まちづくりセンター館長、学校給食調理員の他、各部署に配置されています。
 また、「臨時・非常勤職員の任用等について」平成26年度に総務省通知があり、それを受け本市は、平成27年度から嘱託職員の報酬の大幅改定を実施し、且つ通勤手当に代わる措置として、1日4時間勤務等パートを除く嘱託員に対し報酬加算を設けました。
 ところが、臨時職員に対しては報酬加算はなく、不公平となっています。この理由として当局はあくまで短期間採用であるからとの答弁でした。
 しかし、嘱託員に対し報酬加算したとしても、実質的な通勤経費に満たない場合が多いとの現場の声を聴いております。また加算したとしても、通勤手当と違って、課税対象が増え、納税の負担増に繋がります。ここは重要なポイントです。
 地方自治法第203条の2第3項には、短時間勤務を除く非常勤職員には費用弁償の支給が可能としています。この短時間勤務というのはパートのことと推察されますが、本市の29時間労働である嘱託員や38時間45分労働である臨時職員に対しては、通勤経費分を費用弁償することができるはずで、これを本市では敢えて怠って来ました。
 更に非常勤職員に対しては、地方自治法第203条の2第4項で、「報酬、費用弁償の額や支給方法は条例で定めなければならない」と謳っています。これを給与条例主義と呼んでいます。にも関わらず、平成27年12月定例会での私の一般質問に対し当局は、「職員給与条例第17条や報酬・費用弁償条例第2条第28号で、任命権者が常勤職員との均衡を考慮して支給すると条例委任しており、多種多様な非常勤職員であるため、適法である」と強弁致しました。これは議会の意志を反映する道を閉ざすという意味で、執行部の独善を許すことになります。
 ところが、茨木市臨時的任用職員一時金支給事件では、平成22年に、非常勤職員が常勤の3/4を超えなくても常勤と評価しつつも、条例根拠なきままでは違法との最高裁判決が出たのです。それを踏まえ、多摩市では既存の規則から、嘱託職員、非常勤一般職員、臨時職員に関し任用3条例を制定しました。
 27年度の私の一般質問に対し、当局は「条例化を検討する」と答弁しましたが、最高裁判決の重みを軽視し、その後検討を怠って来たことが判明しました。
 一方、高齢者雇用安定法の平成25年改正により、定年退職後労使協定での条件を廃止した上で、原則65歳までの再雇用が可能となり、それを受けて公務員もそれを踏襲するようになりました。
 加えて、平成25年3月付け総務副大臣通知「地方公務員の雇用と年金の接続について」では、無年金期間において希望者にはフルタイム勤務を推奨しています。それを受け多摩市では、職員組合との協議により、無年金期間は、週5日のフルタイム勤務か、週4日の短時間勤務を選択できるようにし、年金支給後は短時間勤務に一本化することにしました。
 本市では、一般職定年退職者には選択の余地がなく、再任用は年金開始年度までに止まっており、しかも短時間、即ち週30時間です。
 結局は、「再任用を希望する職員をフルタイム職に再任用することが困難であると認められる場合等での短時間勤務を可能」とする逃げ道をフルに活用していることが判りました。
 では、一般廃棄物収集業務や給食調理員等現業職、消防吏員においては、一般職と異なり、過去において定年退職後最長5年間の再任用を認めて来ました。これでは既得権益が残存し、一般職との不公平が生じます。この際、一般職と同様の待遇に改善すべきす。
 と申しますのも、臨時職員や嘱託員には期末手当(ボーナス)を含む手当支給がないの
に比べ、再任用職員には認められているため、大きな違いがある訳です。
 また、旧交通局では民営化直前に、国の解釈を踏襲し、公営企業であるにも関わらず、運転士を現業職とみなし、行政職俸給表一から二に適用改定を検討し、給与を減額しました。
 そこで現業職に関しても、福山市が近年改定した様に、人事院規則を参酌して行政職俸給表二を適用するべきです。現給保障されますので、すぐに職員には影響はありませんが、長い目でみれば昇級金額が圧縮されますので、財政上効果が出て参ります。
 定年退職後の再任用5年間保証、行政職俸給表一の適用遵守の二つは、現業職における大きな既得権益だった訳です。
 政府では働き方改革を進めており、先だっては地方公務員法が改正され、平成32年度から一部の非常勤職員に手当が認められるようになります。それに合わせて地方自治法も改正されるでしょう。だからと言ってそれを待つのではなく、今すぐ改革に手を染めるべきなのです。
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