公共建築物計画修繕のための基金創設を提唱!
Facebook 2018.3.9
去る3月6日は129回目の街頭演説。テーマは、公共建築物の計画修繕についてです。
一昨年8月、呉市が所有するグリーンピアせとうちの冷温水発生装置が突然故障し、冷房がストップ。利用客に多大な迷惑をかけてしまいました。同施設の指定管理者は独自の判断で、呉市に了解を得ることなく、当時の宿泊料と飲食費を無料にしました。
呉市当局は、この事実を議会に報告せず隠していたのです。しかも、宿泊棟の冷温水発生装置は予備を含めて2基あり、通常は予備を暫定稼働させれば、冷房が止まることはないはずです。つまり稼働させていないもう1基も故障中だった訳で、これは施設の計画繕を行っていなかったことが原因です。
ところで呉市は、100万円を超える修繕は指定管理者から相談を受けた上で対応し、100万円未満は指定管理者に修繕を任せる契約を締結していました。つまり事後修繕であったことから、今後公共建築物には全て修繕計画を策定することの必要性が改めて明確になったと言えましょう。
一方呉市は、国の要請に基づき、平成28年3月に公共施設等総合管理計画を策定。これは公共建築物と道路、橋梁、公園等のインフラ施設を今後どのように維持管理するかをまとめたものです。その中で公共建築物に限って言えば、平成27年度から52年度までの26年間に2,209億円の維持管理費がかかると試算しました。年平均、実に112億円が必要となります。
これを、施設の廃止や統廃合、複合化により、総床面積を3割縮減するというのです。もしそうなりますと、維持管理経費をどの程度縮減できるのか、私は先の3月定例会予算総体質問で質疑致しましたが、まだどの施設をどうするのか、全てがまとまっていないことから、試算は不可能との答弁に終始したのです。
この前提となる公共施設再配置計画では、施設を3種類に分けた上で、3次に亘ってその方向性を定めることにしておりました。その最終年度が今年度末ということで、これを予算総体質問で確認したところ、全体見通しとして53%、260施設しか結論が出せていないというのです。これでは、公共施設等総合管理計画で平成32年度までに策定する公共建築物の個別維持保全計画(略して「個別計画」と呼ぶ)は、前途多難です。個別計画策定に当たっては、全施設を一括で行い、しかも目標年次の前倒しもあり得るとしていたので、非常に不安になった訳です。
この個別計画を策定することで、初めて平成52年度までの施設の総床面積が判明し、この間に必要となる維持管理経費も見通しが立つのです。
そうなって初めて、財源確保策の必要性が高まって参ります。私はこのための特定目的基金の創設を、先の予算総体質問で提唱致しました。これは維持管理経費予算の年度平準化にも寄与し、安定した財政運営ができるからに他なりません。
しかも、決算時に生じる余剰金の一部を積み立てる財政調整基金方式ではなく、予算段階から必要経費を予め確保することで、このところ緩みがちな財政規律の手綱を締めることが可能となるのです。
会社経営では、ハコ物を維持管理する場合、将来の建て替えに備えて法定耐用年数に合わせて減価償却費を積み立てます。また、改修費においても引き当てたりします。つまり、収益的収支で余剰が出た部分を内部留保し、資本的収支に回す考えです。即ちランニングコストを駆使するのが収益的収支、イニシャルコストを駆使するのが資本的収支と言われ、複式簿記となっているのです。
ところが自治行政は単式簿記で、資本的収支がないため、目の前の必要経費のやりくりで目一杯となり、必然的に将来負担はその時々に財源確保に努めます。このため起債(借金)体質に陥り易く、将来に禍根を残す財政運営に陥ってしまうのです。
そこで、内部留保に代わるのが特定目的基金という訳なのです。例えば大和ミュージアムは、20万点の資料を展示することで、オンリーワンの呉市らしさを提供するため、将来必ず建て替えが必要となります。その時巨額の予算がかかるため、今の内から毎年度少しずつ積み立てておくのです。これは施設更新に係る基金です。そのほか、公共建築物の維持保全計画を策定し、そのために必要な経費を積み立てて確保しておくのが、施設維持保全に係る基金となります。理想的にはこれらを別途積むことが、より健全な財政運営をすることができると、私は提案致しました。
当局は、公共施設等総合管理計画でもこの様な基金設置を目標に掲げているとしつつ、今後も前向きに検討すると答弁したものの、その創設目標年次を明らかにすることはできませんでした。最悪の場合、創設しない選択肢も含まれます。
私は今後も、公共施設維持保全や更新整備に係る基金創設の必要性を訴えて参る所存です。
一昨年8月、呉市が所有するグリーンピアせとうちの冷温水発生装置が突然故障し、冷房がストップ。利用客に多大な迷惑をかけてしまいました。同施設の指定管理者は独自の判断で、呉市に了解を得ることなく、当時の宿泊料と飲食費を無料にしました。
呉市当局は、この事実を議会に報告せず隠していたのです。しかも、宿泊棟の冷温水発生装置は予備を含めて2基あり、通常は予備を暫定稼働させれば、冷房が止まることはないはずです。つまり稼働させていないもう1基も故障中だった訳で、これは施設の計画繕を行っていなかったことが原因です。
ところで呉市は、100万円を超える修繕は指定管理者から相談を受けた上で対応し、100万円未満は指定管理者に修繕を任せる契約を締結していました。つまり事後修繕であったことから、今後公共建築物には全て修繕計画を策定することの必要性が改めて明確になったと言えましょう。
一方呉市は、国の要請に基づき、平成28年3月に公共施設等総合管理計画を策定。これは公共建築物と道路、橋梁、公園等のインフラ施設を今後どのように維持管理するかをまとめたものです。その中で公共建築物に限って言えば、平成27年度から52年度までの26年間に2,209億円の維持管理費がかかると試算しました。年平均、実に112億円が必要となります。
これを、施設の廃止や統廃合、複合化により、総床面積を3割縮減するというのです。もしそうなりますと、維持管理経費をどの程度縮減できるのか、私は先の3月定例会予算総体質問で質疑致しましたが、まだどの施設をどうするのか、全てがまとまっていないことから、試算は不可能との答弁に終始したのです。
この前提となる公共施設再配置計画では、施設を3種類に分けた上で、3次に亘ってその方向性を定めることにしておりました。その最終年度が今年度末ということで、これを予算総体質問で確認したところ、全体見通しとして53%、260施設しか結論が出せていないというのです。これでは、公共施設等総合管理計画で平成32年度までに策定する公共建築物の個別維持保全計画(略して「個別計画」と呼ぶ)は、前途多難です。個別計画策定に当たっては、全施設を一括で行い、しかも目標年次の前倒しもあり得るとしていたので、非常に不安になった訳です。
この個別計画を策定することで、初めて平成52年度までの施設の総床面積が判明し、この間に必要となる維持管理経費も見通しが立つのです。
そうなって初めて、財源確保策の必要性が高まって参ります。私はこのための特定目的基金の創設を、先の予算総体質問で提唱致しました。これは維持管理経費予算の年度平準化にも寄与し、安定した財政運営ができるからに他なりません。
しかも、決算時に生じる余剰金の一部を積み立てる財政調整基金方式ではなく、予算段階から必要経費を予め確保することで、このところ緩みがちな財政規律の手綱を締めることが可能となるのです。
会社経営では、ハコ物を維持管理する場合、将来の建て替えに備えて法定耐用年数に合わせて減価償却費を積み立てます。また、改修費においても引き当てたりします。つまり、収益的収支で余剰が出た部分を内部留保し、資本的収支に回す考えです。即ちランニングコストを駆使するのが収益的収支、イニシャルコストを駆使するのが資本的収支と言われ、複式簿記となっているのです。
ところが自治行政は単式簿記で、資本的収支がないため、目の前の必要経費のやりくりで目一杯となり、必然的に将来負担はその時々に財源確保に努めます。このため起債(借金)体質に陥り易く、将来に禍根を残す財政運営に陥ってしまうのです。
そこで、内部留保に代わるのが特定目的基金という訳なのです。例えば大和ミュージアムは、20万点の資料を展示することで、オンリーワンの呉市らしさを提供するため、将来必ず建て替えが必要となります。その時巨額の予算がかかるため、今の内から毎年度少しずつ積み立てておくのです。これは施設更新に係る基金です。そのほか、公共建築物の維持保全計画を策定し、そのために必要な経費を積み立てて確保しておくのが、施設維持保全に係る基金となります。理想的にはこれらを別途積むことが、より健全な財政運営をすることができると、私は提案致しました。
当局は、公共施設等総合管理計画でもこの様な基金設置を目標に掲げているとしつつ、今後も前向きに検討すると答弁したものの、その創設目標年次を明らかにすることはできませんでした。最悪の場合、創設しない選択肢も含まれます。
私は今後も、公共施設維持保全や更新整備に係る基金創設の必要性を訴えて参る所存です。