呉駅前再整備計画の対象範囲拡大は、財政圧迫要因に!
Facebook 2018.3.25
去る3月20日は、131回目の街頭演説。テーマは呉市新年度予算の目玉である、くれワンダーランド構想検討委員会設置と呉駅前地区再整備についてです。
さて一昨日3月23日、平成30年度呉市予算が可決されました。新市長として初の本格予算編成で、マニフェストで提唱したくれワンダーランド構想をどう予算に反映させるかが注目の的となりました。
いきいき、わくわくするような呉市にするための4つのキーワードである中小企業活性化、交流都市への発展、女性と若者支援、いきいき島ライフは、全て第4次長期基本計画に既に書かれています。つまり、長期基本計画を市長流にアレンジを持たせて表現したに過ぎません。
しかも市長は、これまで具体的政策には敢えて言及せず、これから市民や議会の意見を拝聴する中で考えていくと、就任後に答弁を繰り返して来られました。その上で、くれワンダーランド構想に係る検討委員会の設置費300万円を新年度予算に計上しました。これは委員報酬が主なものです。つまり、市長自らこうしたいというよりも、具体策を諮問機関に丸投げしようとするとも言えましょう。姿がなかなか見え難いとも言えます。因みに、呉市の方向性を見据える総合計画審議会の報酬でさえ58万円ですから、今回の300万円の報酬は、複数の分科会設置を視野に入れたものと推察されます。
4つのキーワードで検討をするといっても、余りにも広範囲で、議論が搾り切れません。このような諮問機関はナンセンスです。しかも具体策検討に設置を予定している呉駅前地区再整備分科会にしても、前市長の構想だった呉駅前広場と旧そごう周辺整備から、脚色を加え、対象範囲を拡大するとの言及がありました。私の質疑により、これが呉駅舎までに対象に加えることが次第に判って来ました。
その中で、現在駅北側にしか設置されていない改札口を、南側にも設置する構想がちらついて参りました。現在の駅舎は北側の駅前広場に面して建てられており、その後開発された駅南側には通じておりません。ということは、橋上駅を新設し、橋上中間に改札口を一本化することも視野に入って参ります。
ところが、現在の駅舎は昭和57年建築ですから新耐震基準を満たしており、築後36年しかまだ経っていません。もうしそうすれば、過去2本の南側へ抜ける自由通路を建設したことの意味が薄れ、二重投資になってしまいます。確かに以前駅南区画整理事業が行われ、レクレビル等で賑わっており、橋上駅を新築して、どちらにも出られるような改札口を設置するのは、正しい方向性ではあるでしょう。
ただ、駅舎の耐用年数や、特に南側開発以降、西側に2本目の南北自由通路を建設したことから、時期尚早と考えます。ましてや、JRは駅舎建設に殆ど支出しないでしょうし、呉市の財政を考えるとなおさらです。
もう1点、この度の本会議での部長答弁で、JR呉線連続立体交差事業も選択肢に入って来るとの答弁がありました。これに本腰を入れると、投資額が膨れ上がるのは火を見るより明らかです。しかも広島~海田間の広島東部連続立体交差事業でさえ、県や広島市の財政難から、一部区間の立体化を取り消す計画となっており、未だ反対する地元との協議が難航している状況です。
実はこの構想は、昨年度末に策定された都市計画マスタープランにも記載されています。民間有識者で構成する諮問機関である検討委員会委員の一人が、「巨大なコストがかかる実現性の見込めない立体交差事業を計画に記載するべきではない」と発言しました。ところが座長は、敢えて委員間討議を戦わすことを避け、委員会事務局である提案者の呉市都市計画課に提案理由を述べさせただけだったのです。これでは諮問機関の存在意義が全くありません。
実際諮問機関というのは、市長のイエスマンしか委員に登用されませんし、市長の意向を受けた官僚がたたき台を作るのが常道です。財政的視点から、事業費抑制意見は、市長を忖度して出され難い体質があり、結局は官僚の考えた内容が採択されるのです。
そして、これに関するコンサル委託料として、総合基本調査費4,500万円の内、2千万円をワンダーランド構想に割いています。
ところが、今年度予算化した呉駅前地区再整備基本計画策定費1千万円については、既に390万円を支出しており、この途中段階の調査内容をどう活かすのか、明らかにしていません。リセットして予算立てするのではなく、行政の継続性の観点から、未執行の610万円を新年度に繰り越すべきでしょう。
それでもし不足したとしても、予備の総合基本調査費を緊急枠で別途2千万円も組んでいるのですから、財源は確保できる訳です。下手をすれば、前市長時代に予算執行した調査費は、空を切ってしまう可能性すら秘めているのです。
市長は新年度予算について、船が岸壁を離れた直後に例えられ、いずれ大海原へ航海に出ると予告されました。岸壁直後でも、新年度予算では財政調整基金や減債基金を17億円も取り崩したのですから、これら事業が具体化して大海原に乗り出したら、収支不足が更に拡大するのは必定です。
現時点での財政見通しでは、平成30年度から34年度までの5年間で109億円の収支不足が予想されているのです。即ち年平均22億円が不足します。ところが、この見通しには、呉駅前地区再整備や青山クラブ保存改修は入っていないことが、私の質疑で判明したのです。ということは、大海原へ航海する暁には、更に収支不足が拡大することになります。
呉市は少子高齢化と人口減が激しく、今後税収も減って来ますので、それなりの財政運営が必要となります。つまり身の丈のあった予算編成にすべきであって、選挙を意識するあまり市民の期待に安易に応え、決して背伸びをするべきではないのです。
さて一昨日3月23日、平成30年度呉市予算が可決されました。新市長として初の本格予算編成で、マニフェストで提唱したくれワンダーランド構想をどう予算に反映させるかが注目の的となりました。
いきいき、わくわくするような呉市にするための4つのキーワードである中小企業活性化、交流都市への発展、女性と若者支援、いきいき島ライフは、全て第4次長期基本計画に既に書かれています。つまり、長期基本計画を市長流にアレンジを持たせて表現したに過ぎません。
しかも市長は、これまで具体的政策には敢えて言及せず、これから市民や議会の意見を拝聴する中で考えていくと、就任後に答弁を繰り返して来られました。その上で、くれワンダーランド構想に係る検討委員会の設置費300万円を新年度予算に計上しました。これは委員報酬が主なものです。つまり、市長自らこうしたいというよりも、具体策を諮問機関に丸投げしようとするとも言えましょう。姿がなかなか見え難いとも言えます。因みに、呉市の方向性を見据える総合計画審議会の報酬でさえ58万円ですから、今回の300万円の報酬は、複数の分科会設置を視野に入れたものと推察されます。
4つのキーワードで検討をするといっても、余りにも広範囲で、議論が搾り切れません。このような諮問機関はナンセンスです。しかも具体策検討に設置を予定している呉駅前地区再整備分科会にしても、前市長の構想だった呉駅前広場と旧そごう周辺整備から、脚色を加え、対象範囲を拡大するとの言及がありました。私の質疑により、これが呉駅舎までに対象に加えることが次第に判って来ました。
その中で、現在駅北側にしか設置されていない改札口を、南側にも設置する構想がちらついて参りました。現在の駅舎は北側の駅前広場に面して建てられており、その後開発された駅南側には通じておりません。ということは、橋上駅を新設し、橋上中間に改札口を一本化することも視野に入って参ります。
ところが、現在の駅舎は昭和57年建築ですから新耐震基準を満たしており、築後36年しかまだ経っていません。もうしそうすれば、過去2本の南側へ抜ける自由通路を建設したことの意味が薄れ、二重投資になってしまいます。確かに以前駅南区画整理事業が行われ、レクレビル等で賑わっており、橋上駅を新築して、どちらにも出られるような改札口を設置するのは、正しい方向性ではあるでしょう。
ただ、駅舎の耐用年数や、特に南側開発以降、西側に2本目の南北自由通路を建設したことから、時期尚早と考えます。ましてや、JRは駅舎建設に殆ど支出しないでしょうし、呉市の財政を考えるとなおさらです。
もう1点、この度の本会議での部長答弁で、JR呉線連続立体交差事業も選択肢に入って来るとの答弁がありました。これに本腰を入れると、投資額が膨れ上がるのは火を見るより明らかです。しかも広島~海田間の広島東部連続立体交差事業でさえ、県や広島市の財政難から、一部区間の立体化を取り消す計画となっており、未だ反対する地元との協議が難航している状況です。
実はこの構想は、昨年度末に策定された都市計画マスタープランにも記載されています。民間有識者で構成する諮問機関である検討委員会委員の一人が、「巨大なコストがかかる実現性の見込めない立体交差事業を計画に記載するべきではない」と発言しました。ところが座長は、敢えて委員間討議を戦わすことを避け、委員会事務局である提案者の呉市都市計画課に提案理由を述べさせただけだったのです。これでは諮問機関の存在意義が全くありません。
実際諮問機関というのは、市長のイエスマンしか委員に登用されませんし、市長の意向を受けた官僚がたたき台を作るのが常道です。財政的視点から、事業費抑制意見は、市長を忖度して出され難い体質があり、結局は官僚の考えた内容が採択されるのです。
そして、これに関するコンサル委託料として、総合基本調査費4,500万円の内、2千万円をワンダーランド構想に割いています。
ところが、今年度予算化した呉駅前地区再整備基本計画策定費1千万円については、既に390万円を支出しており、この途中段階の調査内容をどう活かすのか、明らかにしていません。リセットして予算立てするのではなく、行政の継続性の観点から、未執行の610万円を新年度に繰り越すべきでしょう。
それでもし不足したとしても、予備の総合基本調査費を緊急枠で別途2千万円も組んでいるのですから、財源は確保できる訳です。下手をすれば、前市長時代に予算執行した調査費は、空を切ってしまう可能性すら秘めているのです。
市長は新年度予算について、船が岸壁を離れた直後に例えられ、いずれ大海原へ航海に出ると予告されました。岸壁直後でも、新年度予算では財政調整基金や減債基金を17億円も取り崩したのですから、これら事業が具体化して大海原に乗り出したら、収支不足が更に拡大するのは必定です。
現時点での財政見通しでは、平成30年度から34年度までの5年間で109億円の収支不足が予想されているのです。即ち年平均22億円が不足します。ところが、この見通しには、呉駅前地区再整備や青山クラブ保存改修は入っていないことが、私の質疑で判明したのです。ということは、大海原へ航海する暁には、更に収支不足が拡大することになります。
呉市は少子高齢化と人口減が激しく、今後税収も減って来ますので、それなりの財政運営が必要となります。つまり身の丈のあった予算編成にすべきであって、選挙を意識するあまり市民の期待に安易に応え、決して背伸びをするべきではないのです。