街頭演説集

第135回 上下水道局移転

議会軽視の上下水道局移転を大いに反省せよ!

Facebook 2018.4.22

 去る4月16日は、135回目の街頭演説。テーマは、呉市上下水道局の移転問題についてです。
 いよいよ新年度に入り、上下水道局西中央庁舎の解体工事が始まりました。この庁舎は、来月封切られる予定の呉市を舞台にしたやくざ映画「孤狼の血」において、昭和時代の呉警察署として設定ロケされた建物です。
 解体後は、今年度から消防局及び西消防署の建設が着工される予定です。上下水道局として、既に経営総務部と建設部は、一足先に平成28年10月につばき会館に移転し、移転前の西中央庁舎奥の古い庁舎に施設管理部が残っていました。
 先ず事の発端は、呉市役所新庁舎建設に遡ります。市庁舎に市の機能を集約することから、つばき会館内にあった教育委員会と産業部、そしてすこやかセンターくれ内にあった、保健所を除く福祉保健部が新庁舎に移転することとなりました。その上で、上下水道局西中央庁舎は耐震基準を満たしていないことから、福祉会館に移転する方針でした。ところが、途中からつばき会館への移転に方針転換したのです。その際、技術管理部門である施設管理部を分離し、宮原浄水場管理棟を建て替えた後、そこに同部浄水課と管路管理課を移転するとしました。
 この結果、当時24名体制だった浄水場管理棟を60名体制と規模を拡大することになり、建築費だけで12億円もかかることから、私のみが反対を表明しました。浄水課と管路管理課の36名はつばき会館に収めることが可能だったからです。
 しかも、管理棟を大規模化することが、平成26年10月からの上下水道料金の値上げに含まれているとの説明は、当時なされなかったのです。中でも水道料金は平均10.7%引き上げられています。
 その新しい管理棟も昨年度末までに完成し、今年2月26日に、西中央庁舎に残されていた浄水課と管路管理課がそこに移転したのです。しかし当初予定していた36名ではなく、議会に状況説明することなく、28名となっていました。その差8名は管路管理課の下水道維持グループで、つばき会館への移転となったのです。
 ということは、当初の移転話がコロコロ変遷し、議会も翻弄されたことになります。当局は60名体制が52名体制になったとしても、新管理棟において大勢には影響ないと豪語していますが、やはりそれだけのキャパで設計したのですから、一部公費が無駄になったと言われても仕方ないでしょう。
 実際移転時には、管路管理課長は宮原浄水場新管理棟にデスクを構えましたが、課内組織である水道維持グループは同管理棟内に、下水道維持グループはつばき会館内に移転しました。ということは、下水道維持グループは直属の上司たる課長との意思疎通が図り難くなり、言わば管路管理課が八つ裂き状態に陥ったのです。これに対し当局は、この4月から機構改革を小幅に行い、管路管理課の下水道維持グループを建設課内に置くことで回避したとしています。
 実は、宮原浄水場は水道施設ですから、そこに下水道維持グループが入居することそのものに問題があったのです。しかも建設部と施設管理部がつばき会館と宮原浄水場とに離れることで、それらを統括する上下水道局管理者はつばき会館におりますので、組織的統率が図り難くなったり、施策連携が難しくなりましょう。浄水場はあくまで現場部署ですから、浄水場を直接管理する当初の24名体制を継続する方が、管理棟の巨大化を防ぐこともあり、よかったというのが私の意見です。
 更に、平成31年度からは浄水場を広島県の出捐する第3セクターである、水みらい広島㈱に指定管理する方針を当局が固めました。既に同社へは、宮原浄水場管理棟の夜間業務を委託しています。浄水場の一括指定管理となりますと、その活動拠点は当然宮原浄水場管理棟になります。そこに水道事業と無関係の下水道維持グループがいると、却って仕事がやり難くなるとみています。このことに対して、当局はこの度の機構改革とは関係ないと答弁していますが、私はそうはみておりません。
 一方上下水道局は、平成25年度に市役所庁舎内にあった下水道部を吸収統合して、業務の効率化を図って来ました。
 そこでこの度の西中央庁舎移転に伴い、そこに消防局が来ますので、この土地を呉市一般会計に売却することとなりました。呉市上下水道局が呉市に土地を売却するのは理解し難いですが、同局は公営企業であって、基本的には税金ではなく、上下水道使用料等で経営するため、地方公営企業法の独立採算原則に従うものです。
 その売却価格は6億1,200万円で、元々その一体に下水道敷が登記簿上存在したことや水道単独の土地が存在していたことから、水道会計には4億4,440万円、工業用水道会計は1億5,710万円、下水道会計には1,050万円の売却収入があります。
 また水道会計の解体除却費用は、固定資産除却費として2億529万円が予算計上されていて、その内解体撤去費は1億3,640万円です。方や工業用水道会計での固定資産除却費は1億1,642万円で、その内解体撤去費は6,820万円ですので、水道対工業用水の負担案分比率は2:1となっています。
 ところが、これには下水道会計による負担がないことから、建物の所有は2:1で水道会計と工業用水道会計と解ります。つまり、元々市役所旧庁舎内にあった下水道部が移転統合する際、水道・工業用水会計の建物にテナント入居したことになります。
 そこで私が、、その時から施設使用料を下水道会計が納付していたかをこの度の予算委員会で糺しました。答は「ノー」だったのです。下水道会計も公営企業ですから、独立採算でなければなりませんが、水道及び工業用水のおんぶにだっこだったことが、初めて判明致しました。
 現在、上下水道局本体はつばき会館に入居していますが、その施設使用料は、下水道会計を含めて、呉市一般会計に支払われていますので、これとも矛盾することとなります。
 そこで私は、下水道会計において、平成25年度以来支払って来なかった施設使用料を、この度の解体費に負担を上乗せして支出する予算を計上し、精算すべきと主張しました。これが最後のチャンスとなるからです。ところが、当局は予算の修正をしたくないことから、明確に拒否したのです。
 大体一般論として、公共団体が他の公共団体に土地を売却する際、公正な価格で売却する側も公正な価格で購入する側も、どちらも鑑定評価を取るものです。ところがこの度は同じ呉市なので、一般会計のみで鑑定評価を行いました。これは全て市民の血税が財源となっています。鑑定評価にかかった費用は水道、工業用水、下水道の3会計全体と、一般会計とで1:1に案分負担するのが本来の姿だと考えます。
 この様に私は、市民の目に触れない部分にも光を当て、事情を理解している議員として、今後も目を光らせて参る所存です。
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