街頭演説集

第137回 校務支援システム

校務支援システムでインストール料二重払い予算が発覚!

Facebook 2018.5.1

 本日は137回目の街頭演説。この日からクールビズ期間に突入し、ノーネクタイでの出で立ちとなりました。テーマは、学校教員における校務支援システムについてです。
 これは教員の働き方改革の一環として、業務量を減らすために、呉市教育委員会が平成29年度に、中学校教諭に限って初導入致しました。即ち、児童生徒の成績表、指導要録、出席簿、進路の推薦書の4つの分野において、入力でき且つ集計や分析が自動的にできるシステムであり、これまで手作業で作成していた文書がシステム上で入力作成できるため、事務作業の効率化が図れるという優れものです。
 実は、公立学校教員はその勤務の特殊性から、教育職員給与特措法第3条により、時間外手当が支払われない代わりに、俸給体系が通常より高く設定されています。となりますと、遅くまで学校に居残りされたり、児童生徒のテスト採点や、授業準備、保護者への相談対応など、家庭への持ち帰り業務も日常茶飯事です。
 この多忙さ故に、児童生徒と向き合う時間が制約され、学校教育に支障が出て来ているのも事実です。そこで呉市教委は、これまで県に対して報告事務の軽減をお願いして来た経緯があります。その様な中で、全国で事例が増えている校務支援システムの導入が持ち上がりました。
 29年度、中学校への導入予算は201万円ということで、呉市議会は予算議決を致しました。ところがこれは全体契約の初年度のみの予算だったことが、後から明らかになり、実際は29年9月から34年8月までの5年リースだったのです。5年契約の総事業費は約1,957万円となるのです。
 しかも、各教諭が使用しているパソコンは、30年8月までの5年リースですので、29年度のシステムインストール料224万円は、30年9月以降のパソコン貸与契約が新たに生じますので、再インストール料が同額必要となるのです。つまり、5年間の契約期間に1度でいいインストール料を、2度払いしなければならないのです。
 これら、契約の全体像について、新規予算にも関わらず市教委は、議会に一切説明しないまま、予算審議に突入したのです。つまり内容が議員にとって全く分からないまま、議決されたことになり、議会軽視も甚だしいと言えましょう。
 おまけにリース契約は5年間ですが、予算は年度毎の議決を必要と致します。ということは、契約後の次年度以降、予算が万一否決された場合は、契約解除条項が契約書に記載されているので、業者は泣く泣くこれに従わざるを得ず、損害賠償請求もできず、呉市にとって違約金も発生しません。これは公共団体がメーカーに対し強い立場での契約を押しつけることに繋がり、独占禁止法違反の気配さえ感じます。ただこれが表立って問題化しないのは、議会がイエスマンで全て議決して来たからだけの理由によるのです。
 地方自治法では、これら5年間の契約期間に係る全体予算を、自治体の単年度会計における初年度予算で担保するには、「債務負担行為」を設定すれば可能としており、こうすれば総事業費が明確になるだけでなく、予算審議も深まったはずです。ところが呉市は、債務負担行為をしなくてもできる地方自治法による特例を使いました。即ち長期継続契約条例に、ソフトフウェアやプログラムが付随する場合を含めた物品の購入や賃貸借契約において、例え複数年度に跨がる契約であっても、債務負担行為を設定せずに、予算を毎年度継続的に計上できるとしており、問題ないと強弁しました。つまり、校務支援システムはプログラムであり、それは物品たる教員のパソコンにインストールし、サーバーは学校毎に設置しており継続的に必要なことで、敢えて債務負担行為設定はしなくてもよいという意味です。 但し校務支援システムは、必ずしも教育現場で必要としないプログラムなので、それを敢えて導入するなら、5年間のリース契約を予算担保する必要があるというのが私の主張なのです。実際長期継続契約条例は「できる規定」なので、必ずしもそうしなくてもよいことが、この背景にあります。
 そこで呉市教委は、1年遅れて小学校においても、30年度予算に校務支援システム導入予算を計上する際、私の主張を受け入れて債務負担行為を設定したのでした。即ち30年度予算には390万円を計上し、31年度から35年度までのリース料を3,020万円、30年9月から35年8月までの5年リース期間全体で、3,410万円としたのです。ということは、小中合わせて5年間契約で4,367万円となります。これが、呉市立全小中学校へ導入する校務支援システムに係る総事業費なのです。
 では、リース契約が切れたらどうなるのでしょうか?コピー機の様にそれを延長すれば、年間リース料が1/10程度で収まるのでしょうか?私が先の予算委員会でこの点を糺しますと、保守料金が必要なことと、学習指導要領が4年に一度改定されことに対応するために、改めてリース契約を締結したいとの答弁が返って来ました。ということは、この約4,300万円は、普及が進んで価格が下がらない限り、5年に一度半永久的に新たに必要な支出額になります。
 私はリース期間を延長すれば、システムインストール費用は不要なので、できるだけこれを継続することで、経費を抑制できるのではないかとみています。今後の課題として、精査を行って参ります。
 
 一方、昨年度から導入した中学校における校務支援システムにおいて、2年目に当たるリース料に係る新年度予算は344万円であることが判りました。因みに契約相手は、㈱新星工業です。加えて、教諭の既存パソコンのリース期間は1年ずれていて、今年度満期になるため、改めてシステムを再インストールする必要があるというのです。その費用は別途224万円です。
 ということは、既存パソコンのリース期間に合わせ、校務支援システム契約を1年遅らせておれば、再インストールは不要だったのです。
 しかも小学校において、既存パソコンのリース契約が、中学校と比べやはり1年遅れていることが判明致しました。となりますと、小学校は今年9月にインストールして288万円を要した後、来年度は再インストール料が同額かかってしまうことになります。つまり、税金の二重投資になるのは明白です。
 ということは、中学校の校務支援システム導入は、既存パソコンのリース契約が切れる30年度から行い、小学校のそれは31年度からにすれば、再インストール料は発生しなかったことになります。敢えて1年早く導入したがために、合計512万円の血税が無駄になるということなのです。
 では何故このような無駄が、堂々と財務部の予算査定を通過したのでしょうか?行財政改革を謳う呉市において、考えられないことです。これは29年度に中学校において1年早く校務支援システムを導入することが、その年の秋にある市長選挙にプラスになるとの計算が働き、市長命令だったと言われても仕方ないでしょう。
 以前小笠原市長が、公立小中学校通学定期代を無料化したのが、市長選挙のあった平成17年度予算だったことも選挙対策でした。この様な首長による選挙対策的ばらまきの背景を見抜かねばなりません。教育委員会は市長部局と独立した機関であると、地方教育行政法で謳いつつ、その実、市長が自身のイエスマンを教育長に推薦して議会同意を得る現代の仕組みは、プロの教育行政を市民代表である教育委員が制御するという「レイマンコントロール」が機能していないのです。
 そこで私は、次回契約から再インストールが不要なように、校務支援システムの期間延長を促して参る所存です。
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