街頭演説集

第147回 温水プールの在り方

呉市は身の丈に合った温水プールの適正配置を!

Facebook 2018.7.9

 本日は、147回目の街頭演説。西日本豪雨災害の影響でJRが全面運休したため、呉駅前は心持ち閑散とした状況です。路線バスは一部運行を再開したものの、国道31号線を初めとする幹線道路が遮断されており、広島市へ行くには焼山を通る呉平谷線を使う手段しかないようで、大渋滞が起こっています。
 先ずは、豪雨災害でお亡くなりになった方には心よりお悔やみ申し上げますと共に、被災されたご家族に対し、お見舞いを申し上げる次第です。

 さて、この度のテーマは温水プールの在り方についてです。
 現在、呉市中心部である二河地区にあった市営プールの建て替え工事が急ピッチで進んでいます。工期は平成29年10月から30年12月となっており、供用開始は来年2月か3月となりそうです。
 昨年度と今年度の2シーズンの夏場において、連続してプールが使えなかったことになります。本来は、今年度の夏に間に合わせる予定でした。ところが、建設工事発注に係る入札において業者の応札がなく、2度に亘って不調となり、3度目の正直でようやく落札したことで、着工時期が半年以上遅れたことがその要因です。
 私は最初の入札に失敗し、予算を繰り越す段階で、次回は総合評価入札ではなく一般競争入札にするべきと訴えました。しかし当局は受け入れず、再度総合評価入札を実施しましたがやはり不調となり、3度目にようやく一般競争入札に切り替えて落札した経緯があるのです。このため着工時期が遅れ、今夏に間に合わせる予定が、叶わなくなったという訳です。
 実は新庁舎建設の際も、総合評価入札を2度実施して不調になり、一般競争入札に切り替えてようやく一者が応札して3度目にようやく落札した苦い教訓があるのです。価格だけを競う一般競争入札と違って総合評価入札は、価格に加え、経営実績や安定度、地元事業者への下請けや資材購入等地元経済への波及効果等がその点数評価の対象となります。ということは、応札において価格見積もり以外に計画立案をする必要があり、落札できなかった場合の経費損が大きいという、企業側の事情があるのです。

 ところでこの度の設計内容の主なものは、プール棟は2階建て、トレーニングルームを備え、25mのメインプールに加え、健康づくりプールがあります。しかも可動床システムを初めて導入し、プールの深さを利用目的に応じ変えることが可能です。
 飛び込み台と練習用プールを撤去し、屋外の子どもプールは残し、新たに乳幼児向け池を設置します。屋外50mだったのが屋内25mに縮小される分、市民に若干不利益はあるものの、通年型への転換と、150台分の駐車場が新たにできることを総合すると、大きなプラスと言わざるを得ません。つまり、隣接のスポーツ会館、二河屋内練習場、バレーボール場、弓道場、二河公園多目的グラウンド、二河球場の利用者にも開放することになるからです。
 その一方で、民間の公共的団体にスペース貸していた売店がなくなります。夏場だけと違って通年型になるというのがその理由です。そう言えば市内既存3箇所の温水プールにも売店はありません。
 気になるのは使用料です。これまでは一般200円、高校生以下が100円で、それもメインプール、子どもプール含めてセット料金でした。去る6月定例会でスポーツ施設条例の一部改正が可決されましたが、新プールでは一般600円、高校生以下300円と、3倍になります。これは既存の川尻温水プール(かわせみプール)やくらはし温水プール(ウィングくらはし)と整合性と取り、不公平感をなくした結果ですので、ご理解下さい。しかもメインプールと子どもプールでは別途料金となり、後者は一般200円、高校生以下300円となります。
 そして同一敷地内に、多目的広場を新設し、1時間毎に一般1,700円、高校生以下850円で利用できます。ここには人工芝を敷き、フットサル用に設計されており、昔開催されていた地域行事たる盆踊り復活もあり得ます。
 運営方法は未定ですが、恐らくこれまで通り公設民営、即ち指定管理、非公募により呉市が全額出捐している呉市体育振興財団を指定する、と予想しておきます。

 一方、広にある市営温水プールは、耐震基準を満たしていないため、平成26年度に新広駅前再整備に係る調査費を予算計上し、その在り方の検討対象となっていました。その中間報告では、「温水プールは取り壊した上で、移転する」となっています。
 そこで、その移転場所は二河の温水プールのことではないかとの懸念が拭えず、複数の議員が質問しました。しかし前市長時代には、「市営温水プールの移転先は未定」として、敢えてノーコメントを貫いて来ました。その心は、広地区住民から「移転先を広地区内にして欲しい」との嘆願書が提出されていて、二河を移転先と明言すると、選挙に不利になる状況下にあったことは想像に難くありません。新市長が就任されて以降も同様で、この立場を貫いているのです。二河に温水プールが供用開始となって後、様子を見ながら慎重に検討する意図であるのは見え見えです。
 しかし私は、この度の二河でのプール建設は、有利な起債である合併特例債を活用すると言っても32億円もかけるのですから、これ以上別の場所に温水プールというハコ物を整備するべきではないと主張しています。公共施設等総合管理計画においても、平成52年度までに現状のハコ物の総床面積を3割縮減するという大目標を掲げているのですから、この足を引っ張ることになります。ハコ物を整備すればいくら有利な起債を活用できたとしても、維持管理費が将来に亘ってボディブローの様に利いて来るからにほかなりません。
 ましてや、呉市東部地区には川尻温水プールもあるのですから、人口減少と少子高齢化に歯止めがかからない現状で、呉市の財政事情から見ても、身の丈にあったハコ物整備に止めるべきなのです。選挙を意識すれば、ありとあらゆる要望を聞き入れることになり、結果的に市民の不幸を招きかねません。政治は本来二枚舌を駆使せず、正直であるべきなのです。

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