街頭演説集

第166回 スポーツ会館の指定管理

呉市営プール再開に合わせ、スポーツ会館食堂の復活を!

Facebook 2018.11.24

 去る11月19日は、166回目の街頭演説。テーマは呉市スポーツ会館の指定管理についてです。

 呉市スポーツ会館は、他のスポーツ施設17箇所と共に、呉市スポーツ施設条例に基づき、公益財団法人・呉市体育振興財団が指定管理しています。つまり公設民営です。
 スポーツ会館においては、スポーツ団体の宿泊機能があり、そのため食堂と厨房が設置されています。これは財団が直接業務運営が難しいことから、再委託する形となって、過去個人事業主や法人がその受け手となって来ました。
 ところが、直近の法人委託業者が、経営が厳しいとの理由で、昨年12月に撤退しました。条例では、受託業者は使用者として位置付けられ、その食堂使用料は月額5千円、高熱水費は実費を市若しくは指定管理者に納付することが義務付けられています。
 しかしながら、この度私の調査で、財団が委託業者に対し100万円程度の委託料を逆に支出していたらしいことが判明しました。これらの事実は、指定管理を議決する際、議案資料の収支計画や決算において、直接は分からないようになっており、市もその事実を把握できていなかった節があるのです。本来納付すべき食堂使用料や光熱費を一旦納付させずに、補助金としてその差額を財団が交付していたことになりますと、条例違反の疑いすら出て参りました。
 特に、市道を隔てて向かい側にある呉市営プール(二河プール)は、建て替えのための発注が2度の入札不調で大幅に遅れ、工事期間中に入った昨年度、今年度と2ヶ年連続で夏のプールが使用できませんでした。このこともあって、食堂事業者の経営悪化に拍車をかけたのではないかと睨んでいますが、市や財団は分析していないようでした。
 会館宿泊者や財団自主事業たるスポーツジムやスポーツ教室利用者のみを当てにしての食堂経営では到底成り立たないでしょうから、夏場しかオープンして来なかった屋外プールの利用者のニーズを喚起する必要はあったでしょう。ただ、夏季プールでは、うどん提供のスペースが元々あり、それを母子寡婦福祉連合会が業務を担って来ました。
 ところが、建設中で来年度早々からオープンを予定する呉市営プールでは、そのスペース設計がなされておらず、しかも屋内温水プールで通年利用となりますので、その利用者とスポーツ会館の食堂に呼び込むことができれば、経営が成り立つ可能性が出て来たのです。実際意欲を示している業者もおられるようです。

 そこで私は、温水プールオープンに合わせて、スポーツ会館の食堂を復活営業するべく、今の内から公募するよう、呉市を通じて財団に働きかけました。
 しかしながら、財団はそれに応じない意向を示したのです。その理由は、再度赤字分を財団が負担することになるのを恐れてのことです。
 但し、これは全く理由になっていません。条例通りに契約を締結さえすれば、またそれが当然ですし、万一業者が経営に失敗したとしても、財団は一切痛手を被らないからです。しかも業者が入れば宿泊者への便益も向上しますので、スポーツ団体誘致も有利に働き、結果、利用増となれば財団の総益となるからです。スポーツ施設での指定管理では、全て使用者の受益者負担は指定管理者に入ることにしており、これを利用料金制度と呼んでいます。
 物事にはスタートが大切で、呉市営プールが再オープンすれば利用者が殺到するでしょうから、その利用者をもターゲットに据えるのは民間事業者であれば、当然そこに目を付けるはずです。つまり、委託業者が撤退した昨年12月時点とでは、利用状況が大きく異なって来るのです。
 ですから、企業ニーズがある現時点で公募をすればよいと考えています。ただ欲を言えば、広にある呉市温水プールの移転先が不明確になったままであるということです。ここは耐震基準を満たしていないことから解体移転し、新広駅前を再整備する計画が既にありました。ところが広地区住民から建て替え移転をする際は広地区管内にして欲しいとのご要望が出され、選挙対策から前政権が移転先を明示して来なかった経緯があるのです。申請権になってもこの姿勢は変わらず、この様に将来ビジョンを曖昧にしたままの政治手法は頂けません。
 東部地区には合併した川尻町に温水プール「かわせみプール」があり、南部地区では倉橋町に温泉プール「ウィングくらはし」がありますので、この度二河に温水プールができることで、市内4箇所になる訳です。本市の人口動態や平成52年度までに公共施設を3割縮減するという公共施設等総合管理計画から鑑みて、新広駅前にある呉市温水プールの移転先は、誰がみても明かでしょう。しかもこの度のプール建設では32億円を駆使し、有利な起債である合併特例債の発行枠も底をつきつつあるのです。
 もし、広の温水プールの移転先を現在建設中の二河のプールに明確に位置付ければ、広地区住民が将来二河プールを利用することとなり、スポーツ会館の食堂の経営にも目処がつくというものでしょう。しかもこの度建設中のプールには駐車場と駐輪場各々150台ずつ設計されているのです。スポーツ会館食堂の提供料理が安価で美味しければ、プールやスポーツ施設を利用しない方も車を駐車場に駐めて訪れることが考えられます。これまでの二河プールには駐車場がなかったことも考えますと、条件は整いつつあるのです。

 一方、指定管理者の責務は条例の趣旨に従って、市の施設を管理運営することです。しかし、体育振興財団は、少なくともスポーツ会館の食堂を活用していない点において、マイナス評価となります。
 ところが、同財団は指定管理者として議会の議決を得る際、非公募で候補に選定された経緯があるのです。これでは競争が働きませんので、食堂経営を怠ったとしても、咎められないのです。そもそも、以前は公募したこともあり、その後呉市が100%出捐する財団等は、公益法人であっても一般法人であっても、非公募になった経緯があります。プロパー職員の処遇問題がこの背景にあったと思います。私はその当時から一般質問で競争性が働く公募にすべきではないかと、市の姿勢を糺した経緯があります。
 もし、公募して競争相手が出て来ますと、食堂経営をどうするのかという計画も、評価点に大きく左右されますので、応募事業者は食堂委託業者の公募を前向きに検討せざるを得なくなるはずです。またそのような意欲を有した企業が手を挙げる可能性もあります。宿泊・食堂という特殊な機能を有するスポーツ会館を他のスポーツ施設と分離して、指定管理を公募するのも一法でしょう。
 そこで私は、現指定管理期間の5年間が平成31年度末で切れることから、次回は公募に転換するよう訴えて参る所存です。

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