街頭演説集

第306回 呉市の自動運転バス実証実験は血税を使った無駄な投資!

2022.12.20

 昨日12月19日は、実に1年3ヶ月ぶりに、呉駅前での毎週における定期街頭演説が復活。通算306回目となりました。テーマは自動運転バス実証実験の効果についてです。

20221219自動運転バス実証実験
20221219自動運転バス実証実験

 呉市は、次世代モビリティ実証実験の予算を組み、今年度で4年連続です。今年度予算は2千万円。昨年度は、走行専用レーンを作っての実験でしたが、今年度は磁気誘導が主体となりました。これは道路付属品に位置付けられた磁気マーカーを予め道路に埋め込んでおいて、バス車体底辺部に設置したセンサーで走行位置をデータ確認し、運行誘導する仕組みです。

20221219自動運転バス実証実験
20221219自動運転バス実証実験

 去る12月10日(土)、11日(日)の2日間、市民モニターを募集し、搭乗してもらいました。毎年度市民による無料試乗会を目玉として啓発。その効果は甚だ疑問です。バスは小型の電気自動車で、二酸化炭素排出を抑制しますので、アイドリングストップも必要ないとの触れ込みでした。

20221219自動運転バス実証実験
20221219自動運転バス実証実験

 私は、12日(月)から別途国土交通省が行う運用実験の初日に、議員有志として乗り込むことができました。コースは呉市役所~呉駅~中央佐橋~海上自衛隊呉教育隊~本通4丁目~呉市役所の4km約30分間です。

20221219自動運転バス実証実験

 途中道路に駐車している車両があったり、交差点の横断歩道に歩行中の人がいたりした場合は、急ブレーキが掛かり、ポンピングブレーキではなかったので、実用化には程遠いと感じました。
 しかも、過去の実験でも分かったことですが、自動運転といっても、運転手は同乗して、途中で自動運転から手動運転に切り替えること数度。更には市役所内の一室に設けた管制室に人を常駐させ、監視制御しなければならないとのことでした。
 つまり、技術が進歩して最終的に運転手が不要になったとしても、管制室は必要不可欠であるというのです。当初の触れ込みは、自動運転バスになれば、人件費の抑制が図れるということでしたが、そうはなりません。しかも道路に磁気マーカーを布設したり、他の附属設備を設置したり、車両は普及していない段階では開発費を回収するため高額、割が合わないのは目に見えています。
 しかも、市街地を循環させるにしても、既存路線との競合で乗客の取り合いになりそうですし、それを回避したとしても、運行会社が自前で受けてくれるか甚だ疑問です。現在、交通局を民営化して、それでも呉市が毎年度5億円程度を広島電鉄に補助支出しています。自前での経営が困難だからです。これに自動運転バスを導入すれば、更なる補助金を支出しなければ、民間事業者が受けてくれないのです。
 元々、現市長が呉駅周辺地域総合開発と称し、そごう建て替えと、駅前交通ターミナルを総合開発するとのマニフェストの一環で、次世代モビリティ構想が生まれた経緯があります。いわゆる「スマートシティ構想」です。しかしこれは、新宿や品川、三宮等都会で初めて成り立つものであって、斜陽化した呉市で大風呂敷を広げるのは大変危険なのです。
 本来社会実証実験は、開発事業者が進めるのが筋であって、それを呉市が市民の血税で、直近の実用性の見通しが立たない段階で行うことには、到底理解できません。無駄な投資と言わざるを得ません。厳しい見方ですが、マニフェストで後に引けなくなった、市長の道楽と言われても仕方ないのではないでしょうか?

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