街頭演説集

第61回 議会改革

政務活動費公開請求情報における議会への漏洩は誤報!

Facebook 2016.10.17

 去る10月11日は61回目の街頭演説。テーマは、議会改革についてです。
 先ず、10月5日に、毎日新聞等が主催する第11回マニフェスト大賞において、我が呉市議会が優秀成果賞5団体の一つに選定されました。これは、新庁舎4階に装い新たに設置した議会図書室に、今年度から司書を雇用した上で、カンファレンス機能を付与したことが認められた格好です。即ち、議員が一般質問等を行う際に、そのテーマに沿った資料や経緯を調査してもらうことで、議会質問の向上に寄与するという趣旨です。実際先の9月定例会では、複数の議員は一般質問において、このカンファレンスを活用したところです。
 議会図書室は、地方自治法でその設置が義務付けられていますが、インターネットの普及もあって、旧庁舎では殆ど活用されていませんでした。そればかりか、その一部を改装して会派控え室に転用されたこともあり、その存在価値が疑問視されていたのです。
 次に、議会費の中で最も注目を集めている政務活動費。その中の使途の一つに、視察における出張旅費が挙げられます。ややもすれば、物見遊山に終わっているのではないか、との市民の疑念に答えるため、呉市議会では今年度から、その視察報告書を、昨年度に遡って全て議会ホームページで公開することにしました。
 これまでは、視察議員名や視察都市、視察目的のみが一覧表で公開されていただけだったので、大きな進歩です。つまりその中身を読むことで、どの議員がどの様な調査をし、現場でどの様な質疑をしたのか、呉市に採用できる内容なのかが一目瞭然となったのです。 しかも、成果も記述するように書式も統一されたため、議員において大きなプレッシャーがかかることになります。これは公金を正しく使うことを余儀なくされるという訳です。
 一方、その政務活動費の不正受給に端を発して、その情報公開請求者の情報が議員に漏れていることが表面化しました。
 これは、富山市議会における政務活動費不正受給の際、議会事務局がその公開請求を当該議員に教えたというのです。確かに特定議員への公開請求の際、その議員にのみ情報を伝達するのは問題です。請求者に無言の圧力をかけることになるというのです。
 これがマスコミにおいて、全国の地方議会への調査対象となり、多くの議会で同様のケースが見られたことが、最近一斉に報じられました。
 呉市議会もその例に漏れることなく、去る10月1日付けで毎日新聞が報じました。その内容は、呉市議会でも政務活動費等に係る情報公開請求があった場合、その事実を議会各会派幹事長に報告し、それが報道機関であった場合は、その名称も伝達していたということです。これでは呉市議会が情報漏洩という違法行為をしていたかの錯覚に、読者は陥ってしまいます。ただこれは重大な誤認であることをここで申し述べまておきます。
 情報公開請求に対し、公開の可否の決裁権は、議会においては議長です。但し、議長は議会という合議体の長ですから、独断はできませんので、その内容を議会の縮図である、各会派幹事長で構成する代表者会議に諮って、決めておりました。
 ところが、呉市情報公開条例では、公文書の公開原則を謳っているため、いちいち代表者会議を開く意味がないことになって、近年からは、議長が専決した上で、各会派幹事長に事後報告で済ませるという申し合わせになっておりました。だから、それに基づいて議会事務局が、各会派幹事長に伝達していたのです。ですから全く問題ありません。
 これが他の部局への情報公開請求者情報を議員に伝達したのなら、これは呉市個人情報保護条例に抵触致します。マスコミは、これと完全に混同していることになり、国民に誤解を与えるような報道は、厳に謹んでもらいたいものです。他市の議会事務局長がそのことに対して謝ったこともあって、燎原の火の如く広がったということなのです。
 更に、報道機関は呉市個人情報保護条例によると、法人や団体は勿論のこと、個人情報に位置付づけられておりません。ですから、その機関名を議会に伝えることも全く問題ありません。ましてや、報道機関は公共的性格が強い訳ですから、何をか言わんやです。
 ただ先日一般市民から、呉市議会に対して政務活動費の情報公開請求がありましたが、これは市民が特定できる情報は一切、議員に報告されていません。何故ならこれこそが個人情報に該当するからにほかならないからです。
 また、呉市は今年度7月から、政務活動費に係る収支報告書や領収証を議会事務局で閲覧できるように致しました。複写も1枚10円を支払えば可能です。この様に呉市では、敢えて情報公開請求しなくても、視察報告書も含めて簡単に閲覧や複写ができるのですから、情報公開請求の重みは一層軽減されたと言えましょう。
 尚、市民への誤解を与えかねないことも踏まえ、今後は半年毎に、議会会派に対し情報公開請求と閲覧実績を事後報告することに致しました。
 いずれに致しましても、私議員個人と致しましは、堂々と胸を張って政務活動費を活用し、市民の皆様のお役に立ちたいと考えています。
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