街頭演説集

第16回 乳幼児等医療費無料化

安易な受診、抗生物質の使い過ぎが自然治癒力減退の要因!!

Facebook 2015.11.19

 本日は16回目の呉駅頭での定期街頭演説。テーマは乳幼児等医療費無料化についてです。
 昨日、NHK報道番組「クローズアップ現代」において、耐性菌の出現により、抗生物質が効かなくなるどころか、却って症状を悪化させている場合があると、警告していました。
 種々の病気の要因は、細菌で体内が侵されることが多いのですが、それに対抗する細菌、いわゆる抗生物質を体内に投与することで、退治して来ました。ところがこの度が過ぎると、人間が本来持っている自然治癒力の減退に繋がり、抵抗力も薄れ、病気にかかり易くなります。そうするとまた医者通いとなって、悪循環となる訳です。
 それに加え、抗生物質でも死滅しない菌が突然変異等で出現します。これが耐性菌と呼ばれる存在です。そうなりますと新たに抗生物質を開発する必要があり、薬剤としての認可取り消しも含み、自然界と医学の競争激化になる訳です。近年は抗生物質の決定版と言われるカルバペネムが使用されていますが、それが全く効かない耐性菌であるCREが出現し、これに感染すると、医療現場でも施しようがないということでした。
 結局、番組での結論として、抗生物質の使い過ぎが耐性菌を助長し、却ってCRE感染を招いた自業自得の可能性について触れられました。
 これは西洋医学に頼る現代医学や、医師信仰である私達に対し、健康管理について大きな警鐘を鳴らしました。
 一方、子供が風邪をひくと親はすぐに医療機関で受診させます。風邪やインフルエンザは細菌(自己細胞を持つ微生物)によってかかるのではなく、ウイルス(自己細胞を持たない微生物)によって発症するため、本来抗生物質(狭義)の注射を打つのは勝手が違うそうです。
 ところが医療現場では、差し当たって熱を下げないと診療行為の信頼を得られないため、抗生物質を投与しているのが実情です。これでは自然治癒力を減退させ、身体の抵抗力が弱まり、風邪をひき易い体質に変質してしまうのです。ここが大きな問題です。
 私達の幼少時は風邪の場合、学校を休んだ上で、安静にして寝て自然治癒していました。熱が出たり、鼻水が出るのは、体内の自然治癒力が機能して、毒素を体外に放出している証拠なのです。つまり、毒素を排出することで、自然治癒する訳なのです。そこへ抗生物質を投与するという医療行為そのものを見直す必要があるのではないでしょうか?
 国は、医療保険制度で自己負担を押さえ医療を受けるシステムを確立しています。ところが、各県毎に独自の乳幼児等医療費助成制度を創設して、保険診療より安価で受診できるように誘導しており、その医療費の穴埋めは県と市町村が折半で税金により補填しています。但し所得制限はあります。
 広島県の場合、未就学児(0才~6才)を対象に入通院に対して助成。入院は一月に14日迄は1日500円の自己負担、それを超えると無料となります。通院は一月に4日までは、1回の受診で500円の自己負担。それを超えると無料となります。
 ところが呉市の場合、入院に限って小学生までを助成対象に拡大しており、その医療費の穴埋めは、呉市民の血税で全てを当てています。
 これを更に小学生の通院にも拡大して欲しいとの要望が、子育て真っ最中の母親からよく耳に致します。またある市長選では、候補者が中学生の入通院まで制度を拡大するとマニフェストに掲げ、これに子育て世代の支持が集まり、当選されたケースもあるようです。
 しかしこの制度が、逆に風邪のようなウイルス性で安易に受診すること、これを「コンビニ受診」と呼んだりしますが、増加する傾向になり、ひいては医療費の膨張にも一役買っているのです。医師も、風邪であれば抗生物質を投与せずに処方することも可能ですが、医療点数確保もあり、親も早く熱を下げて楽にさせてやりたい一心ですから、結局は注射を打つこととなります。
 従いまして、医師や私達も「コンビニ受診」についてよくよく考える必要があります。
 そこで、ウイルスや細菌での感染を抑制する手段として、適度な運動、十分な睡眠、バランスの取れた食事が挙げられています。しかし、意外にもこの様な健康管理が現代では医療に頼り過ぎるため、軽視されがちです。これがなされないと、免疫力が落ち、癌細胞を誘発する可能性が高まるとさえ言われているのです。
 ここから根本的に変革することが必要です。少子高齢化から脱却するため、子育て環境整備の一つとして乳幼児等医療費無料化を促進すべしという動きがありますが、木を見て森を見ない施策であると、私は訴え続けています。
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