街頭演説集

第21回 動物愛護施策

くれアニマルパークも犬猫殺処分ゼロを目指せ!!

Facebook 2015.12.22

 本日は21回目の呉駅頭街頭演説。今年7月にスタートして以来、昨日月曜日は初めて雨天に遭遇したことで、1日順延となりました。
 さて、本日のテーマは動物愛護施策についてです。
 呉市は平成16年度から、現在のくれアニマルパークを郷原でスタートさせました。ここは、捨て犬や捨て猫を飼い主が見つかるまで一時預かる施設ですが、期限を過ぎると本郷町にある広島県動物愛護センターに移送し、安楽死させられます。
 呉市における犬の譲渡率は、平成22年度から横ばいで、約60%です。猫のそれは概ね20%強が続いています。しかし問題は、実際の殺処分数で、昨年度まで犬猫共に60頭程です。この殺処分数は、スタート当初からは減少傾向にあるものの、動物愛護の視点からは、更なる改善が求められています。
 呉市は来年度から中核市に移行することで、犬猫の取り引きの権限が県から移譲され、先の12月定例会で犬猫引取り条例を制定しました。その際飼い主からの引き取りに係る手数料を手数料条例から、犬猫引取り条例に組み込みました。金額は変わらず、具体的には成犬・成猫が2千円、子犬・子猫が400円です。
 ところで、動物愛護管理法が一昨年9月に改正施行され、第35条に、自治体による飼い主からの引き取りを拒否できることが追加されました。これは、勝手な事情で飼えなくなった犬猫や、避妊手術を怠ったことで生まれた子犬猫を飼養放棄しようとする飼い主から安易に引き取らず、自身で飼い主を捜す等努力を促すものです。
 そのような中で、犬猫を暫定的に引き取って飼い主を捜す愛護団体が出現し出しました。
 つまり、行政が譲渡先を捜すのを手こずりそうな犬猫、例えば野生化した犬猫や成犬や成猫を愛護センターから引き取り、行政に成り代わって譲渡先を捜すのです。どうしても飼い主が決まらない場合は、引き受けた団体が終生飼養するという条件です。
 愛護団体としても、飼い主になりたい市民に対して、厳格な態度で臨み、安易な姿勢で飼うのをいさめるといいます。具体的には、その方が転勤族の場合や持ち家でない場合など、飼うことに不安定要素を抱えていれば、決して譲渡はしないそうです。団体ではなく個人対応される方もおられるようです。
 私は、本来行政が成すべきことを民間がしてくれているのだから、餌代や手術費用を助成する等の施策を講ずべきと訴えました。団体から譲渡を受ける際には、手術が済んでいれば、飼い主になろうとする引き受け手がその費用を支払うことになり、これが譲渡を難しくする要因の一つとなっています。
 一方、くれアニマルパーク自身がホームページを起ち上げ、譲渡犬猫情報をリアルタイムで発信する必要があります。同パークのメールアドレスも非公開では話にならない訳です。その上で団体に暫定譲渡した犬猫をリンク紹介したり、団体や個人に委託するという方法もあります。即ち、呉市の本気度が試されています。
 市民の中には、アニマルパークの存在そのものを知らない方、或いはそこへ行けば犬猫を無償譲渡してもらえることすら知らない方が多いのです。ですから、先ず市民広報を徹底して行うべきであって、保健所のホームページからその奥底にあるアニマルパークの犬猫譲渡情報を探すことができる訳がありません。
 因みに曲がりなりにも、保健所ホームページに飼い主捜しの犬猫情報を掲載するよう進言したのは私です。平成23年6月定例会の一般質問での提案が実現したものです。
 実は、幸いにも今年8月以降、譲渡困難な猫においては、愛護団体が全て受け入れて下さることとなりました。ということは、今後は猫の譲渡率は100%、実質殺処分数はゼロとになります。待望の数字です。後は犬をどうするかです。結局は愛護団体や個人の力を借りねば、行政だけでは無理と言わざるを得ません。広島市も呉市同様、犬猫みなしご救援隊による動物暫定受け入れが実現し、昨年度から殺処分室を自ら閉鎖し、犬猫殺処分ゼロ政策に大きく転換したのでした。呉市もそれに続くべきです。
 さて、呉市が委嘱している動物愛護推進員は、私が一般質問した平成23年度の7名から、現在3名に減っています。これこそ行政が手をこまねいている証拠であって、積極的に公募し、研修実習を行って増員すべきです。
 その上で、動物愛護管理法第39条に定めのある動物愛護推進協議会を呉市で起ち上げるのです。これはできる規定ではありますが、法では中核市以上としており、呉市が中核市に格上げされるため、絶好機です。
 と申しますのも、これまでは県動物愛護推進協議会に呉市が参画するものでしかありませんでした。これでは地域の細かい施策展開ができません。呉市版協議会においては、行政、動物愛護団体、動物愛護推進員、獣医師、ペットショップ、飼い主代表らで構成すれば、きめの細かい施策を立案することも可能ですし、情報交換、横の連携も図ることが可能となります。当然協議会の最終目標は、「犬猫殺処分ゼロ」の実現に他なりません。
 ところで不思議なことがあるものです。この日、偶然にも動物愛護ボランティアの男性が、私の演説に聴き入っておられました。これは、大きな前進が図れる前兆ではないでしょうか?
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