街頭演説集

第22回 放課後児童会の抜本改革

応能負担と延長保育導入で放課後児童会の抜本改革を!

Facebook 2015.12.28

 本日は、今年最後の街頭演説。一番の冷え込みで堪えました。テーマは、学童保育の改革についてです。

 呉市では、両親共稼ぎで家庭を留守にする場合、学校放課後を預かる学童保育として、放課後児童会を開設しています。改正児童福祉法により、これまで対象学年が小学3年生までだったのを、今年度から6年生までに拡大することが自治体裁量で可能となりました。 子ども子育て支援法では、学童保育施設の設置基準を国の基準に準じて条例で定めることとしており、呉市も放課後児童健全育成事業基準条例を昨年制定しました。国の施設設置基準では児童1人当たり面積が1.65㎡以上を確保することになっておりますが、同条例は暫定措置を設け、当分の間は基準に満たなくてもよいことにしました。他都市ではこれを5年間と明確にしている所もあり、呉市では非常に曖昧となっています。ということは、放課後児童会のクラスは40人を基準としていますが、マンモス校におけるそれは、基準面積を満たさない状態が当分続くことになります。
 そこで呉市は、今年度から中央、昭和、広地区において民間学童保育施設を公募し、直営施設の不足分を補い、補助金支出をすることに決めました。その結果、現在1施設が補助金を受けることになり、利用料が月額1万数千円だったのが、1万円そこそこに減額されました。
 ところが、呉市直営施設では、月曜日から金曜日まで利用される場合は月額3,500円、土曜日を含めての利用は5,000円となっています。つまり、民間学童施設で不足分を補うにしても、委託事業ではないため、相変わらず利用料における官民格差が顕著な訳です。これでは保護者から見れば施設の不足分を補っているとは到底言えず、利用料負担が大幅に増えることで、民間学童保育への入所を躊躇せざるを得なくなります。。
一方、保育所における保育料は、国が定める利用料徴収基準額を運営費の1/2としており、呉市はそれを更に75%に減額した上で、差額を血税で上乗せ補填しています。つまり、運営費全体の37.5%が利用者負担率となっています。
 これに対し、学童保育の利用料は、国の基準は設定されていませんが、運営費における利用者負担率は僅か25%に止まっています。因みに、残り75%を国、県、呉市が1/3ずつを負担する仕組みですが、保育料と比べ、税金からの持ち出しが大きくなっており、同じ鍵っ子対策でも不公平が生じています。
 そこで、放課後児童会の利用料を値上げし、せめて保育料と同率の37.5%を保護者負担にする必要があります。そうしますと、特に所得に低いご家庭に負担感が増大しますので、それを抑制するため、所得に応じて負担額に段階的に差をつける応能負担制度を導入すべきと考えます。
 現に呉市保育所では、所得に応じて18段階に分けていますが、放課後児童会では生活保護と市民税非課税世帯を除き、全て同額負担、即ち応益負担となっています。因みに国立市では、利用料値上げの際、市民税非課税世帯を含め5段階の応能負担制度に変更致しました。
 また、呉市では夏休み等の長期休暇期間でも月額利用料は同額となっています。授業がある時は放課後から18時まで、夏休み等は8時半から17時半まで、6時までの延長可となっていますが、延長料金は課せられていません。時間が延長になれば、嘱託やパート指導員の勤務時間が増える道理ですので、長期休暇期間での利用料設定を人件費増に基づき嵩上げし、延長料金設定も検討すべきでしょう。
 泉佐野市では、利用者負担率を30%への引き上げに併せ、18時から1時間延長を新設し、サービス増を図る代わりに、延長利用料を設定しておられました。
 さて、呉市では改正児童福祉法に基づき、今年度から暫定的に4年生まで対象を拡大致しました。来年度から5年生まで、再来年度からは6年生までに拡大する予定です。その上でモデル事業として両城小学校のみ、今年度から一気に6年生まで対象を拡大致しました。
 ところが、4年生になると登録児童が半減し、5年生と6年生は当初実績でゼロでした。これが実態なのです。保護者からみれば、大きくなった児童をわざわざ施設に入れて余計な保育料をかけたくないのが本音です。
 私達の幼少時は、放課後児童会などなく、親が留守をしていても、近所仲間で野や山に駆け回っていました。室内の遊びにしても、漫画を書いたり自分達で創出したものです。
そうです。ある程度の発育段階になると、自主性が芽生え自立心や自尊心も確立して来ます。過保護になれば、その子どもの発育を却って抑制してしまうことになりかねません。つまり、子どもの個性や能力を摘み取る可能性だってある訳です。
 もし、学習や能力開発を含めて、高学年になっても児童会に入れたければ、それなりの利用料を支払い、それを売りにしている民間学童クラブに入所させたらよいと考えます。これは、塾と学童保育の中間的な位置付けであって、ニーズがあれば、民間が事業を展開することでしょう。
 行政の役割とすれば、せいぜい4年生までに止めておけばよく、利用料が改定されれば、益々4年生の利用率も減少し、施設設置基準も満たすことが容易になると考えています。
 私はこのことを、去る12月定例会で提言致しました。呉市としては改革の心意気は殆ど感じられず、取り敢えず私の提案を研究して行くとの答弁に終始したのは、残念でなりません。

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