市営バス民営化後の経営支援補助金と生活バスへの移行
Facebook 2016.6.20
本日は47回目の街頭演説。テーマは広電呉バス路線の経営についてです。先日丁度、昨年度の経営状況が、呉市議会総合交通特別委員会へも報告されたところです。
平成24年度に呉市交通局から移管された広電バスも、赤字路線に対しては、その赤字分に適正利潤を加えた金額を血税から補填しております。これを経営支援補助金と呼んでいます。黒字路線に対しては、全てがインセンティブとして留保される仕組みです。
民営化後2年間は、路線、ダイヤ、運賃を全て交通局のそれを維持する契約で、市民サービスにおいて激変緩和措置を講じて来ました。
しかし3年目の26年度からは、先ず運賃を値上げしました。具体的には、初乗り運賃を150円から160円にしました。これは広島市内を走る同社路線は、以前から160円を導入した訳で、大赤字の呉市交通局が値上げを躊躇して来たことがそもそも間違いでした。
続いてダイヤの大幅な見直しを、乗車実態に合わせて行いました。具体的には平日路線と土日祝日路線を分けて、後者における減便を致しました。
そして最大の改革は、大幅な赤字路線、即ち経常収支率50%を切ったところを、26年10月から生活バスに移行させたことです。勿論これは呉市も大いに協力致しました。具体的には、呉倉橋島線の中の音戸さざなみ線、横路交叉点循環線、白石白岳交叉点循環線、昭和循環線です。
これにより、半年間で8千万円もの経営支援補助金を削減し、代わりに呉市としては、委託したタクシー会社に4,300万円を補填することになり、差し引き3,700万円、年間ベースで7,400万円の支出減となりました。
このことにより、平成25年度の経営支援補助金が4億2千万円だったのが、26年度のそれは3億4千万円で済ませることができたのです。この調子で行くと、27年度は年間ベースとなりますから、1億6千万円の経営支援補助金が浮く計算になり、予算額としては、2億8千万円で済むことになりますが、実際は乗客の自然減がありますので、予算額としては3億2千万円と致しました。
その結果、経営支援補助金は3億3千万円を要求されましたが、広電が同年度に築地の中央工場に給油所を設置した経費が上澄みされていたことから、それを差し引いた上で、話し合いで予算額一杯の3億2千万円で済ませたということでした。
ここで私は、たまたま27年度は給油所設置という別の支出があったから、予算額で収まったものの、今後予算を超過する経営支援補助金を要求された場合は、それを呑むのかと尋ねました。答えはその可能性はありで、その都度話し合って決めるということでした。つまり、明確なルールは確立していないことになります。予算を超過した際には補正予算を組むのか、他の予算流用で済ませるのか定かではありません。
また27年10月からは、赤字だった天応川尻線を2分割しました。これまで天応から川尻までノンストップだったのを、天応から呉駅、若しくは東畑までの吉浦天応線と、呉駅から川尻までの仁方川尻線としました。これも、広電の経営努力による不効率路線の再編とも言えましょう。この結果、自然減による赤字幅を縮小させることに成功しました。
結局27年度末現在、11路線中、黒字路線は宮原線、辰川線、長の木長迫線の3路線のみが黒字となりました。赤字幅の最も大きい、即ち生活バスへの移行基準となる経常収支率50%を切っているのは、現在37.5%の三条二河宝町循環線のみです。これはこれまで市内100円循環線だったのと、その外側を回る長迫循環線等を統合した結果であって、今後対応策を検討するということでした。
一方、民営化に伴って、呉市交通局が既に使用していた事務所や車庫を広電に賃貸したり、バスを広電に購入してもらうもくろみは全て外れました。
交通局所有だったバスは広電へ無償譲渡を余儀なくされ、しかもノンステップバス購入費用として、5年間を限度に毎年10台分1億円を経営支援補助金とは別に支払うことになったのです。
おまけに、車庫や営業所は5年間を限度に無償貸借となりました。現在広電呉バスカンパニーが入居している呉駅西共同ビルや築地にある中央工場等がそれです。この内、5年目に入った先日、給油所を自ら設置された中央工場は、広電に対し、2億7千万円で売却に成功したところです。
但し問題はバス購入補助金です。これは民営化1年前から準備として、1億円補助をスタートさせたため、昨年度で約束の5年間が切れました。ところが、本年度の予算書の補助金項目には、ちゃっかりと3千万円が計上されていたのです。つまり方針転換となりますが、このことの議会への説明は皆無でした。議会として気付かないだろうとたかを括っていた伏が見受けられます。方針転換するのなら、それはきちっと議会への説明責任を果たすべきなのです。
実は、赤字・黒字路線を相殺した上でのトータルの赤字への経営支援補助ではなく、あくまで赤字路線の赤字分に限定しての経営支援補助金だったことも、当時きちっと説明されませんでした。つまり、市にとって不利な情報は、隠す傾向があるのです。これでは、議会が踊らされていると言いますか、どうせ市長のイエスマンだからと舐められていると、市民から言われても仕方ないでしょう。
黙っていても、毎年度数千万円から1億円の運賃収入減になる状況下で、広電の涙ぐましい努力は解らぬでもありません。ただ、呉市当局が本音の部分や交渉過程をきちっと議会に開示しない姿勢が問われているのです。正確な情報提供がないと、議会としても正しい判断をしかねるからです。
私は、交通局民営化を初当選以降、唯一人訴え続けて来て、且つそれが実現したこともあり、今後も経営支援補助金の在り方を探りつつ、行方を注意深く見守って参る所存です。
平成24年度に呉市交通局から移管された広電バスも、赤字路線に対しては、その赤字分に適正利潤を加えた金額を血税から補填しております。これを経営支援補助金と呼んでいます。黒字路線に対しては、全てがインセンティブとして留保される仕組みです。
民営化後2年間は、路線、ダイヤ、運賃を全て交通局のそれを維持する契約で、市民サービスにおいて激変緩和措置を講じて来ました。
しかし3年目の26年度からは、先ず運賃を値上げしました。具体的には、初乗り運賃を150円から160円にしました。これは広島市内を走る同社路線は、以前から160円を導入した訳で、大赤字の呉市交通局が値上げを躊躇して来たことがそもそも間違いでした。
続いてダイヤの大幅な見直しを、乗車実態に合わせて行いました。具体的には平日路線と土日祝日路線を分けて、後者における減便を致しました。
そして最大の改革は、大幅な赤字路線、即ち経常収支率50%を切ったところを、26年10月から生活バスに移行させたことです。勿論これは呉市も大いに協力致しました。具体的には、呉倉橋島線の中の音戸さざなみ線、横路交叉点循環線、白石白岳交叉点循環線、昭和循環線です。
これにより、半年間で8千万円もの経営支援補助金を削減し、代わりに呉市としては、委託したタクシー会社に4,300万円を補填することになり、差し引き3,700万円、年間ベースで7,400万円の支出減となりました。
このことにより、平成25年度の経営支援補助金が4億2千万円だったのが、26年度のそれは3億4千万円で済ませることができたのです。この調子で行くと、27年度は年間ベースとなりますから、1億6千万円の経営支援補助金が浮く計算になり、予算額としては、2億8千万円で済むことになりますが、実際は乗客の自然減がありますので、予算額としては3億2千万円と致しました。
その結果、経営支援補助金は3億3千万円を要求されましたが、広電が同年度に築地の中央工場に給油所を設置した経費が上澄みされていたことから、それを差し引いた上で、話し合いで予算額一杯の3億2千万円で済ませたということでした。
ここで私は、たまたま27年度は給油所設置という別の支出があったから、予算額で収まったものの、今後予算を超過する経営支援補助金を要求された場合は、それを呑むのかと尋ねました。答えはその可能性はありで、その都度話し合って決めるということでした。つまり、明確なルールは確立していないことになります。予算を超過した際には補正予算を組むのか、他の予算流用で済ませるのか定かではありません。
また27年10月からは、赤字だった天応川尻線を2分割しました。これまで天応から川尻までノンストップだったのを、天応から呉駅、若しくは東畑までの吉浦天応線と、呉駅から川尻までの仁方川尻線としました。これも、広電の経営努力による不効率路線の再編とも言えましょう。この結果、自然減による赤字幅を縮小させることに成功しました。
結局27年度末現在、11路線中、黒字路線は宮原線、辰川線、長の木長迫線の3路線のみが黒字となりました。赤字幅の最も大きい、即ち生活バスへの移行基準となる経常収支率50%を切っているのは、現在37.5%の三条二河宝町循環線のみです。これはこれまで市内100円循環線だったのと、その外側を回る長迫循環線等を統合した結果であって、今後対応策を検討するということでした。
一方、民営化に伴って、呉市交通局が既に使用していた事務所や車庫を広電に賃貸したり、バスを広電に購入してもらうもくろみは全て外れました。
交通局所有だったバスは広電へ無償譲渡を余儀なくされ、しかもノンステップバス購入費用として、5年間を限度に毎年10台分1億円を経営支援補助金とは別に支払うことになったのです。
おまけに、車庫や営業所は5年間を限度に無償貸借となりました。現在広電呉バスカンパニーが入居している呉駅西共同ビルや築地にある中央工場等がそれです。この内、5年目に入った先日、給油所を自ら設置された中央工場は、広電に対し、2億7千万円で売却に成功したところです。
但し問題はバス購入補助金です。これは民営化1年前から準備として、1億円補助をスタートさせたため、昨年度で約束の5年間が切れました。ところが、本年度の予算書の補助金項目には、ちゃっかりと3千万円が計上されていたのです。つまり方針転換となりますが、このことの議会への説明は皆無でした。議会として気付かないだろうとたかを括っていた伏が見受けられます。方針転換するのなら、それはきちっと議会への説明責任を果たすべきなのです。
実は、赤字・黒字路線を相殺した上でのトータルの赤字への経営支援補助ではなく、あくまで赤字路線の赤字分に限定しての経営支援補助金だったことも、当時きちっと説明されませんでした。つまり、市にとって不利な情報は、隠す傾向があるのです。これでは、議会が踊らされていると言いますか、どうせ市長のイエスマンだからと舐められていると、市民から言われても仕方ないでしょう。
黙っていても、毎年度数千万円から1億円の運賃収入減になる状況下で、広電の涙ぐましい努力は解らぬでもありません。ただ、呉市当局が本音の部分や交渉過程をきちっと議会に開示しない姿勢が問われているのです。正確な情報提供がないと、議会としても正しい判断をしかねるからです。
私は、交通局民営化を初当選以降、唯一人訴え続けて来て、且つそれが実現したこともあり、今後も経営支援補助金の在り方を探りつつ、行方を注意深く見守って参る所存です。