学校ピアノ調律は、児童生徒への教育的視点を第一義に!
Facebook 2017.1.20
去る1月16日は、稀に見る大雪の翌日とあって、凍てつくような冷たさの中、75回目の街頭演説に臨みました。テーマは、呉市立小中学校のピアノ調律についてです。
ピアノの調律と言えば、大体1台当たり1万5千円から2万円程度費用がかかります。ところが、呉市立小中学校の場合、格安で発注していたのです。具体的には、市内62校が所有するピアノは144台。これを全て市内業者に発注するため、その力量に鑑み、三ブロックに区分しています。即ち、阿賀、広、郷原、川尻、安浦のAブロックで48台。中央、芸予(安芸灘4町)のBブロックで46台。昭和、天応・吉浦、音戸・倉橋のCブロックで50台です。
そして、市内登録5者で見積もり合わせを行った結果、今年度の実績で、1ブロック平均約18万円。1台当たりの調律単価は約3,900円となっています。これは相場から大きく逸脱した単価です。因みに、各ピアノは年1回の調律です。
では、絆ホールのピアノはと申しますと、昨年度契約したスタインウェイは、購入費に加え5年間の調律やメンテとセットでの契約ですから、ここでは除外致します。それ以外に、市民会館時代から引き継いだヤマハのグランドピアノ、アップライト各1台があります。グランドピアノは年2回、アップライトは年1回の調律を行います。つまり年3回分の本年度における契約は、市内ヤマハ特約店2者の見積もり合わせの結果、1台1回の平均単価が3万2千円となっています。但しこれは、メンテも含めた金額ですから、調律に限定すれば、2万円程度と推定するところです。
しかも本年度契約したのは、小中学校ピアノの某ブロックで発注した業者と同一というから驚きです。同じ会社が調律するのに、方や3,900円、方や2万円程度と大きな格差がありました。
実はピアノを調律すれば、1時間半から2時間かかるのが相場です。小中学校では、恐らくそれを僅かな時間で仕上げている可能性があります。何故なら、その調律の現場に、音楽教諭が立ち会っていないからです。当然最初と最後だけ立ち会います。最後の工事済み監査は、学校では教頭となっていますから、場合によっては音楽教諭抜きで、試し弾きなしで判をついている可能性すらあるのです。
また、万一音楽教諭が試し弾きしたとしても、絶対音感をお持ちの方はごく僅かでしょうから、その僅かな狂いを見抜くことは不可能です。と申しますのも、全鍵盤を調律するのではなく、主に使う音の鍵盤だけを抽出して行う「ひらい調律」という巧妙な手法があるらしく、これなら短時間で済ませることが可能で、業者が近隣の学校にアポを取った上で、一日に効率よく多く調律に回れる訳なのです。
では、発注者の仕様書はどうなっているかと調べてみますと、全鍵盤調律や時間設定、一般社団法人・日本ピアノ調律師協会会員資格を有すること等の条件が記載されていませんでした。
ということは、調律の仕方に大きな幅ができますから、見積もり合わせの際、いつもまじめに1万円以上の見積もりを提出している業者は半永久的に仕事が回って来ないことになりかねません。実際、そのような現状が歴然としてあることが、この度判明致しました。
一方、呉市立高校のピアノはグランドピアノ2台、アップライト3台で、種類によって単価が異なっています。ここは、毎年特定1者随意契約としており、調律回数は年1回と、小中学校と同様です。そこで昨年度実績では、グランドピアノの調律単価は8,640円、アップライトの場合は6,480円です。同じ市立学校のピアノで単価が異なり、しかもそれを受注いしているのは、市内登録業者とは異なっていました。この点については追跡調査をして参ります。
更に呉市立保育所と幼稚園のピアノについて調べてみました。これらは一括発注でやはり特定1者随意契約でした。保育所13箇所18台、幼稚園1箇所1台です。これらの平均単価は約4,800円でした。学校より9千円高くなっており、これも疑問符がつきます。
結局、手抜き調律が横行しているのではないか、との疑念が強く残りました。もしそうであるなら、音の狂ったピアノで子ども達に教育していることになります。実際某学校の音楽教諭が、教育委員会が発注するピアノ調律では、子どもを教えられないとして、それを拒否し、きちっとした調律師と別途契約したということです。当然その経費はPTA会費を充てたことが容易に推察され、呉市の受注業者は1校分の2台程度の出張経費が浮いた計算です。
これはこれで別途問題があるも、私はこの音楽教諭の市教委に対する身体を張っての勇気ある行動を評価したいと思います。あくまで子ども達への教育ということを、基準に据えているからです。
私は、現在まちづくりセンターのピアノ調律、それから呉市文化振興財団に管理を委託している文化ホールのピアノ調律についても実態を調査しており、その結果を待って、問題点を更に整理して参りたい所存です。
ピアノの調律と言えば、大体1台当たり1万5千円から2万円程度費用がかかります。ところが、呉市立小中学校の場合、格安で発注していたのです。具体的には、市内62校が所有するピアノは144台。これを全て市内業者に発注するため、その力量に鑑み、三ブロックに区分しています。即ち、阿賀、広、郷原、川尻、安浦のAブロックで48台。中央、芸予(安芸灘4町)のBブロックで46台。昭和、天応・吉浦、音戸・倉橋のCブロックで50台です。
そして、市内登録5者で見積もり合わせを行った結果、今年度の実績で、1ブロック平均約18万円。1台当たりの調律単価は約3,900円となっています。これは相場から大きく逸脱した単価です。因みに、各ピアノは年1回の調律です。
では、絆ホールのピアノはと申しますと、昨年度契約したスタインウェイは、購入費に加え5年間の調律やメンテとセットでの契約ですから、ここでは除外致します。それ以外に、市民会館時代から引き継いだヤマハのグランドピアノ、アップライト各1台があります。グランドピアノは年2回、アップライトは年1回の調律を行います。つまり年3回分の本年度における契約は、市内ヤマハ特約店2者の見積もり合わせの結果、1台1回の平均単価が3万2千円となっています。但しこれは、メンテも含めた金額ですから、調律に限定すれば、2万円程度と推定するところです。
しかも本年度契約したのは、小中学校ピアノの某ブロックで発注した業者と同一というから驚きです。同じ会社が調律するのに、方や3,900円、方や2万円程度と大きな格差がありました。
実はピアノを調律すれば、1時間半から2時間かかるのが相場です。小中学校では、恐らくそれを僅かな時間で仕上げている可能性があります。何故なら、その調律の現場に、音楽教諭が立ち会っていないからです。当然最初と最後だけ立ち会います。最後の工事済み監査は、学校では教頭となっていますから、場合によっては音楽教諭抜きで、試し弾きなしで判をついている可能性すらあるのです。
また、万一音楽教諭が試し弾きしたとしても、絶対音感をお持ちの方はごく僅かでしょうから、その僅かな狂いを見抜くことは不可能です。と申しますのも、全鍵盤を調律するのではなく、主に使う音の鍵盤だけを抽出して行う「ひらい調律」という巧妙な手法があるらしく、これなら短時間で済ませることが可能で、業者が近隣の学校にアポを取った上で、一日に効率よく多く調律に回れる訳なのです。
では、発注者の仕様書はどうなっているかと調べてみますと、全鍵盤調律や時間設定、一般社団法人・日本ピアノ調律師協会会員資格を有すること等の条件が記載されていませんでした。
ということは、調律の仕方に大きな幅ができますから、見積もり合わせの際、いつもまじめに1万円以上の見積もりを提出している業者は半永久的に仕事が回って来ないことになりかねません。実際、そのような現状が歴然としてあることが、この度判明致しました。
一方、呉市立高校のピアノはグランドピアノ2台、アップライト3台で、種類によって単価が異なっています。ここは、毎年特定1者随意契約としており、調律回数は年1回と、小中学校と同様です。そこで昨年度実績では、グランドピアノの調律単価は8,640円、アップライトの場合は6,480円です。同じ市立学校のピアノで単価が異なり、しかもそれを受注いしているのは、市内登録業者とは異なっていました。この点については追跡調査をして参ります。
更に呉市立保育所と幼稚園のピアノについて調べてみました。これらは一括発注でやはり特定1者随意契約でした。保育所13箇所18台、幼稚園1箇所1台です。これらの平均単価は約4,800円でした。学校より9千円高くなっており、これも疑問符がつきます。
結局、手抜き調律が横行しているのではないか、との疑念が強く残りました。もしそうであるなら、音の狂ったピアノで子ども達に教育していることになります。実際某学校の音楽教諭が、教育委員会が発注するピアノ調律では、子どもを教えられないとして、それを拒否し、きちっとした調律師と別途契約したということです。当然その経費はPTA会費を充てたことが容易に推察され、呉市の受注業者は1校分の2台程度の出張経費が浮いた計算です。
これはこれで別途問題があるも、私はこの音楽教諭の市教委に対する身体を張っての勇気ある行動を評価したいと思います。あくまで子ども達への教育ということを、基準に据えているからです。
私は、現在まちづくりセンターのピアノ調律、それから呉市文化振興財団に管理を委託している文化ホールのピアノ調律についても実態を調査しており、その結果を待って、問題点を更に整理して参りたい所存です。