街頭演説集

第95回 グリーンピアせとうちの売却方針

グリーンピアせとうちは公募一括売却で!

Facebook 2017.6.7

 去る6月5日は、95回目の街頭演説。テーマは、グリーンピアせとうちの公募売却についてです。
 先般の呉市議会産業建設委員会で、約束通り当局が、グリーンピアせとうちの改革案を打ち出しました。それは提案型公募を行った上での売却策です。これは私が昨年12月定例会一般質問で提唱した、一括売却案に近いものですが、若干の違いがあります。
 先ず、当局がこの提案を固めるに至った経緯を説明致しましょう。
 それは、平成27年9月に遡ります。グリーンピアの経営状況が思わしくないとして、28年度から29年度までの暫定2年間の指定管理を、非公募でこれまで契約をして来た㈱ゆうとぴあセトウチと継続契約をする方針を立てました。その際経営を助けるために、指定管理者負担金である年額3,200万円を免除する内容でした。
 27年12月に指定管理議案たる同社との再契約案を議決した後、すぐさま当局は企画費の総合基本調査費を使い、232万円で㈱休暇村サービスに経営診断をコンサル契約しました。その経営分析が平成28年3月末に出ており、それを踏まえ、1年2ヶ月かけて、当局がグリーンピアの在り方について結論を出した訳です。
 その経営診断は、①宿泊棟の劣化、清掃不備等による利用者数減少②屋外施設のメンテナンス不良や広告宣伝不足による魅力低下③販売促進関連費用や運営費が高いことによる低営業利益率④人手不足でのサービス低下による満足度低下-を上げています。
 その結果、27年度の延べ利用者数は、宿泊3万6千人、入浴2万2千人、売店1万8千人、飲食8万3千人、プール3万5千人、その他2万9千人と、合計22万6千人となっています。その結果、収入4億4,700万円に対し、支出が4億8,400万円と、3,700万円の赤字となりました。
 そこで、改革案としては4案を提示しています。
 第1案は、公設民営の枠組みを今後も踏襲し、子どもの国を撤去、テニスコートは規模縮小、イベントエリアは現状使用、宿泊棟は一部改修、プールは全面改修するというものです。その上で今後は、これまで通り指定管理か賃貸借を行うとして、安定運営のための改修費を21億2千万見込んでいます。
 第2案はイベントエリアは廃止、テニスコートは規模縮小した上で、子どもの国を売却するというものです。宿泊棟は一部改修、プールは全面改修しますので、改修費に19億8千万円を見込みました。結局子どもの国以外は、これまで通り指定管理か賃貸借ということになります。
 第3案は、子どもの国、テニスコート、プール、イベントエリア全てを売却し、宿泊棟を全面改修且つ高級化を図り、その部分を指定管理か賃貸借を行う案です。ホテルを高級化することから改修費は22億3千万円かかります。
 第4案は、最小限の修繕を行い、全てを売却するものです。この修繕費については、既に今年度5千万円を予算化しています。その範囲内で明日6月8日に休園した後、新たな暫定1年間の指定管理がスタートする9月までの3ヶ月弱の期間を利用して、全ての点検と最小限の修繕を行うこととなります。
 
 ところが呉市が示した案は、この第4案とも微妙に異なっていました。即ち、ホテル事業エリアは事業継続を条件に売却。但し、子どもの国、テニスコート、グランドゴルフ場、オートキャンプ場等のスポーツ・アミューズメント事業エリアと、プール・海水浴事業エリア、そしてホール、会議室等のイベント事業エリアに関しては、応募者の提案に期待するというものです。
 私はこの問題点について、委員会で指摘しました。4事業エリアの内3事業エリアを自由提案とするなら、収益性の高い美味しい部分は購入するけれども、後は購入しないという事業者ばかり出る可能性があります。また、3事業エリアは購入しないけれども、賃貸借や指定管理でお茶を濁す提案が出る可能性も否定できません。
 そうなりますと、賃貸借にしても指定管理にしても有期契約となりますから、それが切れた段階で、新たにその経営者を呉市が募集せざるを得ないことになりかねません。しかも収益性が低い3事業エリアでは、賃貸借料は無料、若しくは補助金なり、指定管理料を呉市が支出せざるを得ない場面に遭遇することは避けて通れません。
 しかも、この様に分業となった場合、4事業エリアを一体的に活用して、大型保養地としてのスケールメリットを活用する経営手法は使えませんし、そのための設備投資も、購入したホテル事業エリアを除いて行われないことになるのは明白です。
 そこで私は、コンサル案の第4案の如く、一括売却を提唱しました。そうなりますと、収益性の低い部分が足を引っ張りますので、応募者が出て来ない可能性があります。
 確かに、兵庫県が所有していたグリーンピア三木は全面売却で公募し成功しましたが、北海道森町が所有していたグリーンピア大沼は、5千万円で一括売却したものの、同町に負担がかかりました。それは全面改修費に7億5千万かかると見積もり、これを収益の内部留保で年間2千万円積み立てたとして、10年間で2億円しかなりません。その改修費との差額5億5千万円を町が購入者に補助しつつ、10年間は固定資産税を免除するものです。
 ということは、グリーンピアせとうちにおいても、安定した経営を継続するための大規模改修費が約20億円かかるのですから、全く補助金なしでは応募者は皆無になる可能性があります。そこで、私は固定資産税の免除や、改修費に係る補助金の割賦支出を含めて、応募者に提案させ、競争したらよいと考えます。そうすれば応募者が増え、競争原理が働きますので、よき提案を選択することも可能となり、補助金もその結果減じられることでしょう。
 例えば、グリーンピアを呉市が平成17年に4億250万円で購入しました。但しこれは価値の1/2だった訳です。ということは、建物の老朽化を考慮に入れると、現在の資産価値を7億円と仮定しましょう。それを予定価格とすれば、後は競争でどれほど買値が吊り上がるかです。また20億円の大規模改修費の内、1/2の10億円を呉市が毎年1億円ずつ補助し、その10年間は固定資産税を減免するというような提案を出させればいいのです。そのような提案を競争させ、審査して売却先を選択すればよいと考えます。後はどのような利活用を図るのか、それらを含めて総合評価するのです。

 一方、新たな指定管理者は、この度コンサル委託した㈱休暇村サービスが、非公募で6月定例会に提案される予定です。その期間は今年9月から来年8月末までです。ということは、来年9月1日付けで、新たな事業者に売却・引き渡しとなります。但し、その事業者も大規模改修したり、或いは建て替えたりすることで、そこから更に休園状態になることも十分考えられます。
 まだ、引き渡し時期まで1年3ヶ月ありますが、公募が順調に進むとは限りません。つまり不調に終わって、応募を断念した事業者からの意見を聴きつつ再度仕切り直すことも
十分あり得ます。そこで私は、この様なケースも踏まえ、できるだけ早急に仕様をまとめ、公募を行うよう釘を刺しました。

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