地球温暖化基金創設で、カーボンオフセットへの活用を!
Facebook 2017.6.25
去る6月19日は97回目の街頭演説。テーマはこの度の呉市議会定例会で一般質問した地球温暖化防止対策です。
地球温暖化対策法第21条では、地球温暖化対策に関し、地方公共団体実行計画を策定することになっていますが、呉市ではその内の区域施策編が環境基本計画10ヶ年の中付け5ヶ年となっており、これでは計画の整合性と市民啓発に難点が生じます。しかも実行計画の呉市役所分である事務事業編5ヶ年計画は、くれアクションプランとして、更に外付けとなっており、混乱状態で的が絞れない格好となっています。
今年度は、第2期環境基本計画の5年目に当たり、中間見直し時期となっており、実行計画は呉市内全体の区域施策編、呉市役所に特化した事務事業編共に5ヶ年計画の最終年度で、来年度から第4期5ヶ年計画を新たに策定する時期となっています。
そこで私は、地球温暖化対策実行計画を独立化し、且つ区域施策編と事務事業編の統合を訴えました。しかし市長はその気がないようで、誠に残念な答弁となりました。
人口23万人の呉市と人口80万人の浜松市を比較してみましょう。平成26年度における温室効果ガス排出量は、呉市が549万t、浜松市が545万tと、人口に大差があるにも関わらず、地球温暖化に通ずる温室効果ガス排出量に殆ど差がありません。これは、呉市に重厚長大型産業が林立していることに主原因があります。
そこで私は、新条例制定若しくは既存条例の改正で、一定規模以上の企業に対し、廃棄物減量計画に加え、地球温暖化対策計画の策定を義務付けるべきと主張しました。
ところで呉市は、マイバッグ運動を後押しするため、有志企業と提携を結んで、店舗レジ袋の有料化に過去踏み切りました。ところが、その後参画企業は一向に増えていないのが実情で、有名無実化しています。そこで、食品スーパーのみならず、他の小売業にも対象を広げつつ、参画店舗名をホームページで公表したり、ステッカーを店先に掲示するなどの方法で、マイバッグ運動の徹底化を市に促しました。
次に、呉市役所が手本を示すくれエコアクションプランについて考察してみましょう。
先ず、呉市公共施設の電力供給契約は、大口契約が自由化された平成17年度から、本庁舎のみにおいて入札を実施し、後の全ての施設は中国電力との随意契約となっています。
ただ電力会社によっては、発電方法が化石燃料だったり、自然再生エネルギーだったりまちまちです。しかも昨年度からは、小口契約も新電力に開放・自由化されました。
そこで可能な範囲で、各施設の電力供給契約は、価格だけではなく、二酸化炭素排出係数とセットにした総合評価で入札等を実施することが必要だと訴えました。呉市は検討するとの答弁でした。
さて、環境省が定める空調設備における室温設定基準は、夏は28度、冬は19度とされています。ところが本庁舎では、各会議室において、自由設定が可能となっています。
そこで本庁舎に止まらず、全体制御が可能な施設においては、基準室温に設定すると共に、ある程度時間が経過したら、自動的にストップするシステムを導入するべきです。特に全体制御が最も簡単で、その気があれば、明日からでも実行できる訳です。
ところが全くやる気がない旨の答弁があり、市長の環境意識の低さが問われなければならないでしょう。
ところで本市では、今年度と来年度の2ヶ年をかけて小中学校の全普通教室に空調設備を設置することにしています。この愚策により、第3期くれエコアクションプランが総崩れとなりました。教育委員会議でも、温室効果ガス排出量は格段に増え、地球温暖化に拍車をかけるとの議論は皆無でしたし、庁内組織であるエコポリス推進会議でも議論は一切なされておらず、無力化を露呈しました。教育長は市長が任命する訳ですし、推進会議のトップは市長を支える副市長が務めますので、市長のイエスマン組織と成り下がっているのです。
この度の答弁では、全普通教室で空調冷房が稼働すれば、既存の各教室扇風機2台と比べ、年間600tの温室効果ガス排出になるということです。これが呉市役所全体の1%にも満たないことで、他の部門で吸収は可能といういい加減な答弁が返って来たのには驚きました。1%近くの温室効果ガスを減らすのは並大抵のことではできません。昔に比べて夏が異常に暑いとの理由から、夏休みがあるにも関わらず空調冷房にすることで、益々二酸化炭素を排出して地球温暖化に拍車をかけていることが、全く解っていません。
一方、本市は平成16年度途中から家庭ごみ収集において、有料指定袋制度導入に踏み切りました。ところが、この売上歳入は一般財源化しますので、市民の努力が目に見える形で環境に貢献することができません。
そこで、指定ごみ袋売上歳入や回収資源物売却収入を独自の歳入として地球温暖化基金に積み立て、例えば地球温暖化対策費に特化して活用し、その収支をホームページや市政
だよりに掲載するのです。そうすることで、市民の努力が地球温暖化防止に役だっていることが一目瞭然となり、これこそ市民啓発における最大の方法でしょう。
全普通教室における空調冷房実施に伴う二酸化炭素排出は、当初のプランには無かったのですから、この罪滅ぼし策として、カーボンオフセット事業を展開することを検討すべきです。これは温室効果ガス削減目標に対し、努力しても届かない部分を埋め合わせるために、温室効果ガス吸収事業等に振り向け、それを国や県が認証するシステムです。
東京都府中市においては、平成23年度からの実行計画にカーボンオフセット事業を位置付ける際、22年度から家庭ごみ行政回収をダクトボックス方式からステーション有料指定袋方式に転換したことを動機付けにしました。
同市では市内に森林整備エリアがないため、姉妹都市である長野県佐久穂町の森林整備事業をサポートすることで、長野県よりカーボンオフセットの認証を得ています。
呉市では実行計画の中にも、森林等二酸化炭素吸収源確保を謳っており、エコアクションプランでは、市有林の間伐を上げています。但し切捨間伐では、森林全体の実質的な二酸化炭素吸収量増加に疑問が残りますので、併せて植林も行うと同時に、間伐を売却する事業を展開してはどうかと提案致します。これまで本市がそれを行って来なかった理由として、間伐搬出のコストと売却収入が逆ざやになるリスクがあるものと推察致します。
しかしカーボンオフセットは、ある意味では二酸化炭素吸収量を購入する意味があるため、新たな費用発生は避けて通れません。そこでその必要な穴埋め財源として、地球温暖化基金を活用するのです。
そうすることで、少なくともエコアクションプランの実績を毎年度細かく広報し、合わせて基金活用の流れも広く市民や国民に知らしめるのです。これでこそ、市内企業に対して範を示すことになり、特定企業への計画義務付けとチェックも堂々と行えるようになるのです。
地球温暖化対策法第21条では、地球温暖化対策に関し、地方公共団体実行計画を策定することになっていますが、呉市ではその内の区域施策編が環境基本計画10ヶ年の中付け5ヶ年となっており、これでは計画の整合性と市民啓発に難点が生じます。しかも実行計画の呉市役所分である事務事業編5ヶ年計画は、くれアクションプランとして、更に外付けとなっており、混乱状態で的が絞れない格好となっています。
今年度は、第2期環境基本計画の5年目に当たり、中間見直し時期となっており、実行計画は呉市内全体の区域施策編、呉市役所に特化した事務事業編共に5ヶ年計画の最終年度で、来年度から第4期5ヶ年計画を新たに策定する時期となっています。
そこで私は、地球温暖化対策実行計画を独立化し、且つ区域施策編と事務事業編の統合を訴えました。しかし市長はその気がないようで、誠に残念な答弁となりました。
人口23万人の呉市と人口80万人の浜松市を比較してみましょう。平成26年度における温室効果ガス排出量は、呉市が549万t、浜松市が545万tと、人口に大差があるにも関わらず、地球温暖化に通ずる温室効果ガス排出量に殆ど差がありません。これは、呉市に重厚長大型産業が林立していることに主原因があります。
そこで私は、新条例制定若しくは既存条例の改正で、一定規模以上の企業に対し、廃棄物減量計画に加え、地球温暖化対策計画の策定を義務付けるべきと主張しました。
ところで呉市は、マイバッグ運動を後押しするため、有志企業と提携を結んで、店舗レジ袋の有料化に過去踏み切りました。ところが、その後参画企業は一向に増えていないのが実情で、有名無実化しています。そこで、食品スーパーのみならず、他の小売業にも対象を広げつつ、参画店舗名をホームページで公表したり、ステッカーを店先に掲示するなどの方法で、マイバッグ運動の徹底化を市に促しました。
次に、呉市役所が手本を示すくれエコアクションプランについて考察してみましょう。
先ず、呉市公共施設の電力供給契約は、大口契約が自由化された平成17年度から、本庁舎のみにおいて入札を実施し、後の全ての施設は中国電力との随意契約となっています。
ただ電力会社によっては、発電方法が化石燃料だったり、自然再生エネルギーだったりまちまちです。しかも昨年度からは、小口契約も新電力に開放・自由化されました。
そこで可能な範囲で、各施設の電力供給契約は、価格だけではなく、二酸化炭素排出係数とセットにした総合評価で入札等を実施することが必要だと訴えました。呉市は検討するとの答弁でした。
さて、環境省が定める空調設備における室温設定基準は、夏は28度、冬は19度とされています。ところが本庁舎では、各会議室において、自由設定が可能となっています。
そこで本庁舎に止まらず、全体制御が可能な施設においては、基準室温に設定すると共に、ある程度時間が経過したら、自動的にストップするシステムを導入するべきです。特に全体制御が最も簡単で、その気があれば、明日からでも実行できる訳です。
ところが全くやる気がない旨の答弁があり、市長の環境意識の低さが問われなければならないでしょう。
ところで本市では、今年度と来年度の2ヶ年をかけて小中学校の全普通教室に空調設備を設置することにしています。この愚策により、第3期くれエコアクションプランが総崩れとなりました。教育委員会議でも、温室効果ガス排出量は格段に増え、地球温暖化に拍車をかけるとの議論は皆無でしたし、庁内組織であるエコポリス推進会議でも議論は一切なされておらず、無力化を露呈しました。教育長は市長が任命する訳ですし、推進会議のトップは市長を支える副市長が務めますので、市長のイエスマン組織と成り下がっているのです。
この度の答弁では、全普通教室で空調冷房が稼働すれば、既存の各教室扇風機2台と比べ、年間600tの温室効果ガス排出になるということです。これが呉市役所全体の1%にも満たないことで、他の部門で吸収は可能といういい加減な答弁が返って来たのには驚きました。1%近くの温室効果ガスを減らすのは並大抵のことではできません。昔に比べて夏が異常に暑いとの理由から、夏休みがあるにも関わらず空調冷房にすることで、益々二酸化炭素を排出して地球温暖化に拍車をかけていることが、全く解っていません。
一方、本市は平成16年度途中から家庭ごみ収集において、有料指定袋制度導入に踏み切りました。ところが、この売上歳入は一般財源化しますので、市民の努力が目に見える形で環境に貢献することができません。
そこで、指定ごみ袋売上歳入や回収資源物売却収入を独自の歳入として地球温暖化基金に積み立て、例えば地球温暖化対策費に特化して活用し、その収支をホームページや市政
だよりに掲載するのです。そうすることで、市民の努力が地球温暖化防止に役だっていることが一目瞭然となり、これこそ市民啓発における最大の方法でしょう。
全普通教室における空調冷房実施に伴う二酸化炭素排出は、当初のプランには無かったのですから、この罪滅ぼし策として、カーボンオフセット事業を展開することを検討すべきです。これは温室効果ガス削減目標に対し、努力しても届かない部分を埋め合わせるために、温室効果ガス吸収事業等に振り向け、それを国や県が認証するシステムです。
東京都府中市においては、平成23年度からの実行計画にカーボンオフセット事業を位置付ける際、22年度から家庭ごみ行政回収をダクトボックス方式からステーション有料指定袋方式に転換したことを動機付けにしました。
同市では市内に森林整備エリアがないため、姉妹都市である長野県佐久穂町の森林整備事業をサポートすることで、長野県よりカーボンオフセットの認証を得ています。
呉市では実行計画の中にも、森林等二酸化炭素吸収源確保を謳っており、エコアクションプランでは、市有林の間伐を上げています。但し切捨間伐では、森林全体の実質的な二酸化炭素吸収量増加に疑問が残りますので、併せて植林も行うと同時に、間伐を売却する事業を展開してはどうかと提案致します。これまで本市がそれを行って来なかった理由として、間伐搬出のコストと売却収入が逆ざやになるリスクがあるものと推察致します。
しかしカーボンオフセットは、ある意味では二酸化炭素吸収量を購入する意味があるため、新たな費用発生は避けて通れません。そこでその必要な穴埋め財源として、地球温暖化基金を活用するのです。
そうすることで、少なくともエコアクションプランの実績を毎年度細かく広報し、合わせて基金活用の流れも広く市民や国民に知らしめるのです。これでこそ、市内企業に対して範を示すことになり、特定企業への計画義務付けとチェックも堂々と行えるようになるのです。