学校跡地の活用策は、原点に立ち返り原則売却で!
Facebook 2017.8.25
去る8月21日は105回目の街頭演説。隣の呉駅前広場では、市長選出馬表明者との遭遇もありました。テーマは学校跡地活用策についてです。
呉市は、児童生徒数が激減し、適正規模での教育環境を整えるため学校統廃合を進める中、廃校後の跡地活用策が問題になっていました。そこで平成19年6月に、「学校統合後の跡地活用について」と題し、当時全国的にも珍しい指針を発表したのです。
その内容は、市民協働で活用方針を策定するとしつつ、基本方針として原則売却を明示したのです。但し、地域事情を考慮する必要がある場合は、土地や建物の一部を処分せずに市民協働で活用するというものです。この一部は、当時私が委員長を務めていた教育経済委員会での答弁で、敷地の約3割ということでした。
さて、この基本方針に従って初の処分は、平成16年度末を以て廃校となった吾妻小学校でした。当初3割部分の校舎棟を残して欲しいとの地元要望がありましたが、受け手の地元団体が維持管理費を捻出する必要があることが判明して、急速に萎み、最終的には平成21年に、3割部分をコミュニティ広場にしました。残りの3割はディベロッパーに売却し、建て売り住宅となりました。
処分の第二号は、平成19年度末に廃校となった辰川小学校です。ここも地元の熱意を汲み、3割部分の体育館を「辰川会館」として残し、5つの自治会が共同運営することとなり、残り7割はやはり建て売り住宅となったのです。
そして、やはり平成19年度末に廃校となった片山小学校が、初めて全敷地を売却することになりました。地元要望を受けて廃校後2年間は第五地区運動推進協議会として無償貸与しましたが、売却後から現在に至るまで、代替措置として片山中学校の一室を無償貸与しています。結局同校跡地は、スーパーとマンションの複合施設に変貌を遂げた訳です。
これら3ケースが、廃校後の跡地活用策として基本方針に沿って民間売却した全ての実例です。
但し今日に至るまで、平成17年度末には蒲刈小学校、18年度末には五番町小学校、20年度末には鍋小学校、21年度末には大入小学校、22年度末には音戸、渡子、田原、早瀬、奥内、野呂東各小学校が廃校となりました。
この内、蒲刈小跡地は地元自治会に無償貸与、鍋小跡地は地域コミュニティバスのNPO事務所に無償貸与、音戸小跡地は企業に20年間の有償定期借地の上で太陽光発電所、早瀬小跡地の一部は広島電鉄に有償借地した上で車庫用地となっています。また23年度末に廃校となった小坪小学校は、地元が運営する文化施設として無償貸与しています。特に同小跡地は、市民協働、地域協働の典型的な活用策と言えるでしょう。
ここで疑問なのは、跡地活用基本方針に基づいて売却したのは、当初の3例で止まっているという事実です。地域協働で無償対処しているケースでも、全て条件が課せられており、市が売却するようなことになれば、そちらを優先するという特約条項があり暫定貸借となっているにも関わらず、実際は売却が全く進んでおりません。
そこで平成24年に発表された第1次公共施設再配置計画を見ますと、既に先行実施している公共施設活用策として、学校の跡地活用が記述されており、その中身はあくまで地域協働に基づいた活用となっています。議会答弁でも、地域協働を優先する旨の答弁が目立つ訳です。
しかし、基本方針は生きていることをこの度再確認しました。但し、基本方針を改めて読み直してみると、市民協働での活用方針を策定しつつ、更地売却の原則を謳っていることが判りました。この2つのベクトルは矛盾しています。即ち、地域協働が優先されるのか、売却が優先されるのか、どちらとも取れるような曖昧な記述になっていることが問題だと考えます。
やはり原則売却しないと、吾妻、辰川、片山各小学校の近隣住民との不公平感が払拭できないことになります。尤も地域性によっては、売ろうにも買い手がつかないケースも出て来るでしょう。それはそれで仕方ありません。先ずは売却する努力をすることです。
そのためには、対象となる廃校を列記し、購入意欲を示す企業をリサーチする必要があります。それで引き合いが来て初めて、解体予算を付けて公募売却するなり、場合によっては、解体費を建付減価して売却する手法もある訳です。私は後者の方がより手堅い手法と考えていますし、過去もこの考えを主張して来た経緯があります。
地域協働も勿論大切ですが、各地域にはまちづくりセンターやコミュニティ施設が結構あって、特に後者は普通財産ですから、呉市としては地域協働として地元に無償貸与したい意向があるのです。その手法で地域協働は進められますし、昭和地区ではまちづくりセンターや地区体育館を、昨年度から指定管理に移行しており、これも地域協働の拠点となるものです。他にも老人集会所は、以前から地区社会福祉協議会が指定管理を受けていますし、地域協働拠点は結構あるのです。
従って地元とも協議を進めつつ、原則売却の原点に立ち返るべきです。不公平感をなくし、且つ財源確保に繋げることで大きな意味で呉市財政に寄与し、ひいては各種施策に貢献することになるのです。
一方、売却が容易な場所と言えば、やはり中央地区です。旧五番町小学校は平成23年度予算で解体費を計上し、そのまま全部売却する方針でした。
ところが同年の東北大震災があったことで、国からの通達で集団疎開用の公共施設を用意する必要があったため、解体予算を使いませんでした。つまり、同校舎をアパートメントに改修する余地を選択肢として残したのです。
その後そのニーズは立ち消えとなったにも関わらず、翌年度から今年度に至るまで、実に6年間に亘って解体費を予算計上していないのです。つまり少なくとも現時点では、呉市として売却する意図がないことを意味します。様々な事情があることは薄々感じてはおりますが、すぐに売却しない理由があるのなら、きちっと議会に示すべきでしょう。議会に対しては、検討中として曖昧な答弁に終始して来た経緯があります。
また、合併前からの統合により、廃校ではなく、休校となったままの学校もあるのです。具体的には情島小学校、延崎小学校、大冠中学校、音戸西中学校です。当時は、売却することで補助金適正化法により、国に補助金を返還しなければならない理由がありましたが、その期間は当に過ぎています。
情島小は選挙時の投票所、延崎小は適応指導教室と東林館呉分校への無償貸与、大冠中学校は教育委員会倉庫、音戸西中学校は公共事業の資材置き場くらいしか活用できていません。この中で売却可能な音戸西中学校は、学校廃止し普通財産にした上で売却すべきでしょう。
いずれにしても、これらの点について、今一度糺して行く必要があると考えています。
呉市は、児童生徒数が激減し、適正規模での教育環境を整えるため学校統廃合を進める中、廃校後の跡地活用策が問題になっていました。そこで平成19年6月に、「学校統合後の跡地活用について」と題し、当時全国的にも珍しい指針を発表したのです。
その内容は、市民協働で活用方針を策定するとしつつ、基本方針として原則売却を明示したのです。但し、地域事情を考慮する必要がある場合は、土地や建物の一部を処分せずに市民協働で活用するというものです。この一部は、当時私が委員長を務めていた教育経済委員会での答弁で、敷地の約3割ということでした。
さて、この基本方針に従って初の処分は、平成16年度末を以て廃校となった吾妻小学校でした。当初3割部分の校舎棟を残して欲しいとの地元要望がありましたが、受け手の地元団体が維持管理費を捻出する必要があることが判明して、急速に萎み、最終的には平成21年に、3割部分をコミュニティ広場にしました。残りの3割はディベロッパーに売却し、建て売り住宅となりました。
処分の第二号は、平成19年度末に廃校となった辰川小学校です。ここも地元の熱意を汲み、3割部分の体育館を「辰川会館」として残し、5つの自治会が共同運営することとなり、残り7割はやはり建て売り住宅となったのです。
そして、やはり平成19年度末に廃校となった片山小学校が、初めて全敷地を売却することになりました。地元要望を受けて廃校後2年間は第五地区運動推進協議会として無償貸与しましたが、売却後から現在に至るまで、代替措置として片山中学校の一室を無償貸与しています。結局同校跡地は、スーパーとマンションの複合施設に変貌を遂げた訳です。
これら3ケースが、廃校後の跡地活用策として基本方針に沿って民間売却した全ての実例です。
但し今日に至るまで、平成17年度末には蒲刈小学校、18年度末には五番町小学校、20年度末には鍋小学校、21年度末には大入小学校、22年度末には音戸、渡子、田原、早瀬、奥内、野呂東各小学校が廃校となりました。
この内、蒲刈小跡地は地元自治会に無償貸与、鍋小跡地は地域コミュニティバスのNPO事務所に無償貸与、音戸小跡地は企業に20年間の有償定期借地の上で太陽光発電所、早瀬小跡地の一部は広島電鉄に有償借地した上で車庫用地となっています。また23年度末に廃校となった小坪小学校は、地元が運営する文化施設として無償貸与しています。特に同小跡地は、市民協働、地域協働の典型的な活用策と言えるでしょう。
ここで疑問なのは、跡地活用基本方針に基づいて売却したのは、当初の3例で止まっているという事実です。地域協働で無償対処しているケースでも、全て条件が課せられており、市が売却するようなことになれば、そちらを優先するという特約条項があり暫定貸借となっているにも関わらず、実際は売却が全く進んでおりません。
そこで平成24年に発表された第1次公共施設再配置計画を見ますと、既に先行実施している公共施設活用策として、学校の跡地活用が記述されており、その中身はあくまで地域協働に基づいた活用となっています。議会答弁でも、地域協働を優先する旨の答弁が目立つ訳です。
しかし、基本方針は生きていることをこの度再確認しました。但し、基本方針を改めて読み直してみると、市民協働での活用方針を策定しつつ、更地売却の原則を謳っていることが判りました。この2つのベクトルは矛盾しています。即ち、地域協働が優先されるのか、売却が優先されるのか、どちらとも取れるような曖昧な記述になっていることが問題だと考えます。
やはり原則売却しないと、吾妻、辰川、片山各小学校の近隣住民との不公平感が払拭できないことになります。尤も地域性によっては、売ろうにも買い手がつかないケースも出て来るでしょう。それはそれで仕方ありません。先ずは売却する努力をすることです。
そのためには、対象となる廃校を列記し、購入意欲を示す企業をリサーチする必要があります。それで引き合いが来て初めて、解体予算を付けて公募売却するなり、場合によっては、解体費を建付減価して売却する手法もある訳です。私は後者の方がより手堅い手法と考えていますし、過去もこの考えを主張して来た経緯があります。
地域協働も勿論大切ですが、各地域にはまちづくりセンターやコミュニティ施設が結構あって、特に後者は普通財産ですから、呉市としては地域協働として地元に無償貸与したい意向があるのです。その手法で地域協働は進められますし、昭和地区ではまちづくりセンターや地区体育館を、昨年度から指定管理に移行しており、これも地域協働の拠点となるものです。他にも老人集会所は、以前から地区社会福祉協議会が指定管理を受けていますし、地域協働拠点は結構あるのです。
従って地元とも協議を進めつつ、原則売却の原点に立ち返るべきです。不公平感をなくし、且つ財源確保に繋げることで大きな意味で呉市財政に寄与し、ひいては各種施策に貢献することになるのです。
一方、売却が容易な場所と言えば、やはり中央地区です。旧五番町小学校は平成23年度予算で解体費を計上し、そのまま全部売却する方針でした。
ところが同年の東北大震災があったことで、国からの通達で集団疎開用の公共施設を用意する必要があったため、解体予算を使いませんでした。つまり、同校舎をアパートメントに改修する余地を選択肢として残したのです。
その後そのニーズは立ち消えとなったにも関わらず、翌年度から今年度に至るまで、実に6年間に亘って解体費を予算計上していないのです。つまり少なくとも現時点では、呉市として売却する意図がないことを意味します。様々な事情があることは薄々感じてはおりますが、すぐに売却しない理由があるのなら、きちっと議会に示すべきでしょう。議会に対しては、検討中として曖昧な答弁に終始して来た経緯があります。
また、合併前からの統合により、廃校ではなく、休校となったままの学校もあるのです。具体的には情島小学校、延崎小学校、大冠中学校、音戸西中学校です。当時は、売却することで補助金適正化法により、国に補助金を返還しなければならない理由がありましたが、その期間は当に過ぎています。
情島小は選挙時の投票所、延崎小は適応指導教室と東林館呉分校への無償貸与、大冠中学校は教育委員会倉庫、音戸西中学校は公共事業の資材置き場くらいしか活用できていません。この中で売却可能な音戸西中学校は、学校廃止し普通財産にした上で売却すべきでしょう。
いずれにしても、これらの点について、今一度糺して行く必要があると考えています。