街頭演説集

第116回 コテージかまがりの増築

稼働率低いコテージかまがりの増築に疑問符!

Facebook 2017.12.7

 去る12月4日は、116回目の街頭演説。テーマは、コテージかまがりの増築についてです。
 これは、昨年度末に可決された呉市補正予算の中の1億600万円の内、1億円を充てて、県民の浜敷地内にあるコテージかまがりの改修と増築をするものです。
 既設のコテージかまがりは5棟あり、内訳は5人部屋3棟、10人部屋2棟の木造平屋建てです。小高い場所に立地し、瀬戸内海を眺望でき絶景です。増築というのは、別の場所に新たに4人部屋2棟、2人部屋1棟を建築するものです。
 
 ここで第一の問題は、既設棟の宿泊稼働率が年間平均僅か23%しかないということです。ならば稼働率を高めるのが最優先課題であり、増築をすれば、それだけ空き部屋を増やすことになりかねません。当局の説明によれば、繁忙期の7月で71%、8月で80%強の稼働率といい、この時期は予約を断る場合もあるといいます。
 私から言わせれば、最も稼働率が高い時でも8割ということは、5棟の内1棟は空いていることになりますし、もし満室であれば、隣接する下蒲刈島にあるコテージ梶ヶ浜を紹介すればよい訳です。また、年間を通じて23%の稼働率ということは、2月の閑散期等では、殆ど利用がないとの裏返しでもあります。
 稼働率が低いにも関わらず、平気で増築するのは、経営感覚ゼロと言っても過言ではありません。
 第二の問題は、かまがり温泉やすらぎの館に隣接する駐車場内に新築することで、海浜の近くになるため塩害を避ける意味で、木造ではなく発泡ポリスチレン造にすることです。これはドーム型で、若者に人気で売り出し中の阿蘇ファームヴィレッジにあやかろうというものです。
 この発泡ポリスチレンというのは、発泡スチロールを強固にしたものですが、自然の素材ではないため、蒲刈町の自然にマッチする木造コンセプトに合致しません。県民の浜の主要棟「かがやきの館」は勿論木造ですし、合併時の役場だった現市民センターは木造で、建築部門で入賞しており、当時はISOを取得していました。これらはいずれも海のそばですので、塩害を避けるために発泡ポリスチレンにしたというのは、理由になりません。 加えて科学素材ですから、人体に少なからず悪影響を及ぼす危険もあります。建築コストも木造より高いということでした。
 第三は、県民の浜の指定管理者である㈱県民の浜蒲刈から要望が上がった訳でもないことです。結局国が地方創生拠点整備交付金を選挙対策でばらまいたことで、呉市の枠を目一杯使う際に、このような案が呉市担当部署の役人から出されたに過ぎません。但し、この交付金は事業費の半額分しかもらえないのです。
 しかも、呉市は公共施設等総合管理計画で、新たなハコ物建設はできるだけ控える基本方針を打ち立てており、これとも矛盾致します。
 宿泊稼働率が低いといっても黒字だと、当局は胸を張りましたが、それは管理する㈱県民の浜蒲刈の職員が宿泊棟であるかがやきの館に常駐しており、人役を兼務できるスケートメリットがあること、平成10年12月に建築してから、殆ど維持補修費がかからなかったことが要因です。勿論建物の減価償却は行っておらず、イニシャルコストは全額当時の蒲刈町が負担しており、これらは支出に入れていないこともあります。
 実はこの交付金を使って、既設棟のウッドデッキをバーベキュー対応にしたり、サイクリング対応の駐輪施設を室内に設置するなどの改修工事を2,830万円で行うこととしています。これは稼働率向上策として必要と考えますが、何も7,170万円を使って別途増築する必要性は乏しい訳です。費用対効果からも、時期尚早だと考えます。
 結論として、国のばらまき予算に安易に手を出すべきではありません。この増築予算に対し、私はただ一人反対を表明致しました。今後も市政をチェックして参る所存です。
タイトルとURLをコピーしました