街頭演説集

第115回 中央公園の防災公園化

中央公園防災化計画の議会報告は基本設計発注後だった!

Facebook 2017.11.30

 去る11月27日は、115回目の街頭演説。テーマは、中央公園を防災公園転用するための基本計画についてです。
 先般11月24日の呉市議会産業建設委員会で、呉市は初めて中央公園防災整備事業基本計画を公表しました。
 と申しますのも、以前基本構想が示された際、飲料水兼用耐震性貯水槽をもう1基設置するとか、ヘリポートを新設する具体案が示されていました。私は、前者は既に1基設置済みなので不要とし、後者については、広場スペースが狭くなるし、市民広場がヘリポート指定されているので、専用スペースの設置は不要との考えを当局に示していたのです。
 その後、昨年度予算に、基本計画策定のための調査委託費が計上された際、基本設計に入る前に、調査結果の報告をするよう当局に要請していたのでした。
 ところが、この度の委員会における私の質疑により、基本設計は既に発注済みであることが明らかになったのです。即ち今年3月末に調査結果が出て、その後部署内でこの度の基本計画を策定した後、9月に基本設計を発注してしまっていたのです。つまり当局は、このことを隠していました。
 委員会で議員からはかなり注文や意見が出ましたが、これでは後の祭りで、基本設計の仕様書に反映することはできません。9月に発注する前の6月定例会か、9月定例会前に委員会報告すれば、それら意見を基本設計に十分反映できたことになります。これは議会軽視の何ものでもありません。
 しかも、基本計画公表が基本設計発注後になった理由を私が質しましたが、明確は答弁はありませんでした。
 実は、中央公園を防災公園に模様替えするには、現在の噴水池を撤廃して、フラットの多目的の自由広場を造成する必要があります。これまでの池が通常の路面より低くなっているのは、内神川から溢水した雨水を貯留させる効果を兼ねていたのです。それが、県の内神川改修計画で、河川幅の狭い内神川を堺川に新たに連結する計画が既に示されていることもあり、フラットにすることで、避難広場や緊急車両駐車場に活用が可能となるのです。これは防災機能を考えれば当然のことと言えます。
 しかし、慣れ親しんで来た噴水池がなくなることは憩いの場の機能が希薄になることを意味し、市民から反対の声が上がるのを覚悟しておかねばなりません。だから、来年1月に住民説明会を実施する方針が示されたのです。
 ということは、基本計画公表が遅れたのは、市長選挙に悪影響を及ぼす懸念があったからと言われても仕方ないでしょう。
一方、ヘリポートは専用スペースは設けない代わりに、緊急時の離着陸は可能としました。そして地震等により水道配水管が破裂し、水が供給できなくなることを想定して、既設トイレ付近にマンホールトイレを既設トイレ付近に新設することしました。これは下水道管へマンホールを通じて直接排便を落とし込む構造で、普段は使えません。
 また、フラットにする自由広場は海抜4mと、新庁舎の基礎部分の高さに合わせます。これは南海トラフ地震等が起きた際の津波の最高の高さは1.6mとされており、これに満潮時の海抜2mを加えて、最高3.6mになることを踏まえた高さです。
 更には、公園内の緊急車両が緊急輸送道路に指定されている北側の中央二河町線と、東側の宝町本通線と円滑に連結できるよう、園内に動線複数確保します。特に宝町本通線へ出るには一旦、南側のシティプラザすぎや側にある一方通行路に出る必要があります。そのこともあって、2箇所ある車両出入り口の幅を、既存の3mと6mを、各々6m、10mに広げ、大型車両にも対応を可能とします。
 問題は、既設の飲料水兼用耐震貯水槽とは別に、耐震性防火水槽を新設することです。
前者は飲料水と防火用水と双方への利用が可能です。そこで避難した市民へ飲料水の提供が必要になった場合に備え、別途防火利用対応の水槽を設置するというのです。
 しかしながら、市民が多数広場に避難しているのに、防火水を駆使して消火活動に当たることはないと考えます。災害対策本部が、火事でそのような危険箇所に避難誘導するはずがないからです。つまり、飲料水と防火用水は、それぞれの場合で利用され、重複して使われることはないはずなのです。それなら、防火水槽を新設するのは殆ど無駄になるのではないでしょうか?
 実際自由広場も、ある時は広域避難場所として、ある時は救援部隊駐車場と、使い分けすることにしています。加えて、現在耐震・老朽改修工事を行っている体育館は、準拠点避難所として、または備蓄上としての2面性利用を位置付けています。これと同様に、現在既に設置されている飲料水兼用耐震性貯水槽で、飲料水と防火用水は、時と場合に応じて使い分けできるはずです。
 ところが、その後の調査で、中央公園の北側への消火活動への対応も含んでいることが判明しました。防火水槽は500m四方に1基ずつ設置する計画で、北側には既にありますが、阪神大震災級の大規模地震が起きたと想定しますと、市街地の同時多発火災に対応するには、多いに越したことはないそうです。防災機能を銘打った公園だけに、必要との考えもありましょう。
 そして、地震災害によって水道配水管が遮断された場合、飲料水兼用貯水槽は、内部弁で仕切られ水が遮断されますので、飲料水供給を最優先し、防火用には使わないとのマニュアルもあるとのことでした。
 また、飲料水兼用貯水槽をもう1基設置しようとすると、100トンタンクが二つに倍増され、近隣住民の使用水の関係で、タンク内の水が滞留することで、飲料水不適格となります。このような理由から、もう1基飲料水兼用貯水槽設置を断念したことも判明致しました。
 このような議論を十分行った上で、基本設計の仕様書に反映させるため、基本計画の議会への報告は、基本設計発注前に行うべきだったのです。私は、度重なる市の議会対応の不備を、今後も糺して参る所存です。
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