街頭演説集

第127回 第4期くれエコアクションプラン

クールチョイスを計画化、カーボンオフセットは緒に就く!

Facebook 2018.2.24

 昨日は127回目の街頭演説。寒波が過ぎ去り、かなり温かくなって来ました。テーマは、先日呉市議会民生委員会で報告された、第4期くれエコアクションプランについてです。
先ず、エコアクションプランとは聞き慣れないですが、呉市役所に限定した地球温暖化対策実行計画のことです。第4期とは、平成30年度から34年度までの5ヶ年となります。
 地球温暖化対策推進法第21条では、地球温暖化対策に関し、地方公共団体実行計画を策定することになっていますが、その内の事務事業編という位置付けとなります。
 因みに、呉市全域を対象とした地球温暖化対策実行計画は区域施策編と呼び、これはこの度改定された第2次呉市環境基本計画10ヶ年の中付けとなっています。私は地球温暖化実行計画として、事務事業編と区域施策編をセットにすべきと主張しており、当局は受け入れませんでした。
 
 さて、第3期エコアクションプランの取り組み成果として、温室効果ガス排出において、基準年度である平成23年度に比べ28年度は、4,945t、率にして5.2%の減少となりました。
 但し、29年度は中学校全普通教室への空調設備設置で、実際全教室で冷房を駆使するのは30年度から、30年度は小学校全普通教室への空調設備化で、31年度から冷房を駆使することとなります。となりますと、31年度は600tの二酸化炭素排出が余計にのしかかり、第4期への悪影響は免れません。しかも、これまでの各教室2台の扇風機で、全教室年間40万円だった電気代と比べ、8千万円もかかるのです。
 実は、このことの予算に反対したのは私一人でした。選挙を意識した前市長によるトップダウンで決定された経緯があります。教育施策の独立性を謳った教育委員会は市長のイエスマンに終始し、庁内組織であるエコポリス推進会議にも付託されず、全く機能していなかったのです。
 そこで第4期計画では、職員への情報提供や啓発、研修が新規事項として盛り込まれました。これは一歩前進と言えましょう。
 これらのことを踏まえ、計画最終の平成34年度の削減目標として、14,633tに設定しました。これは25年度を基準年度とし、97,552tを82,919tに削減するというものです。率にして15%の削減となります。加えて長期目標としては、平成42年度に30%削減を目指すとしています。因みに呉市全体の実行計画では、同年度には26%削減を目標にしています。
 
 ところで、昨年6月定例会で私が提案したことの内、次の3点がプランに盛り込まれました。
 その第一は、クールチョイスの導入です。これは国が取り組む啓発活動に沿って、呉市が独自に取り組むもので、具体的施策は今後煮詰めて参ります。国民による賢い選択を促すとも言われています。現段階では、環境省への申請が認められれば、二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の10/10の活用が見込めます。
 第二は、公共施設に係る電力供給契約方法の見直しです。現在市庁舎は入札を実施しておりますが、私は価格競争だけではなく、二酸化炭素排出係数を考慮する総合評価の導入を提唱しています。
 但し昨年一般質問の答弁では、これは今後の課題としつつ、二酸化炭素排出係数の低い電力業者に入札資格を与える裾切り方式となるようです。いずれにしても電力会社によっては、火力発電を電力供給源にしており、自然再生エネルギーを電力源にしている事業者の参入を促す仕組みです。
 また、市庁舎以外の施設の殆どが中国電力との随意契約となっており、これも入札へシフトすることが求められます。例えば消防局や上下水道局では、これまで緊急時リスクに備えて安定した電力供給が求められるとの理由で、専ら中国電力との契約でした。入札の結果新電力との契約となり、万一供給ストップとなった場合に備え、予め中国電力と協定を締結しておくことも検討課題となります。
 新計画では新たに自然エネルギーの有効利用を図ることが盛り込まれましたので、この事項との整合性を図る必要があると考えます。
 第三として、カーボンオフセット等、先進的取り組みや技術の調査・研究が盛り込まれました。カーボンオフセットとは、温室効果ガス排出目標を達成できなかった場合に、その目標との差額排出量に見合った温室効果ガス削減活動に投資することで、国や県の認証を受けることで穴埋めするシステムです。
 例えば東京都府中市では、姉妹都市の長野県佐久穂町の森林整備事業をサポートすることで、長野県より認証を受けています。呉市では余計に経費がかかることから、これまで検討をして来ませんでしたが、いよいよ緒に就いた格好です。
 私はその際は、市有林の間伐事業の際、これまでの切り捨て間伐ではなく、それらを販売し、且つ植林する委託事業を呉市が行ってはどうかと提唱しています。販売するためには切り出した材木を運搬するコストがかかるため赤字になるというのですが、有効活用することで自然循環を促し、認証を得易いと考えますし、植林を怠ればいずれははげ山になるので、二酸化炭素吸収量が却って減ることになり、本末転倒となる訳です。しかも、洪水時の被害が増大しますし、イノシシの人里への出没にも悪影響を及ぼしましょう。
 
 一方、私が提唱した公共施設個室の設定温度制御は見送られました。環境省が示す、「冷房は28度、暖房は19度」の目安は徹底化を図るものの、体感温度が業務内容や人によってことなるため、業務の効率化を進めるためには、個室の設定温度制御は行わないと、昨年答弁があったものです。
 例えば市庁舎を例にとりますと、各会議室や議会控え室では、自由に温度設定ができるよういなっています。これを庁舎全体で制御すれば、環境省の室温設定基準の順守が徹底され、温室効果ガス排出量を抑制し、省エネ効果もある訳です。これは、その気になれば予算をかけずに簡単にできることであって、呉市の本気度が問われています。
 私は、庁舎に止まらず全体制御が可能な施設については、基準室温に達し、ある程度時間が経過した段階で、自動的にストップするシステムの導入も順次検討すべきと提唱してます。
 いずれに致しましても、第4期くれエコアクションプランでは、まだ多くの課題は残るものの、私の一般質問での提案が活かされる結果となったのは、前進が図られたものと考えています。
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