街頭演説集

第163回 地域防災力の強化

防災リーダーを自主防災組織に組み込み、防災力強化を!

Facebook 2018.10.31

 去る10月29日は、163回目の街頭演説。テーマは地域防災についてです。

 呉市はこの度西日本豪雨災害を受け、突出した被害を受けました。これを機に、市民の防災意識の一層の高まりが望まれます。
 災害から身を守るには、公助、共助、自助がありますが、この内、自分の身は自分で守る自助として、普段から家庭内で災害用具や災害食を備蓄するとか、避難所へのルートとかを確認して家庭内で意識統一しておくことが必要です。但し、少子高齢化の影響で災害弱者も増える中、地域ぐるみや隣近所で協力し合うことも重要な課題となっています。
 そこで呉市は、主に自治会を単位に自主防災組織化を進めて来ました。これは互助に位置付けられます。年に1度は防災訓練や防災講話を実施してもらう趣旨で、申請すれば防災訓練補助金が年1度に限って、2万円交付されます。他にも3年に一度、1/2補助率、4万円を限度に防災機材等補助金も交付されます。
 因みに、市内全444自治会中321自治会で自主防災組織が結成されており、組織化率は73%になります。加えて防災訓練等の実施においては、地区自治会連合会単位とか、合同で訓練を実施する場合があるため、そのカバー率が29年度現在で84%となっています。
 また呉市には、防災リーダー制度があり、消防局が主催する講習を受けた方を登録しています。現在341名が登録されており、これには自主防災組織代表者等にも参加を呼びかけています。ただ、一度登録すれば、後はなしのつぶてでした。私は2年前の9月定例会において、リーダーのスキルアップの必要性を訴えました。その結果、現在ではリーダーを対象としたフォローアップ研修を実施するようになったのです。
 ただ問題は、個々の防災リーダーと地域の自主防災組織が必ずしも連携が図れていないということです。つまり、防災リーダーが一匹狼では、折角の知識も宝の持ち腐れになってしまいかねません。
 そこで私は、防災リーダーは必ず最寄りの自主防災組織に加盟、荷担してもらい、自主防災組織がない自治会には、消防局がリーダーを紹介してマッチングさせ、組織化を促進するべきと考えます。即ち、防災リーダーは点であり、自主防災組織は面ですので、点を面に包含させることで、地域防災力をより強固なものにすることができるという訳です。
 そして、自主防災組織ができない自治会においても、防災訓練まではいかなくとも、せめて防災講話を企画したりする場合は、年に1度防災訓練等補助金を2万円満額でなくとも、例えば5千円であっても交付する制度に拡充すれば、カバー率をアップさせることで実が取れるものと考えています。そのような自治会が補助金額をアップさせようとすれば、自主防災組織化に繋がることも考えられます。
 更に、昨年度から呉市は、避難行動要支援者名簿を本人の了解を得た場合に限って、各最寄りの自治会長に提供することに致しました。この名簿は毎年更新しますので、その都度取り替えることとなります。それには自治会未加入の方も当然含まれており、平素からコミュニティに参加されない方もおられる訳です。
 ところが、その活用マニュアルが、所管の危機管理課においてまだ作成できておりません。これを早期に作成した上で、各自治会単位で講習会を開催して、日頃から心構えをしておくことが重要です。この講習会を企画するにも、防災訓練等補助金が使えるようにすればよい訳です。つまりそれを所掌する消防局との連携が鍵を握っているのです。

 一方、呉市は災害用備蓄を行っており、その中には乾燥させて5年間保存できる災害食もあります。ところがこれらは少なくとも5年に一度は予算計上した上で買い揃えないと行けません。その際にその処分方法が新たな課題として上って来ました。
 そこで、自主防災組織が防災訓練等を企画して補助金申請する場合に、これらの災害食を無償提供すれば、有効活用になるのではないかと考えます。
 実際この度の西日本豪雨災害で、全国から支援物資が呉市に届きました。この内保存食は後5年間保つため、既存備蓄災害食から優先して各避難所に配給したのです。既存備蓄災害食は、丁度保存期間が切れる前だった訳です。従いまして、既存災害食が切れた後に支援物資たる災害食を回しました。しかしそれでも大量に余ったので、それは既存の保存用災害食に代わって備蓄用に回したということです。
 ところが、同じ災害食でも半年程度しか保たない食品も多々ありました。その中にペットボトルのお茶も入っています。そこでこの度、倉庫に眠っている災害食を初めて整理したところです。
 実は、私が会長務めるまちづくり委員会で防災訓練を近々行いますが、お茶と五目ご飯パックの無償提供を受けることになりました。これを訓練プログラムに、試食会として組み込むのです。但しそれらを消費完了するまでは、防災訓練の補助申請をした自主防災組織に対し、災害食無償提供に係る情報を提示する必要がある訳です。そうでないと無償提供を受けられる団体と知らなかった団体が出ることになり、不公平となってしまうからです。
 そこで、私の提案で、要綱を整備した上で、市自治会連合会定例会で、広報案内することになりました。
 ということで、先般私は、災害食を所掌している危機管理課と防災訓練を所掌している消防局が連携を取るように促したところです。

 いずれに致しましても、自主防災組織の強化は、この度被災した呉市において、優先して取り組む必要がありましょう。市民の皆様のご協力を切にお願い申し上げるものです。

タイトルとURLをコピーしました