街頭演説集

第174回 災害公営住宅建設の可能性

呉市における災害公営住宅建設の課題を克服せよ!

Facebook 2019.1.20

 去る1月15日は174回目の街頭演説。テーマは災害公営住宅についてです。

 呉市は昨年7月の豪雨災害において、天応地区では土石流、安浦町においては集落への土砂崩れや平地部分への浸水被害、川尻町でも浸水被害、吉浦地区や狩留賀では土砂崩れにより、住まいを奪われた方、大幅に修繕を施さねば当面住めない方が多く出ました。それらの被災世帯に対しては、公営住宅空き室への優先入居、仮設住宅、民間物件を借り上げてのみなし仮設住宅を暫定的に提供しています。
 具体的には公営住宅に45世帯、みなし仮設住宅に151世帯、仮設住宅に61世帯が入居されています。県が建設した仮設住宅は40世帯分の間取りがあり、天応応急仮設団地は抽選した上での満室、安浦応急仮設団地は21世帯しか入居されていません。天応地区には市営住宅がありませんが、安浦町にはあることが要因の一つ。もう一つ安浦町の場合は、中心部から遠く離れた安登公園内に仮設住宅を建設したために、自宅の家財道具整理に帰る際、バスを使って時間を要することが空きが出た理由です。天応地区は、市民センターから徒歩圏内ということもあって、人気があった訳です。
 因みにこれらの家賃は全て免除され、仮設住宅とみなし仮設住宅は国が負担、公営住宅はそれを所有する呉市や県が免除決定をします。

 ところで、仮設住宅は昨年9月1日からの半年契約です。それを最長2年まで更新できるようになっています。これらは簡易に建設したもので、建築基準や耐震基準も満たしていない建物ですので、2年後には解体致します。入居者はそれまでに、転居先を見つけるなり、自宅の改修を終えたり、新築したり、賃貸契約をしたりして、仮設住宅を退去する必要がある訳です。
 そこで、一部入居者の呉市に対するご要望としては、その後同一地区内に災害公営住宅を建設してもらい、そこに転居したいというものです。そうすれば住み慣れた同地区に住み続けることができ、既存のコミュニティも活かすことができます。
 呉市としては、条件を満たす希望者がある程度おられる場合は、建設を前向きに検討するとしています。特に天応地区には市営住宅もないため、建設する可能性は高いとみております。呉市が建設した場合国庫補助が3/4ありますが、立地場所が課題となります。この度の土石流で家が流された地域を活用するのは、その土地を買収することになり、

  1. 被災地に建設することには被災リスクが高い
  2. 買収から漏れた方々との不公平感が出る

との理由で非常に困難です。
 そこで、先ずは市有地を探すことになりますが、残念ながら天応地区には宅地としてのそれが非常に限られて参ります。被災した天応中学校の裏山に、現在国が治山堰堤を建設中で、暫定的に学び舎としている移転先たる天応小学校との小中一貫教育校を目指すことも、地元要望によっては考えられます。その際空いた天応中学校を改修するか、新たに建築するかして災害公営住宅とする案もあり得るでしょう。ただ、市民センターから遠いのと、被災した場所にあるとの理由で敬遠される可能性が高いと思います。
 現在の仮設住宅建設地を含めた隣接地一体は、下水道終末処理施設の拡張用地として都市計画決定されていますし、天応公園に立地すれば、ここは都市計画を打っている都市公園ですので、同規模面積の新たな公園用地を近隣に確保する必要があります。
 となりますと、残るは天応ポートピアパーク若しくは、呉市土地開発公社が所有しているポートピアパーク駐車場内しかありません。しかしながら、これらは都市計画で地区公園指定されているため、その変更手続きは最低1年はかかります。ということは、それから設計、建築するとなると、間に合わないことになります。
 そこで、現在の天応応急仮設団地近くにある、旧ポートピアパークの第2,第3駐車場跡しかないと考えます。何故ならここだけは都市計画区域から外れているからに他なりません。呉市としては是非前向きに検討して欲しいと思います。

 一方、災害公営住宅に入居した場合、家賃が最初の5年間は1/4、その後の15年間は1/3に減免されます。その穴埋め財源は国が全額みてくれます。となれば、条件が合致している仮設住宅入居者且つ帰還困難世帯は、災害公営住宅を選択する可能性が高いと思います。
 ところが、仮設住宅の抽選に外れた方で、みなし仮設住宅や優先入居の公営住宅に入居された方が、入居してから2年後以降もそこに入居を続ける場合、家賃の減免はありません。そこで私は、これらの延長入居において、同様に家賃減免補填をしてもらうべく国に要望して欲しいと訴えました。確かに、同じ被災者で且つ住宅事情が同様で帰還困難者であった場合、家賃面において不公平となるのは合点がいかない訳です。
 少なくとも、公営住宅に入居し続ける場合は、住宅所有者である県や市が同様の施策を採るべきでしょう。
 みなし仮設住宅の延長入居の際、国が家賃補填をどうしても認められないというなら、せめてこのような家賃格差があることを十分説明した上で、災害公営住宅の入居希望者を募ることが大変重要となります。私はこのことについて、早急に整理するよう呉市に要請したところです。家賃格差が生じることを理解すれば、みなし仮設住宅や公営住宅に優先入居された被災世帯も、災害公営住宅への入居を望まれる方が多くなると思えるからです。

 さて、仮設住宅入居者は契約が半年更新ですから、その間、帰還場所が確保された場合に順次退去される方も出て参りましょう。
 天応応急仮設団地は現在満室で、コミュニティの場は同団地内に設置された談話室があります。ただ、全国の被災者応援ボランティア団体が、慰問に訪れ談話室を利用されたり、自主的に趣味のサークル活動を団地住民が行う際に、談話室が結構詰まっている状況も出て来ています。
 そこで退去後空き室が生じた場合、ニーズに応じて第2・第3の談話室を設置することを検討したらどうかと思います。そうすれば外部の応援ボランティア団体としても、企画をし易くなりますし、入居世帯ニーズの多様化にも対応が可能となって参ります。つまり空き室の有効利用という訳です。呉市において、建築した県に要請すれば、その実現も可能と考えるものです。
 いずれに致しましても、被災住民の皆様が一日も早く平常の生活を取り戻されんことを切に念願しております。

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