街頭演説集

第180回 地域防災力の強化

住民主体による地域防災力の強化策を提唱!

Facebook 2019.3.5

 去る2月26日は180回目の街頭演説。テーマは地域防災力の強化についてです。

 呉市は、消防局の施策として、自治会単位に自主防災組織の結成を促しています。現在全自治会の72%が組織化されており、100%達成を目指しています。組織化しますと、防災機材等補助金が2/3の補助率で3年に1度、4万円を限度に支給されます。これは防災備蓄倉庫を建築したり、そこに補完する用具を購入するなど、イニシャル的コストに適用されます。また、毎年2万円が防災訓練若しくは防災講話を開催する際に、申告すれば交付されます。これには決算報告が不要のため、余剰金は同組織に留保することが可能となります。
 ただ現実は、自治会単位では防災訓練を独自に行うことが難しく、自治連合会単位で大がかりに行う場合が多い訳です。その場合は参加者が限られますから、やはり自治会単位での活動ができればそれに越したことはありません。
 そこで防災リーダーの存在意義に注目が集まります。自主防災組織化する際にその組織から派遣して防災リーダー研修を受ける場合が多いですが、組織とは無縁の立場で、自主的に研修を受講して防災リーダーを委嘱されるケースが、町中では見受けられます。
 そこで、防災リーダーの名簿を地域に公開し、顔の見える形で連携を図らねば絵に描いた餅になりかねません。そこで私は、最初から受講する際に、地域連携が進むように、地元の自治会長に防災リーダーとしての名簿公開するのを義務付けるよう提案しました。それが不可の方に防災リーサーになって頂いても、その方の自己満足にしか過ぎず、全く意味を成さないからです。
 今年度はそれが間に合わないため、先の第四地区防災教室では、消防局が本人の同意を得た上で、名簿を公開してもらいました。その上で、その訓練において紹介し、リーダーシップをとって頂いたのです。
 ところで私は、消防局OBによる消防協力員登録制度構築を、平成26年12月定例会一般質問で提唱しました。消防局も腰が重かった訳ですが、ようやく1年前、制度設計に入ることになりました。
 消防団において、昼間の消防出動は、仕事を持っておられる団員が出動できないため、人員が手薄です。
 そこで、消防団員や吏員のOB希望者を募って、消防団や消防隊の指示の下で現場での手伝いをするのです。つまり、経験豊富な団員や吏員OBが、自身の住所地の管轄である消防分団の出動時に手伝うのです。ホースを繋げたり、ホースをポンプ車から回したり、消火栓に繋げたり、地元自治会長や自主防災組織と連動して、高齢者等の居場所を確認したりすることもできるでしょう。これはあくまで大規模災害で長期に亘る救出活動が必要な時ではなく、火災等、短期間で火消し等の収束を図る場合に有効です。
 保険適用は、消防団員等公務災害等補償基金の活用か、呉市市民公益活動保険の適用を検討したらよいでしょう。制服やヘルメットは各々現役時代のものを活用し、消防局は、名簿管理と協力員への腕章配布くらいで事足ります。後は現場を仕切る警察との協議が必要となります。定年は例えば75才として、研修を実施するのです。

 一方呉市は、平成29年度から避難行動要支援者登録台帳を作成し、最寄りの民生委員や自治会長に手渡しています。これは、自力で脱出避難できない方の個人情報を記載し、本人の同意を得た上で、地域代表に公開し、緊急災害時の救出行動に役立てるものです。
 主治医情報や介護の状況 親族の緊急連絡先など、事細かく記載されています。

 ところが、名簿台帳を作成して手渡したものの、それをサポートするガイドライン若しくはマニュアルが作られておりません。手引き書の記述に止まっており、これでは十分に機能し難いと思われます。そこでこれを早急に作成し、災害時の心構えや活用方法など、自治会長や民生委員を対象に、研修をしておくべです。私がこのことを提案し、所管の呉市危機管理課で検討を進めています。

 結局災害時には先ず、自分の身は自分で守る「自助」が基本ですが、地域で助け合う「共助」の重要性が叫ばれています。昨年7月の西日本豪雨災害でも、大きな教訓を残しました。
 消防局や危機管理課、災害ボランティアというのは「公助」の部分で必要なのは当然ですが、それに備えて地域の防災力強化に市民が協力体制を構築することが大切だと痛切に感じております。

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