議会活動を積極広報し、最優秀賞に恥じない紙面作りを!
Facebook 2019.8.11
我が呉市議会が発刊する議会広報紙「チーム議会」が去る7月30日、第14回議会報コンクールで最優秀賞に輝きました。これは、58市が加盟する中核市議会議長会が主宰するものです。
呉市議会では議会報を過去発刊してなく、議会内で発刊の可否について、何度も議論して来た経緯があります。発刊方針がなかなか決まらなかった理由は下記の如くです。
- 市政だよりに、議会一般質問の記事を掲載しているので、それで事足りる。
- それ以上の詳細を知りたければ、議会ホームページに掲載しており、補完できている。
- 新たに発行することで、予算を増額する必要がある。
- 回覧による全戸配布において、各自治会に負担をかける。
勿論これらの意見に対しては、②の議会ホームページにおいても、高齢者はインターネットを利用しないので、紙ベースの広報紙が必要ではないか、との反論も出されはしましたが、多数意見とはならなかったのです。
ところが特例市制度の廃止に伴い、呉市が平成28年度から中核市に移行して、当時の議長が中核市議会議長会に出席したところ、議会報を発刊していないのは、当時加盟47市中、呉市を含め3市程度しかなかったことが判明したのです。
そこで、議長が議会各会派に対し、議会報発刊の要請をしたことで、一気に議論が再燃、加速し、議長の意向を反映して、発刊することに急遽決定したのでした。
因みにその間平成28年度から、呉市議会インターネット中継も予算を増額して、これまでパソコンからでしか視聴てきなかったのが、スマホやタブレットからでも動画視聴が可能となりました。これは私が兼ねてから要望していたものです。という情勢下で、議会活動の市民への積極的な広報が、議会の課題となっていたのです。
さて各会派に持ち寄っての結論は、議会報発刊でまとまりました。その上で、平成29年度予算に約900万円を計上するに至ったのです。
ここまでは順調に事が運んでいたのですが、予算審査の直前になって、潜在化していたある問題が表面化したのです。
それは議会報には、一般質問が何と言っても議員の活動における花形なので、これを掲載しない手はありません。その際、発言議員の氏名を掲載しないとの意見が大勢を占めたのです。
実は、市政だよりでも一般質問発言者の氏名は掲載されてなく、これではおかしいとの意見も出たため、氏名の代わりに会派名を掲載することで妥協決着を過去に図った経緯があったのです。議会報もこれまでと同様に議員氏名を載せるべきではないというのが、各会派意見の大勢でした。だいたい一般質問者の氏名を伏せることは、他の議会では皆無と推察されます。これでは議会報としての発刊の意義が殆どかすれてしまいます。
しかも私は、発言者の氏名だけではなく顔写真まで掲載するべきと主張しました。他市の議会報でも顔写真掲載はメジャーとなっています。議会基本条例でも、議会は市民に対して広報に努める責務が定められており、これに逆行するという訳なのです。
各会派の主張は、会派を代表して質問するため、ローテーションにより毎回質問できませんが、無会派議員は個人としての質問なので、定例会毎に質問しており、毎号記事掲載されることになり、不公平というものでした。それに対しては、会派所属議員であっても代表質問の他に個人質問も同じ定例会に認められているので、公平性は担保されているというのが私の主張でした。
私は、最低氏名が掲載されないなら、議会報発刊の予算が無駄になるので、土壇場で予算そのものにで反対の意志を表明。会派に所属しない他の議員4名(諸派)も、これに同調することになったのです。反対となれば、当然本会議場で反対理由を述べる「討論」を行うことができます。私が討論をするのは確実で、そうなりますと、呉市議会の議会報が顔写真はおろか氏名を敢えて掲載しないことが白日の下に晒されてしまいます。当然マスコミもその内容を取材し、報道することは目に見えています。
この私を含めた諸派の予算そのものに反対する意向が会派に伝わり、多数で予算が可決されても、新聞報道されるは、議長の顔に泥を塗る結果になることを恐れた各会派が歩み寄りを見せたのでした。
その妥協案とは、下記の2点です。
- 発言議員の氏名は掲載するが顔写真は掲載しない。
- 代表質問は2段組み、個人質問は1段組みの記事分量として、差別化を図る。
私を含む諸派としては、不満は残るも、改革の第一歩を踏み出すことで、妥協案を受け入れ、議会報発刊予算は無事全会一致で可決されたのです。これが水面下での動きでした。
一方、先の統一選挙の結果、呉市議会も新議員体制となり、広報委員会も委員の入れ替えが行われました。私は初めて広報委員に就任したのです。
その中で諸派を代表し、懸案だった顔写真掲載と、代表・個人質問に関わらず2段組み掲載を提案しました。記事スペースの差別化は他会派からは予想通り一蹴されはしましたが、顔写真掲載は新広報委員会で検討することになりました。
そこで、会派に持ち帰った内容を集約する広報委員会が、去る7月26日に開催されたのです。顔写真掲載に賛意をしめした会派は1会派と諸派のみでした。驚くべきことに、一般質問記事掲載そのものに反対するので顔写真は議論の対象外、とする会派が出たのです。残り3会派は、顔写真掲載に反対を表明しました。ということで、この問題はその場で結論を出さず継続審査になりました。
私は、当時の議長が、各中核市議会議会による広報発行を踏襲したいとの要請を受けた過去の経緯から、現在の中核市議会全ての議会報を顔写真掲載の有無について調査し、そのデータを基に次回委員会で再度議論すべきだと意見しました。一般質問そのものに反対する会派からは、どうせ殆ど顔写真を掲載しているだろうから、調査は無意味との意見が出され、これも驚いた次第です。しかし委員長の計らいで、私の意見は採用されたところです。
このような議論をした直後、即ち僅か4日後の、呉市議会の議会報「チーム議会」が最優秀賞を受賞したとの通知があったのです。
顔写真を載せない広報紙が最優秀賞とは、恥ずかしくて、受賞を辞退するべきというのが私の個人的感想です。
この度のノミネートされた号は、平成30年2月10日発行の第4号で、「高校生と呉市議会」の特集記事を組んだことが受賞理由のようです。その中には、共に私が参加した呉市議会文教委員会と広高校との意見交換会、議員全員が対象となった呉三津田高校との意見交換会がアップされています。
確かにこれらの記事は、呉市内の県立高校の取り組みで、特筆すべき内容です。たまたま、選挙権の18歳化の影響で、高校生への有権者教育が叫ばれており、時宜的にこれがヒットしたものでしょう。
但し、やはり広報紙の役割は、広く読者を獲得することにあり、それには何と言っても視覚に訴えることです。そのような意味から他市議会同様、広報委員として、ビジュアルな紙面作りに寄与して参る所存です。読者たる市民の皆様の声が鍵を握っているのです。