グリーンピアせとうちの売却方針を固め、背水の陣を!
Facebook 2020.2.6
グリーンピアせとうちは、前指定管理者たる(株)ゆうとぴあセトウチとの指定管理協定を呉市が解除し、現在裁判で係争中です。そのような中にあって、平成29年9月1日から令和2年3月31日までの2年7ヶ月間の暫定期間において、現在の一般財団法人・休暇村協会と非公募で指定管理協定を締結しています。
暫定期間としたのは、ゆうとぴあセトウチとの指定管理期間が本来暫定2ヶ年で、平成29年度末までであったため、解除後の埋め合わせと、その間グリーンピアの在り方を呉市が再検討する期間であった訳です。
私は、兵庫県にあったグリーンピア三木を同県が売却し、民間経営たる「ネスタリゾート神戸」として起ち上がりで成功を収めた事例を基に、グリーンピアせとうちを公募売却すべきと一般質問で訴えました。それが28年12月定例会のことです。売却する意義は、企業が所有することによって、思い切った投資、計画修繕を行い、呉市に固定資産税も入って来るためです。
それを受け前市長が原則売却方針を固め、全国一般公募し、売却するための期間として当初1年間、その後1年7ヶ月延長し、2年7ヶ月の暫定期間としたのでした。
ところが、29年11月から新政権が誕生。新市長は、これまで積み上げて来た議論を踏みにじるべく、リセットすると表明。即ち、売却、指定管理、賃貸借等様々な経営形態を含み再検討すると表明したのです。そこでいきなりプロポーザルを実施せず、その前段としてサウンディング市場調査を行うことにしました。しかしながら、30年9月頃サウンディング型市場調査をすると表明していたのを、同年7月の豪雨災害もあって、大幅に遅らせたのです。
具体的には、豪雨災害の翌年である昨年6月13日に調査に係る要綱を発表し、7月16日から8月9日まで4事業者と対話を重ねました。その結果が昨年11月の呉市議会・産業建設委員会でようやく報告されたのです。A社は、一括購入して老人ホームや病院に加えての宿泊施設。B社はホテル部分を購入して、ホテル経営。C社は現在の指定管理を継続、D社は環境テーマパークに位置付けての指定管理でした。提案企業の業種は、宿泊業2社、不動産業1社、その他1社ということです。
これらでは決め手にならなかったことで、対話を継続しつつも、新たな提案を募るべく、サンディング型市場調査を継続するということです。このため、今年4月から新たに3年間の暫定指定管理を休暇村協会を非公募で選定することに決定しました。
因みに同協会の平成30年度決算は、収入3億8千万円、支出3億6千万円で、差し引き2,300万円の黒字ということです。但し、本来呉市に納付するべき指定管理者負担金3,200万円を免除した上での結果ですから、豪雨災害の影響はあったとしても、同社が優秀な実績を残したというのは早計だと考えます。
結局指定管理を3年間延長した訳ですが、以前のゆうとぴあセトウチが非公募で暫定指定管理を行った際は2年間でした。この間に抜本的に在り方を検討するというのが、当時の建前だった訳です。それから考えれば、3年間は悠長過ぎます。しかも既に市場型サウンディング調査は曲がりなりにも終えているのです。
そもそも、サウンディング型市場調査を政権交代故に大幅に遅らせたことが問題でした。それは新市長が明確な方針を打ち出さず、得意の丸投げ方式に転じたからと言われても仕方ないでしょう。私だったら、兵庫県が実施したように、最初から売却を基本方針に据え、一般公募を実施したに違いありません。遅れればそれだけ施設も痛むし、集客力も落ちて来るため呉市に不利になるからです。交通局民営化の時も当時の市長の決断が遅れたため、広島電鉄に足下を見られた苦い経験があるのです。尤も現市長はその時の事情をご存じないから、教訓が生かし切れていない訳です。
延長理由の一つとして、数年後まで予約が入っているという答弁もありましたがこれは詭弁です。経営者が変わればそれを引き継げばよい訳で、要は経営形態が変わる際に空白を作らないよう配慮すればよいのです。
しかも当局は、大規模災害時に災害廃棄物の一時仮置き場に使う際、市が土地を所有していた方が対策し易いと踏んでいたようです。これとて、売却する際に災害時協定を締結すればよい訳で、いくらでも手段はあるのです。
更に、売却したら産業廃棄物処分場にされるとの危惧も一部ではあるようです。グリーンピア三木の場合は売却の条件として10年間の転売禁止や多用途への転換を禁ずる特約を結びましたし、登記簿にも特記事項に明記しました。これらはその気になれば、いくらでも手段があることを示しています。
私は12月定例会における指定管理議案に係る質疑で、当局から「売却の基本方針は変わっていない」との答弁を引き出すことに成功。加えて暫定3年間の新指定管理期間で、必ず結論を出すよう決意を表明させました。このことを踏み台に、今後注視して参る所存です。