街頭演説集

第274回 指定ごみ袋入札談合を契機に、呉市の1社独占排除を!

Facebook 2021.2.5

 去る2月1日は274回目の街頭演説。テーマは、指定ごみ袋の入札談合についてです。

 江田島市の指定ごみ袋入札で、去る1月21日、関係者が罰金の略式命令を受けていたことが発覚、翌日報道されました。具体的には、平成30年4月と31年4月に江田島市が公告した指名競争入札で、予め落札業者を決めていたというものです。
 いずれも市は5社を指名し、1社が辞退する中、いずれも広島市西区に本社を置く広島県薬業(株)が、30年は約1,420万円、31年は約1,570万円で落札しました。江田島市は予定価格を設定しておらず、最低制限価格は設定していませんでした。この度の事件発覚により同市は、この4社を1月25日から2年間指名停止処分を課したところです。
 この種の談合は、悲しいかな日常茶飯事とも言えますが、この度の事件が世間の注目を集めたのは、談合に参画し処分された内の1社が、現職の呉市議会議員が設立した会社(株)ジョイだったからです。この会社は、隣接の東広島市や、江田島市では今年度に受注しています。因みに他の2社は、やはり呉市に本社がある富田肥料(株)と、江田島市に本社を置くこづた包装資材でした。

 実はこの落札業者である広島県薬業(株)は、呉市で過去平成20年度から3ヶ年契約毎に受注希望型指名競争入札を5回実施し、全て落札している業者です。呉市では、同社の呉連絡所で業者登録しいるため、準市内業者という扱いです。呉市では市内・準市内業者に限定した上で受注希望を募っていることもあって、結果的に呉市の指定ごみ袋において独占体制を維持して来たと言えましょう。
 報道によりますと、江田島市は毎年入札をしており、少なくとも平成30年度、令和元年度と、連続して同社が受注しているところを見ると、同市でも独占受注の可能性もあり得ますし、1年契約では人員配置等の割が合わないので、複数年毎に落札業者を代えていた可能性もあるでしょう。
 また同市では、以前は平袋式でしたが、今年度から呉市同様ロール方式を採用しています。
 因みに呉市では、この度の4社の内、こづた包装資材を除く3社が業者登録しています。そして予定価格を公告時から公表しており、今年度から令和4年までの3ヶ年の期間で、広島県薬業が予定価格5億2千万円に対し、5億2,100万円で落札、落札率は98.5%と高率です。しかも令和元年秋に実施した入札において、1社が直前に辞退したため、広島県薬業1社との随意契約に踏み切った経緯があります。
 この予定価格の積算は、呉市職員には専門がいませんので、3社に見積もりを依頼したものの、広島県薬業と辞退した会社の2社がそれに応じています。平成28年秋の前回入札でも同様でした。
 私は以前から、広島県薬業(やくぎょう)の独占は「やくぎょう神」と揶揄し、対策の必要性を訴えて来ました。隣接の江田島市での談合により、呉市の契約先と同じ業者が落札していたことで、呉市においても談合があった可能性が高い訳です。ただ、江田島市と違って1社随意契約となったことから、談合に係る不正競争の罪が適用されなかっただけかも知れません。
 そもそも予定価格積算に係る見積もりに応じて、入札に有利なもう1社が受注希望で名乗りを上げたにも関わらず、直前に辞退した事実を見てもそれこそ話し合いがあったと見られても不思議ではないでしょう。
 また表面に出ませんが、毎回受注できない会社が談合に加わるのも、キックバックや下請け受注等、別のうまみがあるのでは、と勘ぐられても仕方ありません。

 私は呉市に対し、次回令和4年秋の指定ごみ袋入札において、これまでの手法を一旦リセットして新たな方法で実施するよう、この度の事件を受け改めて提言しました。
 と申しますのも、呉市では当初からごみ袋のロール式を採用しておりますが、特殊の製造技術や工程が必要なため、これに対応できる会社はそう多くはないからです。だから予定価格積算にしても、本来5社以上で見積もりを取り、その平均値を出すのが望ましいとしていますが、2社しか応じておらず、その会社は応札段階で有利に働くことは否定できません。
 且つ、応札者が少なく競争原理が働き難い訳です。ロール式は市民において保管したり、商店で販売する際、コンパクトで有利な面もありますが、その分コストが他市の平袋式と違いコストがかなり割高になっています。
 呉市は平袋式だと、ごみ袋をまとめるビニール袋が焼却ごみに回されるので、リサイクルに不利と説明して来ました。しかしながら専門筋によると、ロール式の方が、繋がり部分の取っ手以外の余剰部分が焼却処分に回されるため、20袋をセットで平袋方式にすれば、焼却に回るのが却って少ないと言います。
 これらの事情を踏まえ、次回は改めてプロポーザルを実施し、様式やコスト面等の提案を受けて、総合評価し業者を決めるのがよいのではないかと当局に提言しました。プロポーザルでは、価格面のみならず様々な評価項目で加点しますので、談合はやり難いのです。
 それも、市内・準市内に限定せず、広く全国に募る必要があるかも知れません。何故なら、現在呉市のごみ袋製造専門の登録業者は先の4社しかないからです。
 この度表面化した指定ごみ袋の談合事件を契機として、呉市として、一企業独占にならず、応札においても競争原理が十分働く方法を早期に検討し、次回から実施して欲しいと願うものです。

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