街頭演説集

第280回 呉市役所食堂がなくなる!売店、喫茶を分離して再公募も

Facebook 2021.3.17

 一昨日3月15日は280回目の街頭演説。テーマは呉市役所本庁舎の食堂についてです。市民や市役所職員に便宜を図っていた本庁舎9階の食堂(ショクドウ)は、隣接する売店と共に、来たる3月19日を以て閉鎖されます。正にショックどう!当然同社と契約した海自カレーメニュー「うんりゅう」も自動消滅し、再公募が予想されます。併せて一足先に、1階にある国際ソロプチミスト呉広場に隣接するカフェも2月26日付けで閉店となりました。
 これら3店舗は、呉市と広島駅弁当㈱とプロポーザル公募で一括5年間契約をしていたもので、同社の分社化を受けて、現在は広島アグリフードサービス㈱と契約継承していました。その5年間の満期が今年3月31日となっていた訳です。カフェが1月前に閉店したのは、契約上、令和3年3月31日までに閉店となっていたので、それより早まったとしても違反にならないとのことでした。

 では、何故閉店に至ったのか、旧庁舎時代の契約状況から説明しましょう。
 旧庁舎8階に食堂がありましたが、地方自治法に基づき職員の福利厚生という視点から、市が職員厚生会に無償貸与していました。その上で厚生会が呉飲食組合と随意契約で食堂運営を委託し、組合は、自身に所属する業者に再委託していたのです。
 ということは、受託業者も使用料はかかっておらず、しかも光熱水費は業者が直接電力会社や当時の水道局と個別契約しますが、その半額を免除していました。恐らくその補填は厚生会が厚生会が行っていたと推察されます。つまり、旧庁舎での食堂単独経営でさえも、使用料免除、光熱水費半額減免で成り立っていたことが窺われます。
 また職員厚生会は、地下1階にあった売店を直接経営し、2階にあった喫茶店は別の個人と契約して経営を任せていたのです。ところが経営難と、経営従事者の高齢化に伴い、旧庁舎が閉鎖する2年程前に喫茶店が閉店となりました。その後誰もそこに入ろうとはしなかったのです。
 つまり、喫茶店が最も経営が厳しい状況でした。そこで新庁舎の開庁前の平成27年度に食堂、売店、喫茶店をセットでの委託契約とし、それも厚生会を噛まさず、市が直接公募したのです。この理由は、厚生会に貸せば、事業者による公平な参入機会が失われ、適切な使用料が呉市に入って来ないからです。
 そして、喫茶店の赤字を食堂の黒字で吸収すれば、3店舗同時に経営できると踏んだ訳です。当然公募要領では、施設使用料は、基準に基づき、減免しないとしました。
 その結果、既存会社と合わせ3社がプロポーザルに臨みましたが、資本力の高い広島駅弁当㈱が、経営の安定性項目で高い得点を上げ、採用されることとなったのです。
 それを受け、1階のカフェをサポートする意味で、呉市は政策的に、隣接する国際ソロプチミスト呉広場(当時はシビックモール)に、飲料の自動販売機の設置を見送ったのです。公募に係る仕様書には、このことは明記していなかったので、設置は可能ではありましたが、自販機を設置することで、カフェの経営を圧迫することに配慮したのでした。
 その結果自販機は、南エントランス、いわゆる裏出入り口の奥の小部屋と、4階議事堂前の2箇所の設置に止めました。裏口への設置は市民の目に止まらず、市職員のみが知っています。議事堂前の休憩スペースは、議会傍聴に行かない限り、その存在に市民は気付かない訳です。当然自販機の位置を示す案内標示はされていません。

 そのアグリフーズも、この度のコロナ禍の影響が止めを刺した可能性を否定できません。食堂にはアクリル板設置をしない代わりに、テーブルでの対面会話を避けるため、片側にしか椅子を設置していないのです。当然集客は輪をかけて激減したことでしょう。
 そして、カフェの経営難が全体の足を引っ張ったに違いありません。
 呉市としては、契約期限切れを前に、昨年12月22日から今年1月22日までに、再公募を行い、1月27日から29日まで申請を受け付けました。その結果、応募者ゼロとなったため、その瞬間、4月1日から食堂、売店、喫茶店が消え去ることになったのです。
 そこで私は、コロナ禍期間に限定して、施設使用料を減免した上での再公募の可能性はないのか、先の予算委員会で質問しました。但し、どこまでをコロナ禍期間として線引きするか、その後使用料減免を廃止したとして、継続経営できるのかといった高いハードルはあります。
 市としては、市役所食堂のみ使用料を減免すれば、近隣商店街等の飲食店との公平性を欠くことが問題だと答弁。更にコロナ禍で、飲食業は様々な公的支援を受けつつ、テイクアウトに力点を置いて経営努力を続けており、彼らの救済のためにも、市職員がテイクアウトを利用してもらうことが肝要であるとのことでした。確かにもっともな理屈です。
 そうは言っても、来年度から9階の2つのスペース、1階の小スペースに空きが生じ、これを有効活用するのは至難の業です。そこで、喫茶店や売店を独立して公募する事業者はいないか探った上で、再公募することを提案したいと考えています。コロナ禍で職を失った市民がいますので、逆に魅力を感じる可能性も否定できないからです。それらが整った段階で、食堂だけに絞って再公募することも視野に入って来ます。
 現在呉市はPCR陽性者ゼロを1ヶ月以上継続中ですし、加えて去る3月10日を以て、陽性者の入院、宿泊・自宅療養がゼロになりました。今後コロナの収束も見据え、可能性はあると踏んでいます。

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