2022.09.16
去る9月2日の厚労省予防接種・ワクチン分科会において、乳幼児接種を引き続き議論する方向性となったことを受け、同省健康局は即日全国自治体に対し、乳幼児接種の準備に入るよう通知を出していました。全国医師会も9月6日付けで都道府県医師会に対し、同様の趣旨での通知を出していたのです。
「医師の確保を含めた体制整備を準備せよと」の趣旨で、まだ正式決定していないにも関わらず、乳幼児接種在りきの強引な厚労省の手法です。
その証拠に、本日呉市議会で可決された、コロナワクチン接種事業費の中に、乳幼児に対する3回目接種予算が盛り込まれていたのです。まだ国が接種を正式決定していない段階にです。因みに乳幼児への1~2回目接種費は、今年度の当初予算から流用するとしています。つまり、殆どの市町村予算の中に、コロナワクチンの乳幼児接種費が、現段階から決め打ちで盛り込まれている可能性が大です。「準備せよ」というのは「予算を組め」とも採れるからです。
しかも呉市は、予算内容を説明するに当たって、誰を対象とした接種予算かについては、敢えて言及を避けていたのです。
結局、60歳以上は5回目、12歳から59歳までは4回目、5歳から11歳までは3回目接種を実施するものと思いきや、加えて6ヶ月から4歳までの接種費も密かに忍ばせていたのです。これらのことに言及すると、乳幼児接種が矢面に晒される恐れがあり、敢えてこれ回避したと言わざるを得ません。乳幼児接種については世論が反発することは明白で、本来各議会でも侃々諤々の議論があってしかるべきです。その機会を呉市長は完全に奪いました。
加えて去る9月6日からは、5~11歳における幼児に対し、接種の努力義務が正式に課されました。これには、多くの地方議員が反発しています。
一方、これに先立つ昨日9月15日、本補正予算に係る予算委員会において谷本議員は、政府の強引なコロナワクチン接種に係る新手法を追求。「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」に関し、新型コロナワクチン接種率加算を初めて各都道府県や市町村に通知したのです。この臨時交付金は、各自治体が、規程の範囲内でコロナ禍対策へのの使途が認められるもので、一定の自由裁量があります。
内閣地方創生推進室から去る4月28日に通知されたその内容を見ますと、3回目接種割合が臨時交付金に反映されるとしています。具体的には、
- 接種率70%~ =1.3倍
- 接種率60%~70%=1.2倍
- 接種率50%~60%=1.1倍
- 接種率 ~50%=1.0倍
となっています。
因みに呉市は、4月時点での接種率が59%だったため、1.1倍に加算されました。政府による、なりふり構わずコロナワクチンを接種させようとする姿勢が露わになりました。勿論、この内容は議会に対しては伏せられており、谷本議員による質疑で初めて明らかになりました。
尚この度の加算措置は、「コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策」の一環であり、全国で計1兆円規模になります。他にもウクライナ避難民の受け入れ人数も加算額に考慮されるとしています。
いずれにしても地方議員は、このような国の横暴を尻目に、イエスマン首長による愚策を強く糺して行く使命があるのです。