2023.3.17
議員の一部から、道の駅化が提唱されているのを受け、呉市は昨年12月19日から今年1月13日まで、サウンディング型市場調査を8事業者に対して行いました。その結果は、
- 6事業者から道の駅は採算性が合わないので不可
- 2事業者から呉市が環境を整備することが大前提
との厳しい評価が下されたのです。
私は以前から、国土交通省が補助金を支出したとしても、ランニングコストにより赤字になれば、運営主体は呉市ですから大きな血税補填を余儀なくされるため、道の駅は反対していたのです。この度の調査の結果、道の駅化に否定的な事業者からの意見は下記の如くでした。
- 高速道路を一旦降りなければ、車両が参入できない。
- 高速道路の区間が呉~広島間と短過ぎるため、休憩ニーズがない。
- 需要が少ないと農業者からの搬入が滞り、品数が減り、消費者ニーズを満たせない。
- 車での大和ミュージアム来館者が立ち寄る可能性は低い。
- 近隣の天応地区の人口が小さ過ぎ、商圏として成り立たない。
これを聞いた呉市の担当者は、「正直言って、このような厳し過ぎる意見が出るとは思っていなかった」と吐露しましたが、これはあまりにも甘い認識です。市長命令で調査を行ったに過ぎないのが真相でしょう。こんなことは調査するまでもなく、最初から分かっていたことです。
道の駅というのは、山間部の自治体が、都市間幹線道路の通過点になっているサービスエリアに、地元特産物を販売し、活性化する目的で設置するのが一般的です。呉市の広島呉道路「クレアライン」はローカル高速道路ですので、適していないことは明かです。ましてや、呉市は「大和ミュージアム」というオンリーワンの観光施設を有しているのですから、観光資源を他に拡げる贅沢は必要ないのです。
さて、本市による環境整備を提案した2事業者の意見を踏まえ、呉市は令和5年度予算に1,790万円の調査費を計上しました。つまり、あくまでも公園を前提として、魅力ある遊具を導入する等再整備することを前提としています。それにより、商業施設を誘致したいとの思惑が見て取れます。
そもそも呉ポートピアパークは、都市公園として都市計画決定し、テーマパークとして第3セクターを設立して、1992年から「呉ポートピアランド」を運営していたのです。これが経営破綻し、たった7年間で閉鎖に追い込まれ、呉市は5億円の株券を紙屑にしたばかりか、特別清算として、管理棟や電気設備棟などの施設を2億6千万円を支出して買い取らされた過去の苦い失敗があるのです。
公園を再整備したとして、そこにどれだけの人が訪れるというのでしょう。しかも、その公園を指定管理するのに、毎年6千万円近くの血税を支出しているのです。つまり無料の公園ですから、一切利益を生まないのです。
そこで私は、去る3月9日の呉市議会産業建設委員会において、住宅団地として売却することを提唱しました。こうすれば売却収入は呉市に入りますし、天応地区に人口が増え、活性化します。同地区にはスーパーが既に撤退しており、住宅団地ができると、当然小売店舗の誘致に繋がることでしょう。
ここは呉市街地と広島市にも近いため、通勤にも便利だし、呉ポートピア駅が目の前です。しかも海沿いなので、眺望も優れています。
埋立申請からかなり期間が経過しているため、公有水面埋立法の目的変更や都市計画変更も可能なのです。呉市の山間部・郷原地区でまちづくりが活性化したのも、民間開発による住宅団地が二つも造成されたからです。公園という呪縛に囚われるのではなく、抜本的な改革が市長に求められているのです。