2023.7.3
さて、去る6月29日、大阪市で冤罪無罪判決を受けたカメラマン赤阪友昭氏による、市内児童相談所との通話記録が新たに公開され、ニュース報道されました。
赤阪さんと言えば、2017年11月に市内自宅で当時2ヶ月になる泣き止まない長男をあやしていたところ、急に呼吸不全に陥りました。救急搬送先の医師の診断結果は、揺さぶられ症候群による急性硬膜血腫と眼底出血でした。これを受け我が子を虐待した容疑で翌年2018年10月に逮捕されたのです。
当時市内児童相談所は、我が子を一時保護され、5ヶ月後に自身が保釈されてからは、「我が子に会ってはならない」と家庭裁判所と児相から進言され、長男も家庭へ帰されることはありませんでした。妻は、「夫は虐待をするような人ではない」と何度も児相に直訴しましたが、一切聞き入れてはもらえなかったのです。その後妻は長女を連れて、祖父母宅に身を寄せたため、家族は完全に分断されたのでした。
昨年6月に始まった刑事裁判では、被告たる赤阪さんの代理人弁護士が、新たな医療証拠を提出。即ち長男には先天性疾患があり、少しの振動でも出血する体質だったと、別の医師の診断書が証拠採用。結果、今年3月17日に、ついに無罪を勝ち取ったのでした。 その間5年近くも親子が引き裂かれ、逮捕後1年半後に、長女の卒園式の日に1日だけ、家族の面会を許可されたのでした。
さて判決文朗読後、裁判長が異例の言及。「5年あまりの家族の苦悩は言葉では言い尽くせない。今日を区切りに家族との穏やかな日常を取り戻されることを切に願っています」・・・検察の暴走による冤罪であったことが明らかになった劇的瞬間でした。
この冤罪事件は、背景に児相による家族や児童に対しての人権侵害が浮き彫りになったことに重大な意義があります。
冒頭、ニュース報道されたのは、児相の児童福祉司職員による発言、即ち「家族が夫を信じているからこそ、保護解除できない」という衝撃的な内容だったのです。つまり、保護を解除すると、夫が再び虐待するリスクがあるというのです。これは、最初から「疑わしき者は容赦しない。家族や児童の権利は、面会を含め一切与えない。」という児相の体質をもろに現していると言えましょう。
1994年に我が国が批准した児童の権利条約違反はもとより、国連人権委員会からも、2019年、2022年と、2度も法改正の勧告を我が国は受けているのです。即ち、親の同意や証拠を必要とせず、有無を言わせず親子を分離していることは、重大な人権蹂躙なのです。
そもそも、児相所長に最大の権限を賦与している児童福祉法第33条そのものが憲法第13条の幸福追求権に違反していると言えましょう。
また、2000年に制定された児童虐待防止法では、第5条で、児童福祉関係者による児童虐待の早期発見の努力義務、第6条で、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者に、福祉事務所や児相への通告義務を課しています。
これらが児相の業務を益々、人権侵害に走らせていると言えましょう。実際、2年前に私は呉市民の若夫婦から相談を受けました。それは、幼児がタンス等に頭を偶然ぶつけたのに対し、呉市立保育所職員が児相に通報し、幼児に加え乳児までもが拉致されたのです。当時、児相に繋がる医師の診断書で「虐待した可能性あり」とされ、丸2年間も家族から引き離され、現在にも至っているのです。
その間、弁護士を通じて行政不服審査請求を県に対し提起したものの、県知事名で却下されました。それもそのはず、県知事が任命してお金を支払っている学者等が行政不服審査会を構成しているため、県対応を容認する答申を出したのです。つまり、利益相反の最たるもので、行政不服審査法そのものが自作自演で茶番なのです。
赤阪さんの場合も、別の医師での診断を児相に求めましたが、冷徹に却下されています。つまり、家族の意見を聴く場が一切なく、有無を言わさないという人権蹂躙体質なのです。これは、児童福祉法や児童虐待防止法を改正する必要があります。
そこで、去る6月25日に、「児童相談所のあり方を考える地方議員懇談会」がZoomにより発足。私も参加しました。代表は岩波初美千葉県議会議員です。国会の同趣旨の議員連盟と連携し、法改正を迫って行く方針です。
彼女は、2019年1月24日に起こった、野田市立小学校4年生女児が父親に虐待され、母親はそれを幇助したとして死亡した事件に関わったようです。この事件では、学校アンケートで女児が「両親から虐待を受けている」と回答した文書を父親に見せたとして、問題になりました。因みに、両親は既に実刑が確定しています。
或いは我が呉市においては、2016年3月2日に、生後8ヶ月の長男に食事を与えず育児放棄(ネグレクト)したとして、両親は実刑判決を受けています。当時、2004年に改正された児童福祉法の第25条の2に基づき、呉市は要保護児童対策地域協議会を開催し、対策を検討した経緯があります。
これらはいずれも児相権限をもっと発揮すれば良かったとする案件です。これに対しては、児相が一時保護を解除した後も、市町村の民生委員が家庭を定期訪問する等の対策は講じる必要があります。
ということは、児相問題は、虐待防止の強化と共に過度な人権侵害を糺す、2つの側面がある訳です。
一方で、児相の闇は更に奥深いものがあります。
先ず、児相は一人の児童を一時保護するだけで、県を通じ予算が交付される仕組みになっています。これは、児相が安易に強制拉致する直接の要因になっていると推察されます。
次に、一時保護から児童養護施設に入所させられた後、特別養子縁組を結び里親に出されます。そうなりますと、実父母との戸籍関係はその時点で削除され、永遠に行方不明となるのです。これは大問題です。通常の養子縁組では戸籍は残りますので、相続権は継続するからです。
更に、東京都では約半数が外国人との養子縁組となり、その後のチェックは全く不可能になっています。これは実に不可解です。「赤い靴」の童謡(どうよう)を想起し、動揺(どうよう)は隠せません。
自然共生党と致しましては、この辺りの闇にまで突っ込んで参りたいと考えています。