街頭演説集

2023.4.2「第360回街頭演説 呉ポートピアパーク再整備は過去の血税負担の繰り返し!」追加

style=”text-align:right; display:block;”>2024.3.25

 一昨日の3月25日は、360回目の街頭演説。テーマは、呉ポートピアパークの再整備についてです。

 さて、去る3月8日に、呉市は市議会産業建設委員会において、呉ポートピアパークの再整備基本構想を発表しました。これは、前身の「呉ポートピアランド」開設後32年を経過しての施設老朽化対策を巡る趣旨となっています。しかし、広大な6.6haもの土地の有効活用が図れていないことから、過去も調査費を計上して検討を試みた経緯があるのです。この度は今予算予算計上された調査費1,790万円を活用しての結果です。

 先ず考察するに当たって、現在の条例設置公園における歴史を振り返ってみる必要があります。
 元々この土地は、呉市が100%出資する呉市土地開発公社による海面埋立事業からスタートしました。目的は当時流行っていたテーマパークを誘致するもので、特殊公園として位置付けていました。当時の神戸ポートピアランドがモデルであり、1992年に第3セクター方式による「呉ポートピアランド」として開設されたものです。

 これは造船不況による地元IHIの経営支援の側面もあって、安価にタンカーを払い下げてもらい、それを海のホテルに再活用し、呉市を不死鳥の如く蘇らせる「フェニックス計画」を策定し、実現の運びとなったものです。
 筆頭株主は阪急電鉄。呉市も5億円を出資し、取締役に当時の小笠原市長、専務取締役には呉市部長級が派遣されたのです。
 ところが、造船不況が盛り返し、タンカー購入を断念した結果、IHIと40億円もの随意契約を締結し、大型船舶を模した「ビクトリア号」を建設。それを岸壁に常時停泊させました。ホテル機能はなく、単なる船内見学ためだけの目的です。当初の目玉は消滅し、代わりに大観覧車を目玉遊具として設置したのです。
 これでは、設備投資が膨らみ、経営赤字を脱することはできませんでした。しかも、遊具利用には身長制限が敷かれ、小さなお子様が乗れないものも多く、ファミリー層をターゲットに据えた経営戦略が総崩れとなり、バブルも既にはじけた後だったため、僅か6年間で破綻したのです。私が初当選したのは1995年ですから、その時から火の車でした。

 1998年に特別清算し、ビクトリア号や遊具は競売にかけられました。呉市の税金を原資とした5億円の株券は紙屑と化し、呉市も責任をとって、園内にあった管理棟と電気設備棟(現在の第2管理棟)を計2億6千万円で購入せざるを得なくなったのです。
 移転不可の建物は全て残され、呉市が無償で譲り受け、2000年から、現在の「呉ポートピアパーク」として生まれ変わったのでした。

 結局、無料公園として呉市が指定管理(外部委託)することになり、現在年間約5,700万円の指定管理料(委託料)を支払っています。ポートピアランドの一部は、住宅展示場として民間に有償貸付していたものの、現在は休止状態です。呉福祉まつりや呉こども祭等のイベントがある場合は人出で賑わうものの、公共性の高いイベントとして、借地料も無償です。園内には一部店舗がテナントで入っていましたが、平日は閑古鳥が鳴くため、全て撤退しました。これでは何のために、大金をかけて海面を埋め立てのか解りません。 因みに、隣接の第2期埋立地は、コンベンションや多目的広場設置を目的としていまししたが、これは整備前に断念に追い込まれ、後にマツダの下請け企業であるユーシンに売却し、一部をコンビニエンスストアに土地を貸し付けており、有効活用が図られていると言えましょう。公園用駐車場は無料といえど、所有者である呉市土地開発公社に対し、所管部署たる呉市土木総務課が、借地料として年間1,713万円を支払っているのです。つまり、費用対効果が希薄なのです。

 実は、呉市議会からは「道の駅」を建設する要望が出されていました。そのため、市長は、一昨年12月から今年1月にかけて市場サウンディング型調査を行って、その可能性を探りましたが、参加企業から、「呉市がかなりのインフラ整備を新たにしない限りは、進出は不可能」と意見が続出し、断念した経緯があるのです。
 私は当初から、道の駅は呉市が多大な資金を投じて施設整備をせねばならないこと、集客は立地条件上ほぼ困難であるとして、反対を唯一訴えていたのです。
 このため、結局公園の再整備を市長が選択し、またもや大金を支出することになりました。これは大いに愚策です。
 具体的には、呉ポートピアに隣接する都市公園たる「天応公園」をアーバンスポーツを格とした「スポーツのゾーン」とします。アーバンスポーツというのは若者に人気の都市型新スポーツのことです。昨年度、1,000万円を予算計上しており、私は、高齢化で、人口減の著しい呉市が整備するべきではないとして、反対しておりました。

 今回の基本構想においては、バスケットボールコート、オリンピックで自転車競技にもなったBMX、スケートボード、多目的広場が検討対象となっています。
 それから、既存の芝生広場や「じゃぶじゃぶ池」等を活用した「遊びのゾーン」。じゃぶじゃぶ池は35億円かけて二河プールを建て替えたアクアパーク内に新設したので、施設が重複しています。加えて、既存の野外ステージを活用した「イベントのゾーン」です。住宅展示場はまたもや芝生広場を整備しての「憩いのゾーン」を位置付けます。つまり芝生広場が同一施設内に重複することとなります。
 また、管理棟のある付近は「エントランス」と位置付け、異動販売(キッチンカー)の導入も視野に入れています。異動販売の導入は、近年蔵本公園に導入実験をしましたが、経営難となった民間業者が撤退したことで、構想倒れになることは火を見るより明らかです。

 既存の施設は原則修繕の上存続させますが、岸壁近くにある小規模建物は、除却するとしています。
 これらの施設修繕や、新たな整備は、段階を踏み実施します。施設の除却が不要な天応公園から進めて行くようですが、おそらく10年程度はかかるでしょうし、その間の財政支出がばかになりません。
 そこで私は、昨年3月9日の呉市議会産業建設委員会でも、対案を提唱しておりました。即ち、この土地を準工業地域として用途転換を図り、住宅地として民間に区画販売して、ニュータウン建設をすることです。これなら、隣接するコンビニも潤いますし、呉市が呉ポートピアランド誘致に合わせて呉ポートピア駅を建設し、JR西日本に寄付したことも大いに役立つことになります。土地を売却するため、呉市の歳入にもなるのです。これこそ有効活用と言えましょう。

 但し、岸壁近くの土地は地盤沈下していますので、ここは修復工事を行いつつ、除却後のスペースは、タウン用の街区公園を整備すればいいと考えます。
 ところで、隣接の土地開発公社の所有地は、広島呉道路「クレアライン」建設の際、インターチェンジ用地として都市計画決定しています。これが将来計画から外れた時には、新たな住宅団地として売却すればいいと考えます。
 このような手法を採用すれば、商業施設も誘致でき、天応地区全体の活性化に貢献できるのです。市長においては、是非発想の転換をして欲しいものです。

第360回街頭演説 呉ポートピアパークは再整備せず用途転換を! 2024.3.25

谷本誠一 第360回街頭演説 呉ポートピアパークは再整備せず用途転換を! 2024.3.25
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