街頭演説集

第66回 グリーンピアせとうちの今後

グリーンピアせとうちを民間売却し、観光拠点の継続を!

Facebook 2016.11.16

 昨日は66回目の街頭演説。テーマは、グリーンピアせとうちの今後についてです。
 大型保養施設「グリーンピア」は、国策として昭和55年から全国に13基地が建設されました。これは、国民が納付した厚生年金と国民年金保険料を原資として、当時の大蔵省資金運用部から財政投融資を受け、当時の年金福祉事業団が、国民の健康増進と資金運用による将来の安定した年金財政を確保する目的で進めたものです。
 ところが各地で経営難が目立って来たため、時の小泉政権が、平成17年度末までに全て精算する計画を決定したのです。
 そのあおりでグリーンピア安浦は、安浦町が呉市に編入合併する機会を捉え、年金福祉事業団を引き継いだ年金資金運用基金から平成17年6月、呉市が購入するはめになりました。その価格は、簿価を大きく割った4億250万円で、内土地代2億2,400万円を広島県が全額補助してくれたことで、呉市の持ち出しは1億7,850万円に止まりました。
 呉市は、当時北海道や東北で国民宿舎等の再建に成功していた(株)アルファー・ビラを応募6者の中から選定し、子会社(株)ゆうとぴあセトウチと、平成17年10月から22年9月までの5ヶ年の指定管理契約を締結致しました。
 その時の内容は、固定費として指定管理者負担金を年3,200万円、それに加え流動費として、黒字の10%を呉市に納入するというものでした。因みにこの流動費は私が提案したものです。
 契約期間が過ぎた平成22年10月からは(株)ゆうとぴあセトウチ1社しか応募がなかったことにより、同社と平成27年度末までの5年半契約を締結致しました。その間平成22年度から3年連続の赤字を計上。そこで人件費、委託費、広告費等を削減することで、何とか26年度は僅かの黒字を確保したのです。
 しかし、支出を削減するということは、サービスの減退に直結し、負のスパイラルに陥り集客減に拍車をかけました。このままでは経営の継続が困難ということで、第3期指定管理は平成28年度から29年度までの暫定とし、(株)ゆうとぴあセトウチと、指定管理の随意契約を締結したのです。その際、経営に大きな足枷となっていた3,200万円の指定管理者負担金を免除することにしたのです。
 このままでは、この2年間の収支状況を踏まえて、市内の他の観光施設である野呂高原ロッジ、桂浜温泉館、県民の浜の指定管理同様、足らず分を呉市が指定管理料として支払う形になるのは目に見えています。しかも大規模改修の必要性も今後出て来ますので、呉市としては大きな財政負担を強いられます。
 そこで、この度グリーンピア三木について調査致しました。ここは、平成17年12月に、年金資金運用基金から兵庫県が購入。その後㈱エムアンドエムサービスと10年間の賃貸契約を締結致しました。ここも経営難に陥り、同社が撤退を表明。そこで兵庫県が売却のための公募を行った結果、地元三木市でゴルフ場を経営している㈱延田エンタープライズに対し平成27年12月、9億1,800万円で売却したのです。
 同社は子会社である㈱NESTA RESORT KOBEを設立し、メインの宿泊施設を大規模改修した上で、今年7月、装い新たに「ネスタリゾート神戸」として再出発致しました。その際、日帰り客の宿泊施設内温泉の利用を禁じ、宿泊費も大幅アップしました。商圏を大阪、京都、滋賀、奈良、和歌山、岡山、徳島まで広げ、旅行会社と手を組み、目玉商品を提供することにしたのです。
 先ず夏場の集客増を目指し、プールに2トンの水瓶を擁した遊具を設置したことで、大幅な利用者増を実現しました。駐車場も、これまでの千台から1,500台分を増設しました。冬場は、11月10日からイルミネーションをスタート。昼間も集客するために、既存のサイクリングコースにあった500mのトンネル内に全て電飾したのです。
 この日より、大阪駅から直通シャトルバスを走らせました。またオープン時からは三ノ宮駅から1日3往復ではやり直通シャトルバスを走らせています。勿論エムアンドエム時代にはなかったことです。シーズン以外はさすがにバス車内に空席が目立つため、その赤字補填を㈱NESTA RESORT KOBE が委託先のバス会社に支払います。
 しかも現在、大型集客のバーベキュー広場とコテージ、合わせて立体駐車場を含めた追加の駐車場を建設中で、これらで通年ベースでの集客を目指しているのです。広大な園内には、ミニシャトルバスを無料で走らせ、周遊も可能にしました。また、グループや他社が経営する三木市内のゴルフ場利用客をターゲットに、リゾート神戸に宿泊してゴルフを楽しめるように、朝食時間を30分早め6時半からとしました。
 近い将来は、敷地内に新たに10数室の高級ホテルや日帰り客用温浴施設の建設、大規模花壇の造園も計画しています。その後広大な敷地を活用し、特別養護老人ホームかサービス付き高齢者向け住宅を敷地内に建設する構想もあります。
 将来はパートも含め、500人の雇用を創出することとし、地元三木市からできるだけ採用して、若者のUターンを促し、若者の大都市への流出の歯止めとしたい考えです。そうなれば全国から集客し、三木市活性化の起爆剤にしたいとのことでした。
 この度の現地視察で判ったことは、呉市の様な指定管理者、これまでの兵庫県の様な賃貸契約では、請け負った会社は設備投資ができないため、抜本的な経営改革ができないということでした。ネスタリゾート神戸の様に、土地、建物、構築物を自社所有にしてこそ、会社の理念に沿った奇抜なアイデアの下に、大胆な手段に打って出ることが初めて可能になるのです。
 安浦町は観光施設が殆どないため、グリーンピアせとうちの有効活用と活性化は極めて重要と考えています。今後私は、呉市が本施設の民間売却方針を早急に固めるよう提唱して参る所存です。
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