2022.6.17
「ノーマスクにすれば、クラスに陽性者が出た時濃厚接触者に扱われてしまい、クラスター要因に発展しかねず、学校にも児童生徒やその保護者にも迷惑をかけてしまう。だから認めない」
「児童生徒がノーマスクにすることでクラスターにでもなったら、責任取れますか?」
国立感染症研究所のホームページには、2020年5月29日に改訂された濃厚接触者の定義として、下記内容が掲載されています。
- 必要な感染症対策を採らずに
- 陽性者が発症する、無症状陽性者の場合は判定される2日前に遡って
- 陽性者と1m以内の距離で15分以上接触
この①に関し、殆どの校長は「ノーマスク」が該当すると錯覚しており、教育委員会によっては、学校が教委を通じて保健所に提出する「濃厚接触者リスト」に、わざわざ「マスク着用の有無」のチェック項目まで入れているところがあるのです。因みに呉市教委では、その項目は幸いにもありませんでした。
そこで、6月16日の呉市議会一般質問において私は、下記の質疑を行いました。
谷本誠一呉市議会一般質問 学校等での濃厚接触者判定
谷本誠一
学校や保育所、介護施設等では、陽性者が出た際、現場職員が濃厚接触者を事実上判定し、保健所が追認しているのが実情です。但し、オミクロン株流行の現段階では、学校における濃厚接触者リストへの記入は見送られています。
ところが濃厚接触者の定義に、「必要な感染症対策を採らずに」と書かれてあるのを、教員や校長が安易に「ノーマスク」と捉えている節が窺えます。ところが、必要な感染症対策にマスク着用が含まれるとは書かれていないのです。定義を発表している国立感染症研究所や複数の保健所に確認したところ、それを認め、総合的に判断するとお茶を濁しました。
つまり、マスクをしていないこと即濃厚接触者になるとの言及そもものが間違っており、これが学校現場でノーマスクを事実上認めない要因になっているのです。校長会議で、きちっと説明すべきと考えますが、如何ですか?
呉市福祉保健部参事答弁
国の「学校衛生管理マニュアル」には,マスク着用の有無のみで濃厚接触者になるとは示されておりません。また、呉市教育委員会としても、そのような捉えはしておりません。
濃厚接触者は、学校からの情報提供及び呉市保健所による本人等への聞き取りにより、呉市保健所が特定することとなっており、このことについては、校長会等で繰り返し周知しているところでございます。
ということで、ノーマスクが濃厚接触者になるという妄想を打ち砕くことに成功。後は教育委員会が現場の校長に、このことを徹底して説明するか否かにかかっています。