恵みの丘蒲刈の指定管理料設定に疑問を投げかける!
Facebook 2020.3.6
この施設は、合併前の蒲刈町が設置した農業交流拠点施設で、県民の浜近くの小高い丘の上にあります。眺望は絶景です。農産物加工、特産物販売、レストラン、イチゴハウス栽培による体験もでき、恵みの丘蒲刈設置条例で、使用料規程も定められています。イチゴ狩り体験を行って、昼食休憩は県民の浜で・・・との観光コースにも最適です。
その使用料ですが、昨年12月定例会で公共施設使用料の一斉改定が行われた際、農産物加工施設使用料が午前、午後共に1,200円から1,440円に改定されました。1.2倍の値上げです。加えて地域食材供給施設、いわゆる「恵みの丘レストラン」のことですが、この使用料は月額75,000円から112,500円、つまり1.5倍の値上げとなりました。
これらは原価算定方式といって、築造にかかるコストと稼働率等を根拠に計算し直し、できるだけ、それに見合った使用料にする考え方で、公共施設全般の使用料や手数料に当てはめ、平成19年度、25年度、そしてこの度の令和2年度と、見直しは3回目となりました。
一方、多くの公共施設の指定管理議案も提出されました。これは5年に一度公共施設を民間委託する相手を指定するもので、その中に恵みの丘蒲刈も入りました。具体的にはこれまで同様、竹原市に本部を置く広島県果実農業協同組合連合会、いわゆる広果連が指定される議案が提出されたのです。これは公募でありましたが、同施設を過去継続して指定管理して来た同団体1者しか応募がなく、候補者に選定されたものです。
その指定管理料ですが、平成30年度決算では約1,900万円に対し、令和2年度から6年度までの5ヶ年の平均額は年間約2.200万円の予算となっていました。因みに指定管理料というのは、管理運営するに当たって発生する赤字予想分を呉市が補填するものです。
通常は、使用料が値上げになっても、指定管理者の利用料金収入は稼働率が下がれば上がるとは限りません。よって、指定管理料を積算するに当たって使用料値上げ分を組み込むことは困難です。ところが地域食材提供施設は、レストラン経営者、即ち(有)蒲刈食品工業が通年契約を締結しており、これまで条例により年間90万円を指定管理者に収受されて来ました。それが、この度の使用料値上げにより、蒲刈食品は年間135万円を支払うようになります。つまり通年で貸し出す場合は固定費となりますので、指定管理料を逆算する際の収入が確実ににアップすることになる訳です。
そこで、提案資料の今後5年間の予算案を見ますと、地域食材提供施設使用料が値上げ前の90万円のままとなっているのです。そうなりますと、指定管理料の積算根拠そのものが崩れてしまいかねません。私は議案付託された産業建設委員会で、地域食材提供施設使用料の予算と実際との差額45万円を、提案された指定管理料2,200万円から控除した上で協定を締結するのか質しました。その時の答弁は「それはできない」ということでしたので、この議案は当然受け入れられず、本会議で反対を表明した訳です。これでは折角値上げした分が指定管理料という市民の税金から支払われることになり、値上げそのものの根幹が揺らいでしまうからにほかなりません。
ところが、この度この点を再度当局に確認すると、4月1日からの協定締結に向け、私の意向を酌み、予算段階での指定管理料から差額分45万円を控除することで、広果連と同意を得たとの説明がありました。やはり議会で私がこの矛盾を指摘したことが、このような顛末を迎える好結果となり、よかったと思います。