街頭演説集

第3回 呉市立中学校でのデリバリー給食実施

呉市デリバリー給食は当事者民意を反映していなかった!

Facebook 2015.8.8

 去る8月3日(月)は、呉駅頭での第3回定期街頭演説を通常より30分繰り上げ、7時半から行いました。本来なら8月10日(月)が定期の該当日なのですが、当日は公務出張不在のため、一週間前倒ししたものです。
 さて今回のテーマは、来る2学期からスタートする、旧市内の呉市立中学校16校でのデリバリー給食実施についてです。これは私一人が呉市議会で導入に反対し、小中共同調理場方式を代案として提唱していたものです。
 その理由は、小学校自校調理場も早晩建て替え時期が来るため、その時のことも考えて、小中共同調理場をこの機会に建設しておけば、近い将来複数のハコモノ建設が不要となり、調理員の集約化も図れるので、トータルで有利であるからです。
 共同調理場を建設した場合のイニシャルコストは23億3千万円。これに国庫補助金と、今なら有利な合併特例債を活用でき、そうなりますと、呉市の実質負担額は9億4千万円に縮小されます。このことは、教育委員会議や議会報告をする呉市議会常任委員会でも、情報が伏せられており、私が、昨年の予算総体質問で明らかに致しました。
 これに対しデリバリーの場合、運搬車購入や受け入れ施設構築等に係るイニシャルコストは1億8千万円かかり、これには国庫補助金は充当できないため、共同調理場との差は7億6千万円に縮小されます。
一方、共同調理場のランニングコストは年間3億6千万円ですが、デリバリーの場合は5億1千万円かかりますから、その差1億5千万円です。これが毎年ボディブローのようにのしかかって来ます。
 ということは、イニシャルコストの差額7億6千万円を、ランニングコストの逆差額1億5千万円で除すと、約5年間でペイできるという計算になる訳です。その後は共同調理場が有利なばかりか、新たな小学校自校調理場の建て替えが不要ですから、遙かに財政の負担軽減が図れることになります。
 もう一つ重大なことは、デリバリー給食は弁当持参との選択制のため、弁当の場合は、生徒の嫌いなおかずは入れない傾向がありますので、デリバリーを選択する生徒との乖離が如実に顕れ、栄養が偏り、とても食育にならないということです。
 それを教育委員会は、共同調理場とデリバリー方式では食育に差はないと強弁したのです。これは明らかに詭弁でしかありません。学校給食は学校教育法で特別活動に位置付けられており、食育の重要な実践の場です。それが生徒同士の食事内容が異なる訳で、食育になる道理がありません。
 実際、2学期へ向けて対象生徒に申し込んでもらったところ、デリバリー給食喫食率は僅か43%に止まりました。他の自治体の例を見る限り、大体6割程度の喫食率でしたから、これは極端に低い数字と言えます。
 これでは委託業者において、人員確保や調理場設備投資に対して極めて不効率となり、収益率もそれだけ落ちてしまいます。
 しかも、教員のデリバリー喫食率が生徒より低い僅か39%に止まりました。これでは教える側が手本を見せることは、全くできません。丁度この内容が、本日付けの中国新聞に掲載されました。
 尤も、中学校給食を導入するに当たり、事前の生徒や保護者へのアンケートでは、給食の実施を望む声は確かに多かったのですが、その中で、デリバリーでもよいとの声は僅かしかなく、大半が共同調理場方式を望んでいたのです。教育委員会はそれを無視した格好です。議会もそれを追認したことになります。
 教育委員会としては、これでは格好がつかず、申し込みを締め切った後も再度申し込みを促すことに致しました。
 ただ、申し込みが過半数を割ったということは、当事者である生徒やその保護者の意向が反映されたデリバリー給食ではなかったということになります。即ち望まれてないままに、強引に進めたことになると考えます。
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