街頭演説集

第4回 呉市立小中学校全普通教室へのクーラー設置計画

呉市立小中学校全普通教室へのクーラー設置計画は疑問!

Facebook 2015.8.24

 本日は第4回目の街頭演説。趣を若干変え、呉駅前広場に隣接する国道の歩道上で、しかも応援団が駆け付けての実施となりました。
 さて、この日のテーマは、呉市立小中学校全普通教室へのクーラー設置計画です。
 呉市では、特別教室である図書室、理科室、音楽室、視聴覚室等へは既に空調設備を設置済みです。勿論職員室や校長室にもあります。ただ普通教室には、合併した豊小学校を除いて未設置です。
 全国的に見ても、公立小中学校普通教室への空調設備設置率は32%にしか過ぎません。東京都23区は殆ど設置済みのようですが、交付税不交付団体と一緒にはできません。
 呉市は財政集中改革を終えた平成25年度以降も、財政支出を抑制する努力をしなければ毎年10億円ずつ財源不足が続きます。
 市長は「我慢できるものは我慢する。その上で、どうしても必要なもののみに投資する。」と豪語しながら、言っていることと行動が一致していません。何故なら、これまでの方針を急遽方向転換して、クーラー設置計画を合併建設計画に組み入れる議案を昨年12月定例会に提出したからです。議会でこれに意を唱えたのは、またもや私一人でした。
 私がクーラー設置に反対する第一の理由は、財政上の問題です。初年度は有利な起債である合併特例債を活用できるとしても、約15年毎に必ず取り替え時期が到来します。全680教室に公平に一斉設置することになりますので、その度毎に15億円の投資が必要となります。
 更に電気代が、新たに毎年8千万円もかかるのです。現在夏場をしのぐため、各校では授業時間は窓を開けて、扇風機2台で対応しています。山肌に近い所には網戸を設置して、ヤブ蚊から児童・生徒を守っています。これで我慢すれば年間200分の1の40万円で済むこととなります。
 第二は、教員には夏休みはありませんが、児童・生徒には最も暑い時期には夏休みが40日間も与えられているということです。何のために夏季休暇があるのか、原点に立ち返るべきなのです。最近は習熟度に遅れている児童・生徒を対象に、夏季休暇を利用して教員が特別授業を実施する場合もありますが、これは本来の正規授業とは異なること、自主参加であることを忘れてはなりません。
 第三は、実はここが最も大切なのですが、機械的に冷却した涼しさは児童・生徒にとって健康上よくないということです。体育の時間に教室からいきなり運動場に出ると、急激な体温変化により、自律神経に悪影響を及ぼす可能性を捨て切れません。扇風機で自然の風を送り自然と共生するべきなのです。
 一方所沢市では、最近この問題で市長が普通教室にクーラーは必要ないとの方針を打ち出したため、保護者等が中心となって住民投票に持ち込みました。勿論クーラー設置への賛成が反対の2倍になりはしましたが、投票率は5割を切ってしまったのです。これでは保護者等は大きな関心は当然ありますが、一般住民には縁遠かったということになります。 しかも同市には航空自衛隊基地があり、自衛隊機の騒音があって、授業中は窓を閉めざるを得ない事情があります。それでもこのような結果だったということは、基地はあっても騒音問題に縁遠い呉市ではなおさら疑問が残る訳です。
 呉市の教育には、「子どもは風の子、太陽の子」「自然と共生する」「元気な身体をつくる」とか、更には「辛抱する」「ハングリー精神」「根性を鍛える」といった理念はないのでしょうか?
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