街頭演説集

第23回 呉市立中学校デリバリー給食の喫食率

中学校デリバリー給食の喫食率低迷における問題点を指摘!

Facebook 2016.1.5

 昨日は新年における初の街頭演説。先週の演説は凍り付くような冷たさだったので、白手袋を初めてはめました。しかし暖かい早朝を迎えたところです。
 さて、新春トップを飾る演説テーマは、中学校デリバリー給食の喫食率についてです。 呉市は旧市内を中心とした19中学校において、昨年2学期より初めて給食を導入。その内、警固屋、宮原中学校は音戸共同調理場を活用、下蒲刈中学校は蒲刈共同調理場を活用しました。よって、残る16校が民間業者による配達給食、いわゆるデリバリー給食となりました。
 全部で約5千食を対象とするため、旧市内を昭和・天応地区、中央地区、東地区と3地区に分けて6者指名競争入札を実施した結果、全て広島市内業者が落札しました。具体的には、昭和・天応地区はハーベスト、中央地区はランチセンター、東地区はサンシャインランチです。
 因みに、呉市内業者は1者しか参入意思を示さなかったばかりか、入札で負けてしまいました。
 実は入札は年間委託料ではなく、給食1食毎の単価入札だったのです。これは毎月、生徒からデリバリー喫食の予約を受け付けるため、その注文数量が流動的なことによります。それは、デリバリーと自宅弁当持参との選択制にしたからです。
 また、何故市内業者が参入意欲を示さなかったかと申しますと、仕様書に弁当製造ラインを他の既存ラインとは別個に創設すること、契約期間が2年半なので、運搬車を新たに購入したり運転手確保に難があったため、小規模業者では設備投資のリスクに対応できないと踏んだものと、容易に推察されます。
 そこで呉市は、デリバリー給食における喫食率を70%と仮定した上で、予定単価を290円に設定しました。これは食材費は含まれてなく、あくまでも調理と運搬に係る経費や人件費です。
 その結果、ハーベストは1食206円、ランチセンターは246円、サンシャインランチは216円となりました。これらの業者は既に広島市立学校給食におけるデリバリーで実績があるため、同市と同程度の喫食率50%程度で、単価を積算したものと推察されます。
 と申しますのは、発注者と同様喫食率70%で積算しますと、実際にそれより喫食率が低かった場合、忽ち経営が圧迫されるからに他なりません。喫食率が高いということは、給食弁当の注文数が多いとイコールであって、それに係る調理や運搬に係るコストは、喫食率の高低に関わりなく必要となるからです。
 ところが、昨年8月時点で9月分の予約申し込みを終了した段階での喫食率は、予想より低い43.3%だったのです。これは生徒と教員を含めた総合的数値で、因みに教員のみでは更に低い39.7%に止まってしまったのです。
 これでは、受託業者にしわ寄せが来てしまいかねません。業者としては、人件費や調理経費を抑制するか、それでも賄いきれない場合は、呉市教育委員会と協議して単価を上げる再契約をせざるを得ない状況に追い込まれる可能性が出て参ります。そうなってしまっては、そもそもデリバリー給食導入が適切だったのかという疑問が生じるため、市教委としては何としても避けたい訳けです。
 そこで市教委が教員を説得し、月毎の喫食率アップに努めた結果、昨年12月は教員に限り42.9%まで向上しました。ところが生徒を含めた全体では、45.3%に止まっており、昨年9月からはほぼ横ばい状態です。
 しかも、調理場での食缶方式とは違い、弁当箱方式ですから、カレーのルーが汁物容器に入り切らない理由で、何とレトルトカレーとなってしまいました。つまり小学校の食缶方式によるカレーライスを味わって来た児童が、中学に上がったとたんレトルトカレーになり、おいしさが半減するばかりか、ミネラルが不足する状況に陥ってしまったのです。レトルトカレーは栄養分、特にミネラルが乏しいと言われています。
 それだけでなく、他のメニューにおける野菜もまずいという声が生徒間で漏れ出しており、これが伝播すると、喫食率が低下する恐れが出て参ります。これこそ市教委が最も恐れる事態に他なりません。
 そこで市教委は、来年度中学校に入学する小学6年生の保護者との懇談会で、担任教諭を通じて、中学ではデリバリーしか選択肢がないような説明を要請。現役の中学1・2年生に対しては、1月と2月にかけての進路指導面談時にわざわざ市教委が乗り込み、デリバリー給食の選択を説いて回る異常事態に追い込まれました。小学校の様に担任に任せておけないのは、教員自体が自宅弁当持参が多いため、説得する立場に立脚できない弱みがあるからです。
 この様な恣意的工作による喫食率向上は、決して望ましい姿ではありません。では、何故最初から自宅弁当持参の選択肢をなくさなかったのでしょうか?そうすれば、給食費を支払ってまでデリバリー給食を受けさせたくない保護者の反発を招くからだと推察しております。
 実際、デリバリーにおける、保護者が学校給食協会に納入する給食費は、1食当たり300円で、旧市内の小学校のそれと比べて50円高く設定されています。因みに給食費は、食材購入費に全額充てられます。この様な事情から、反対の声を封殺する意図があったのではないでしょうか?
 私は当初から、デリバリー給食では、同じ教室で自宅弁当と多様となるため、給食時間での食育指導が十分出来ないし、自宅弁当は親が子どもの嫌いなおかずを入れないので、栄養バランスも崩れるとして反対して参りました。
 当初市教委は、「デリバリーであっても自校調理であっても共同調理であっても、調理することには変わりない」と、議会答弁した経緯があります。ところが弁当箱方式を入札時の仕様書に入れた訳ですから、そのことが実際レトルトカレーに象徴される様な大きな相違点が出ており、答弁と矛盾することが暴露された格好です。
 私は、今からでも共同調理場方式に方針転換をすることを訴えて参る所存です。
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