街頭演説集

第31回 戦艦「大和」潜水再調査

戦艦「大和」潜水再調査は、艦体引き揚げを前提としたものではない!!

Facebook 2016.3.1

 昨日はうるう年の2月29日。小雨がちらつく中、途中傘をかざして頂いての街頭演説となりました。テーマは、戦艦「大和」潜水再調査です。
 去る2月22日招集された呉市議会3月定例会に提出された、平成27年度補正予算案の内、戦艦「大和」潜水調査費が話題となっています。これは、総合基本調査事業費1億円の内の8千万円で、先に成立した国の今年度補正予算の地方創生加速化交付金で事業費の8割が交付されます。つまり、呉市にとって棚からぼた餅の財源を行使できる訳です。
 「大和」の潜水調査と言えば、平成9年にテレビ朝日が海底撮影に成功し、その時遺留品を引き揚げ、それらは海底に分断されて沈んだままの大和の模型と共に、大和ミュージアムで展示されています。
 それを再度行うのは、当時はアナログ画像であって、この度は最新式のデジタル機器を搭載した無人偵察機を海底に沈め、遠隔操作により撮影するということです。そのデータを詳細に分析した上で、大和ミュージアムの新たな展示資料として活用し、且つ研究を深めようとするものです。その結果、同館へのリピーターを含めた観光客誘致を継続させ、ひいては地域の経済発展に寄与することになります。
 問題は、以前呉商工会議所の当時会頭が表明した、戦艦「大和」引き揚げに繋がるのではないかという、懸念がくすぶっていることです。近年は地元広島県の国会議員が議員連盟を結成して、引き揚げを実現しようとする動きがあります。但し、商工会議所が引き揚げげを表明した当時、大和のご遺族らが、引き上げに反対した経緯があります。
 また、もし財界が寄附を募り引き揚げたとしても、その保管に係る維持管理費用や展示費用において、呉市として大きな財政負担になります。平成23年度に広島大学工学部から譲渡された大和の大型試験機でさえ、展示方法が確定しておらず、現在アレイからすこじま駐車場に保管されたままとなっているからです。因みにこれは移送費に3千万円かけました。
 さて呉市の答弁では、「(現段階では)大和の引き揚げは考えていない。」ということで、ホッとしたところです。ただそれは、今後の展開を予想できていない証拠であって、もし将来引き揚げという話が行政として持ち上がった場合は、私としては承伏致しかねません。実際、答弁でもその当たり曖昧にされ、引き揚げは絶対にないとは言い切っておられません。
 一方、総合基本調査事業の中には、ほかに大和ミュージアム魅力向上構想、宝町~幸町エリア整備構想の策定費が挙げられており、これらが残り2千万円の内どの程度かかるのか、明らかにされておりません。
 昨日の答弁では、宝町~幸町エリアとは、大和ミュージアムから入船山記念館至る地域のことで、観光客が大和ミュージアムに止まっているのを、入船山記念館、海上自衛隊総監部、歴史の見える丘、大和のふるさと(旧IHI、ジャパン マリンユナイテッド)アレイからすこじまという歴史的観光資源を物語で転結する構想だということです。但しこれは民間コンサル会社に委託するのではなく、有識者や若者代表の意見を聴取した上で、あくまで庁内で検討するということでした。
 移動手段としては、既に呉探訪ループバスがそれらを巡っており、観光ボランティアも同乗して下さっています。また、これらを徒歩で巡るヒストリーコースも設定されており、大和ミュージアムにはレンタサイクルまで整備されており、これ以上妙策があるのか疑問を感じております。
 これらのことは、大和ミュージアム魅力向上策のコンセプトを含め、来る予算特別委員会で質疑を行って参る所存です。
 ところで私は、大和ミュージアムを訪れる年間約90万人の観光客等に対し、おもてなしの心で迎えなければならないと思っています。
 そのため、大和ミュージアム開館以降、私の提案で、中央桟橋ターミナルと大和ミュージアムを連結する歩道を布設し、両施設間のバリケードを撤去させました。また、大和ミュージアムの正面、呉港へ訪れる観光客から見える裏面、自家用車で広島方面から31号線でお越しになる観光客のために、横面と、計3方向に「大和ミュージアム」の表示銘板を付けさせました。
 課題としては、民間ビル内に設置している大和ミュージアム駐車場のバス駐車場へのアクセスが、隣接する県道の歩車道分離帯で、大型バスの出入りが困難になっている点も、6年前から指摘しています。これは原因者負担の原則で、県は工事費を出しませんので、呉市、大和ミュージアム指定管理者、民間駐車場所有者の3者が案分して費用負担するべきと、訴え続けています。
 いずれに致しましても、呉市発展のキーワードは何と言っても、「旧軍港市」です。そこで大和ミュージアムを格とした観光客誘致を通じてのまちおこしは、呉市創生において重要な鍵を握っていると、確信している次第です。
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