「学校給食に牛乳は付きもの」常識に政治の影が!
Facebook 2016.8.19
さて、この日のテーマは学校給食における牛乳提供問題です。
去る6月14日、呉市立学校給食と同じメーカー・広島協同乳業㈱の牛乳から庄原市で異物混入が発見されました。このことを受けて、呉市では一時同牛乳の供給を停止し、数日後、一時的に山陽乳業㈱の牛乳に変更しました。端を発したのは、6月9日に庄原市立学校給食に提供されていた日本酪農協同㈱の牛乳から異物混入が発見され、応援協定により代替提供した広島協同乳業㈱の牛乳からも同様の異物が発見されたのでした。
そもそも呉市の場合、旧市内における小学校自校調理場には、呉市学校給食協会が一括して牛乳購入しており、合併町の共同調理場や親子調理場においても、同じメーカーから牛乳を購入しています。しかも中学校デリバリー給食においても、同じメーカーの牛乳を購入していることが判明致しました。特にデリバリー給食の発注者は民間会社にも関わらずにです。更に、呉市と江田島市は同じメーカーの牛乳となっています。
これは広島県が県内を14区域に分け、県域毎に県内登録6社によって入札しているためです。発注者が入札を行わずに、県が入札を行っている、極めて異例な状況です。しかも、この6社が各々2~3区域を毎年落札しており、丁度均等に配給されており、極めて不可解です。
因みに、毎年度入札を実施していながら、呉・江田島区域では、ここ数年山陽乳業㈱が落札しており、今年度広島協同乳業㈱が落札した経緯があります。
実は、県が入札を行うというのは、国の指示なのです。昭和39年に当時の文部事務次官と農林水産事務次官が共同で学校給食用牛乳供給対策要綱として通知を出しており、その中に「都道府県知事が学校給食用牛乳の供給価格と供給事業者を決定する」と明記されているのです。
この通知は、「酪農振興法に基づく」とありますが、同法には、都道府県が価格と事業者を決定することは明記されていませんので、法的根拠は全くありません。先日私が、農水省畜産振興課にこの問題を追求したところ、それを認めました。要は、酪農業や乳業界に便宜を図る政治的なシステムが構築されていることになります。
一方、小児医療、血液学、栄養学の権威であるアメリカのフランク・オスキー博士は、自著『なぜ「牛乳」は体に悪いのか』の中で、牛乳の健康被害について指摘しておられます。
牛乳に含まれる三大栄養素の一つ糖質(炭水化物)である乳糖は、ブドウ糖とガラクトースという二つの単糖類で構成されていますが、離乳期に入った以降の人間の小腸にある分解酵素であるラクターゼが活性化していないため、吸収されずに、大腸内細菌と結合したり、水分を引き寄せたりするため、下痢、胃けいれん、腹部放漫、げっぷ、放屁症状などの消化器症状に悩まされ易いというのです。つまり、人間の殆どはラクターゼが欠損しており、乳糖不耐なので、牛乳を摂取するべきではありません。哺乳動物で離乳期を過ぎて乳を飲む動物は、ペットを除き存在しないのです。
次に牛乳やスキムミルクは、母乳と違って抗体が余り含まれておらず、感染予防効果が見込まれないため、乳児を育てるのに適していないと言います。乳児を育てるのは、何と言っても母乳が最適なのは、自然の摂理でありましょう。
また、牛乳はカルシウムを抱負に含んでおり、強い骨と健康な歯を形成するために適していると言われていますが、牛乳にはリンが多く含まれており、腸管内でカルシウムと結合し、カルシウムの吸収を阻害していることが解って来ました。牛乳は1㍑につき1,200mg含まれているのに対して、母乳は300mgですが、カルシウムの吸収度は母乳が優っているということです。
加えて、牛乳に含まれる他の三大栄養素の一つであるたんぱく質はアレルギー体質を作り易い傾向があります。そう言えば私は小学校時代、毎日じんましんに悩まされていました。ところが、中学入学以降は発疹しなくなったのです。当時は大人の体質に近づくことでアレルギー反応が起こらなくなったと思っておりました。今思えば、中学校に入ったら給食がなかったので、牛乳を飲まなくなったことが原因であったと推察されます。
更に牛乳に含まれるもう一つの三大栄養素である脂質は、心筋梗塞、脳卒中、癌のリスクを高めることも、近年の研究で解って来ました。
結論として、牛乳は子牛の飲み物であり、本来人間が摂取するべきものではないということでした。
事実アメリカの公正取引委員会である連邦取引委員会は、「牛乳はみんなに必要です」等の乳業界による広告宣伝に対し、「欺瞞に満ちた、誤解を招く不正な広告」と非難したのです。
ところが、我が国の公正取引委員会は、独立機関であるにも関わらず、このような裁断を下しておりません。
これは、酪農振興法が、学校給食において牛乳提供を是とすることを、条文に謳っているからに他なりません。正にここが元凶であったのです。即ち業界と政界が一致して、牛乳は身体によいとして、学校給食に対し提供を推奨している訳です。
しかも、牛乳の問題点を指摘することはマスメディアは一切行いません。それはメディアのスポンサーに酪農業界や乳業界が就いているからです。NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」においても、「あなたの暮らし」という雑誌に当初広告を載せたため、スポンサーの言うことを聞かざるを得なくなったということですが、そういうことなのです。
政治家は、業界からの集票や政治献金が逃げてしまうため、沈黙を守り続けていると言われても仕方ないでしょう。
つまり私達は、「牛乳は必要な栄養食品」と思い込まされて来たということになります。世の中の殆どが一部の営利に貢献する情報で溢れており、私達は洗脳されていると言っても過言ではありません。
私は、以前呉市議会一般質問で、学校給食における牛乳提供の問題点を指摘したことがありますが、市長や執行部は聞く耳を持ちませんでした。地方行政は国政のイエスマンでしかないからです。
ところで新潟県三条市は、ご飯と牛乳は合わないとの理由で、2年前から学校給食用牛乳を廃止致しました。私はこれらの先進事例を今後も研究し、市政に訴えて参る所存です。