街頭演説集

第72回 保育所入所基準の公開

保育所入所基準の公表と入所決定の透明化を!

Facebook 2016.12.31

 去る12月28日は、今年最後、且つ仕事納めの日。凍てつく寒さの中で、72回目の街頭演説となりました。テーマは保育所入所基準についてです。
 呉市では、保育所や認定こども園におけるの新年度新規入所の申し込み期間を、1次募集が11月初旬から中旬、2次募集が年明け1月中旬から下旬と2回設定しており、これらを一括して、翌年2月22日に保護者宛に呉市から入所決定通知がなされます。
 その間、子どもを預けようとする保護者にとっては、新年度からの勤務先が決まっていても、希望の保育所に入れない、働くことも断念することになりかねない、との不安の声も聞かれます。
 奇しくも本年度は、当時民主党政調会長だった山尾志桜里衆院議員が、「保育園落ちた。日本死ね」との国民による生々しいブログを紹介したことで、保育所入所問題や待機児童問題がこれまで以上にクローズアップされました。
 ただ「保育園落ちた」というのは、あくまで大都会での話であって、呉市においては、待機児童は皆無となっています。ところが、昨年度までは入所申請時には、第3希望の保育所まで任意記入となっていましたが、その範囲内では、特に中央、昭和、広地区において定員を超過することが多く、第3希望まででは入所が決まらないケースがかなり出て参りました。そこで今年度からは、第6希望まで記入するようになったのです。
 現在、呉市が申請者の事情により優先順位を決めて、各保育所と調整を行っている段階ですが、もし第4希望以降の入所しか難しいとなった場合、保護者がパートで、近くに実家があったりする場合、逆に断るケースも出て来ます。これは保護者の事情と意志で入所を拒否したことで、待機児童扱いにはカウントされず、その結果、待機児童ゼロを継続して来たのが実際のところです。
 また、保護者が自家用車を所有していない場合、子どもを自転車で通園させ、その後自宅に自転車を置きに戻り、それから公共交通機関を利用して仕事場に赴く場合もあります。そうすると正社員や早朝出勤では非常に困難とならざるを得ません。私立保育所の場合、比較的安価な負担で送迎バスを利用できる施設は多いですが、公立では保護者が責任を持って送迎することを条件にしているからです。
 そこで私は、優先順位を付ける際、介護保険施設への入所と同様、評価項目と採点枠を予め公表し、もし希望保育所への入所にならなかった場合、項目毎の評価点数を、医療機関へのカルテ請求が可能になったのと同様に、情報請求できるようにしたらどうかと考えています。その際の評価項目に、保護者の勤務形態、家庭や親族の支援体制、自宅や勤務地からの距離等既存項目の他に、自家用車両送迎の可否や、兄弟の通園状況等を新たに加えるのです。兄弟がいれば、当然同じ保育施設に通園しないと、保護者にとっては大きな負担となるのは言うまでもありません。
 ところで児童福祉法では、定員枠内であれば、施設側は原則児童の入所を拒否できません。更に年度途中の入所であれば、施設基準を逸脱しない範囲で、定員を超えても無制限で受け入れることが可能です。因みにこれを保育所定員弾力化といいます。
 にも関わらず、現実はなかなか難しい事情があります。その要因は、何と言っても保育士配置基準です。具体的には、保育士1名に対し保育が可能な児童数は、0才児3人、1~2才児6人、3才児20人、4~5才児30人と定められています。ですから新年度当初、各保育士の担当児童数で割り切れる児童が入所して来ないと、人件費支払いが不効率になる訳です。
 これに輪をかけて、保育士不足が経営者にとって重圧となっているのです。
 また、現在放映中のNHK朝ドラ「べっぴんさん」では、戦後間もない頃の保育所が、ヒロインの友達の発達障害を持つ息子の入所を拒否した場面がありました。これも児童を責任を持って受け入れる現場にとっては深刻な問題です。これら、私立保育所の事情をカバーする意味で、公立の使命としての拠点保育所を、今年度からの「呉市公立保育所・幼稚園再配置計画」で位置付けたのです。
 ということは、呉市が各園と調整を行って、申請者の優先順位により入所決定を行っているものの、不透明な部分が極めて多い訳です。これを透明化させるのが、呉市としての責務であると考えます。
 また、昨年度から施行した子ども・子育て支援法によって、呉市は、市内において30分間移動可能な生活圏を7つの提供区域に区分しました。即ち、昭和、天応・吉浦、中央(宮原・警固屋を含む)、広(阿賀・仁方・郷原を含む)、川尻・安浦、安芸灘、音戸・倉橋の7区域です。
 この中で需要が過熱しているのが、昭和、中央、広の3区域です。ここでは、昨年度地域型保育事業の小規模保育所を3箇所新たに誘致しました。これで、保護者の希望にできるだけ応えようと努力していることを知って下さい。
 一方保育所入所は、仕事故に保育に欠ける保護者の未就学児が対象ですが、専業主婦における子育ての悩みも聞こえて参ります。幼稚園はあっても、3才以上が入園対象ですので、その年齢までが特に保護者にとって子育てに神経を使うところです。
 呉市では、保護者に万一のことがあった場合に備えることも視野に、1才児から中学3年生までの一時ボランティア預かりであるファミリー・サポート事業を、年明け1月4日から、宿泊が可能な24時間対応とすることに致しました。これまでは夜10時までしか預けることはできず、昼間料金の1時間600円に対して、夜間料金は700円でした。これを昼間料金で宿泊サービスを提供することとし、2人目以降の利用料は半額としています。呉市に居住し、早朝・夜間就労がある看護師や自衛隊員には朗報となります。
 更に、私が委員を務める民生委員会では、現在子育て支援策を研究していますが、今後は休日保育のニーズを調査した上で、その導入可否を検討することにしています。
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