学校前途資金の流用を認め、教育現場に即した予算執行を!
Facebook 2017.7.27
去る7月24日は102回目の街頭演説。猛暑故、2年前にスタートして以来、初めてクールビズ・ノー上着での出で立ちとなりました。テーマは小中学校運営費についてです。
呉市の小中学校運営において、学校毎に配分される運営費を学校配分予算と呼んでいます。これは管理運営費、教材整備費、施設維持補修費の3節があり、小中学校合計で約3億0,700万円となっています。
この内、管理運営費と教材整備費に含まれる備品購入費を除く約2億5,700万円が各校で自由に使える学校前途資金として位置付けられ、学校規模に応じて公平に配分されます。1校平均が小学校で年間425万8千円、中学校で399万8千円となっており、配分基準として小学校では、学校割25%、学級数割70%、児童生徒数割5%に振り分けられます。中学校では、学校割30%、学級数割65%、児童生徒数割5%です。
この学校前途資金は、3ヶ月毎に年度4回に分けて学校口座に振り込まれ、毎月教育委員会に報告が義務付けられ、年度末に余剰が出れば返還されます。
ここで、問題は2点あります。
第一は、児童生徒数割が5%であるため、大規模校においては、宿題やテスト用のプリント作成に係る紙代が不足がちという現実があります。逆に小規模校では児童生徒数が少ないため、余裕が生じているのです。これらは具体的には、教材整備費の中の消耗品費がそれに該当します。
そこで、この授業用消耗品に係る消耗品費においては、児童生徒数割を増やすことが妥当です。ただ、学校管理費の中の燃料代は、ストーブの灯油代ですので、これは児童生徒数割よりも寧ろ学級数割が影響して参ります。
つまり、前途資金の3節の中に、授業用消耗品費や燃料代等合計11類があり、その類毎に、それに即した配分基準に本来改定すべきでしょう。
しかも、小学校と中学校とで1校平均の金額と配分基準が異なっている理由も定かではありません。教育委員会では、過去の慣例を何の疑問も抱くことなく踏襲して来た節が窺われ、統一すべきと考えます。
第二は、管理運営費と教材整備費において、それぞれ限度額が設定されている問題です。
ここで11類を改めて説明致します。先ず管理運営費ですが、管理用消耗品費、燃料費、食料費(来客用)、管理用印刷製本費、医薬材料費(保健室用)、手数料(クリーニング代等)、物品修繕費(軽微)の7類があります。教材整備費は、授業用消耗品費、授業用印刷製本費、使用賃借料(コピー機リース料等)の3類です。それに施設修繕費(軽微)を加えて合計11類となるものです。
限度額というのは、例えば施設修繕費を例にとりますと、これは1校平均15万円です。1件1万円未満の修繕はこの15万円の枠内でしか使うことができません。因みに1万円以上の修繕については、教育委員会に要望を上げ、認められれば、別枠予算で手当てされます。これは修繕が発生した場合のみ使用できますので、前途資金の中でも別枠と考えてよいと思います。
ただ、管理運営費中の物品修繕費に余剰が出たとします。方や教材整備費中、紙代を初めとする授業用消耗品費が不足したとします。これは予算費目が異なるため、流用は認められておらず、余剰金を不足分に充当することは、現在の内規ではできません。そうではなく、余剰分を不足分に充当できれば、当該学校として真に必要なものに充当することができる訳です。
教育委員会は、それぞれの予算費目等について積算した上で、前途資金を交付決定しているので、流用は許されないと言い張ります。因みに管理運営費と施設維持補修費は、共に予算費目は学校管理費、教材整備費は教育振興費に位置付けられています。
ところが、地方自治法第220条の第2項では、このような目間流用は認めているのです。元々これらの費目予算を学校現場がいちいち教育委員会に予算申請するのでは、事務の煩雑に伴い時間も浪費します。そこで、地方自治法施行規則第161条に則り呉市会計規則を定めて、予め前途資金を学校に振り込んで、学校の自由裁量を認めているのです。 それを費目毎に縛ったのでは、自由度を高めることにはなりません。従いまして、流用を認め、自由に使途が可能になるよう、内規を改正することを強く要請したところです。
こうすれば前途資金の自由度が増すことから、類毎に配分基準を敢えて変えなくともよいことになります。実際、11類毎に配分基準を変えた上で、各校毎に配分を計算することは、教育委員会の事務も増えることになるため、避けた方がよいでしょう。
一方、各校に交付される前途資金が、今年度から15%減額されることが、この度判明致しました。予算上では読み取れないため、議会にとっても寝耳に水です。
そこで調査したところ、国の推奨する「学びの変革」において、広島県教育委員会が広島版「学びの変革」アクション・プランを推奨したことが原因と判りました。
学びの変革とは、これまでの知識の習得を重視した受動的教育から、資質や能力を主体的な学びにより育成する能動的教育への転換を図ろうとするものです。これにより、子ども達が将来の夢を実現し、グローバル化した社会で生きる力を育成するとしています。
ところが広島県は、これらに関する予算として、呉市ではパイロット校である原小学校と広南中学校、実践指定校である警固屋小、中学校と4校にしか手当しておりません。
つまり、広島県の計画に応じて今年度から全校展開する際しては、呉市予算を充てる必要がありますが、中学校デリバリー給食運営や全普通教室における空調設備設置、そして今年度から簡易洋式トイレ改修費が加わって、教育費をこれ以上増額することは困難な状況です。しかも呉市の学校配分予算は、県平均の1.3倍、全国平均の2倍と、元々手厚くして来た事情もあります。
そこで目をつけたのが、学校前途資金の教育振興費である教材整備費だったのです。つまり学校前途資金を15%減額し、各校の学びの変革プラン作成を促した上で、それに必要な教材費を後出しするということです。このプラン提出は校長の自由ですが、提出しなければ15%分が貰えないということで、出さざるを得ないのが現場の実情なのです。因みに残りの前途資金は、各学校の提出計画を精査した教育委員会が、後日振り込むことになりますが、各校の計画のできばえやそれに必要な教材の種類や金額等により、差ができることとなります。
しかも各校平均3%減額になるというのですから、これも大いに疑問を感じているところです。
ただ前途資金は、各学校にとっては必要経費です。それを新たな学びの変革プランを促進するために前途資金の教材整備費を削るというのは、おかしな話です。必要な教材整備費を削って、学びの変革プラン実践枠の教育整備費をあてがうというのは教育振興から考えれば本末転倒でしょう。
あくまで、施設維持補修費を除いた前途資金を学校が自由に活用できてこそ、初めて学びの変革の効果が期待できるものと考えています。即ち、資金使途の自由度を増すことこそが、学校の通常運営に加え、学びの変革への取り組み意欲の向上に繋がるのです。
呉市の小中学校運営において、学校毎に配分される運営費を学校配分予算と呼んでいます。これは管理運営費、教材整備費、施設維持補修費の3節があり、小中学校合計で約3億0,700万円となっています。
この内、管理運営費と教材整備費に含まれる備品購入費を除く約2億5,700万円が各校で自由に使える学校前途資金として位置付けられ、学校規模に応じて公平に配分されます。1校平均が小学校で年間425万8千円、中学校で399万8千円となっており、配分基準として小学校では、学校割25%、学級数割70%、児童生徒数割5%に振り分けられます。中学校では、学校割30%、学級数割65%、児童生徒数割5%です。
この学校前途資金は、3ヶ月毎に年度4回に分けて学校口座に振り込まれ、毎月教育委員会に報告が義務付けられ、年度末に余剰が出れば返還されます。
ここで、問題は2点あります。
第一は、児童生徒数割が5%であるため、大規模校においては、宿題やテスト用のプリント作成に係る紙代が不足がちという現実があります。逆に小規模校では児童生徒数が少ないため、余裕が生じているのです。これらは具体的には、教材整備費の中の消耗品費がそれに該当します。
そこで、この授業用消耗品に係る消耗品費においては、児童生徒数割を増やすことが妥当です。ただ、学校管理費の中の燃料代は、ストーブの灯油代ですので、これは児童生徒数割よりも寧ろ学級数割が影響して参ります。
つまり、前途資金の3節の中に、授業用消耗品費や燃料代等合計11類があり、その類毎に、それに即した配分基準に本来改定すべきでしょう。
しかも、小学校と中学校とで1校平均の金額と配分基準が異なっている理由も定かではありません。教育委員会では、過去の慣例を何の疑問も抱くことなく踏襲して来た節が窺われ、統一すべきと考えます。
第二は、管理運営費と教材整備費において、それぞれ限度額が設定されている問題です。
ここで11類を改めて説明致します。先ず管理運営費ですが、管理用消耗品費、燃料費、食料費(来客用)、管理用印刷製本費、医薬材料費(保健室用)、手数料(クリーニング代等)、物品修繕費(軽微)の7類があります。教材整備費は、授業用消耗品費、授業用印刷製本費、使用賃借料(コピー機リース料等)の3類です。それに施設修繕費(軽微)を加えて合計11類となるものです。
限度額というのは、例えば施設修繕費を例にとりますと、これは1校平均15万円です。1件1万円未満の修繕はこの15万円の枠内でしか使うことができません。因みに1万円以上の修繕については、教育委員会に要望を上げ、認められれば、別枠予算で手当てされます。これは修繕が発生した場合のみ使用できますので、前途資金の中でも別枠と考えてよいと思います。
ただ、管理運営費中の物品修繕費に余剰が出たとします。方や教材整備費中、紙代を初めとする授業用消耗品費が不足したとします。これは予算費目が異なるため、流用は認められておらず、余剰金を不足分に充当することは、現在の内規ではできません。そうではなく、余剰分を不足分に充当できれば、当該学校として真に必要なものに充当することができる訳です。
教育委員会は、それぞれの予算費目等について積算した上で、前途資金を交付決定しているので、流用は許されないと言い張ります。因みに管理運営費と施設維持補修費は、共に予算費目は学校管理費、教材整備費は教育振興費に位置付けられています。
ところが、地方自治法第220条の第2項では、このような目間流用は認めているのです。元々これらの費目予算を学校現場がいちいち教育委員会に予算申請するのでは、事務の煩雑に伴い時間も浪費します。そこで、地方自治法施行規則第161条に則り呉市会計規則を定めて、予め前途資金を学校に振り込んで、学校の自由裁量を認めているのです。 それを費目毎に縛ったのでは、自由度を高めることにはなりません。従いまして、流用を認め、自由に使途が可能になるよう、内規を改正することを強く要請したところです。
こうすれば前途資金の自由度が増すことから、類毎に配分基準を敢えて変えなくともよいことになります。実際、11類毎に配分基準を変えた上で、各校毎に配分を計算することは、教育委員会の事務も増えることになるため、避けた方がよいでしょう。
一方、各校に交付される前途資金が、今年度から15%減額されることが、この度判明致しました。予算上では読み取れないため、議会にとっても寝耳に水です。
そこで調査したところ、国の推奨する「学びの変革」において、広島県教育委員会が広島版「学びの変革」アクション・プランを推奨したことが原因と判りました。
学びの変革とは、これまでの知識の習得を重視した受動的教育から、資質や能力を主体的な学びにより育成する能動的教育への転換を図ろうとするものです。これにより、子ども達が将来の夢を実現し、グローバル化した社会で生きる力を育成するとしています。
ところが広島県は、これらに関する予算として、呉市ではパイロット校である原小学校と広南中学校、実践指定校である警固屋小、中学校と4校にしか手当しておりません。
つまり、広島県の計画に応じて今年度から全校展開する際しては、呉市予算を充てる必要がありますが、中学校デリバリー給食運営や全普通教室における空調設備設置、そして今年度から簡易洋式トイレ改修費が加わって、教育費をこれ以上増額することは困難な状況です。しかも呉市の学校配分予算は、県平均の1.3倍、全国平均の2倍と、元々手厚くして来た事情もあります。
そこで目をつけたのが、学校前途資金の教育振興費である教材整備費だったのです。つまり学校前途資金を15%減額し、各校の学びの変革プラン作成を促した上で、それに必要な教材費を後出しするということです。このプラン提出は校長の自由ですが、提出しなければ15%分が貰えないということで、出さざるを得ないのが現場の実情なのです。因みに残りの前途資金は、各学校の提出計画を精査した教育委員会が、後日振り込むことになりますが、各校の計画のできばえやそれに必要な教材の種類や金額等により、差ができることとなります。
しかも各校平均3%減額になるというのですから、これも大いに疑問を感じているところです。
ただ前途資金は、各学校にとっては必要経費です。それを新たな学びの変革プランを促進するために前途資金の教材整備費を削るというのは、おかしな話です。必要な教材整備費を削って、学びの変革プラン実践枠の教育整備費をあてがうというのは教育振興から考えれば本末転倒でしょう。
あくまで、施設維持補修費を除いた前途資金を学校が自由に活用できてこそ、初めて学びの変革の効果が期待できるものと考えています。即ち、資金使途の自由度を増すことこそが、学校の通常運営に加え、学びの変革への取り組み意欲の向上に繋がるのです。