街頭演説集

第110回 包括外部監査の成果

包括外部監査を機に議会のチェック機能強化を!

Facebook 2017.9.28

 去る9月25日は110回目の街頭演説。テーマは、包括外部監査の効能についてです。
 私は以前から、本市において内部監査に止まらず、外部監査の導入を訴えて来ました。平成26年3月定例会における予算総体質問でもこれを採り上げ、当局に迫りましたが、コストがかかるとの理由で、前向きな答弁は得られなかったのです。ただ、呉市と同じ特例市だった八尾市は、当時から外部監査を導入しており、それにかかる経費は国の補助金を全額充てているということでした。
 ところが、呉市が昨年度から中核市に移行したことで、法的に包括外部監査の導入義務が生じ、今年3月に初めて包括外部監査結果報告書が提出されたのです。因みに監査業務は年間1,200万円で公認会計士と契約を締結し、その経費は特別交付税に算入されます。ということは、直接市民の血税を充てなくて済む理屈となります。
 方や内部監査と呼ばれる呉市監査委員は3名で、代表監査委員は呉市部長級のOBの天下り先となっており、もう2名は公認会計士と呉市議会議員なのです。私も平成22年度に呉市監査委員を務めたことがあり、その内幕はよく知っており、その苦労も解っているつもりです。
 因みに、現場へ赴き帳簿類を調査する監査の補佐役は、現役の呉市職員なのです。つまり、身内の監査を行っている訳で、これでは第三者として政策面の可否というカテゴリーで精査はやり辛く、結果甘い監査になると言われても仕方がありません。従って、過去議会費の中の政務活動費が監査の目玉として選択されることはなかったと思います。
 ということは、内部監査では特に事務的、会計処理等に力を入れ、外部監査では年度毎に特定のテーマの下、政策面にまで大きく踏み込むということで、この両者が相互に補完作用して初めて、一人前の監査になり得るとも言えましょう。
 さて、平成28年度の包括外部監査は、補助金をテーマに設定し、その関連で、初めて政務活動費が集中的監査の一つとなりました。
 これに対して特に厳しい意見は付きませんでしたが、会計帳簿類の作成を、議会事務局職員ではなく、議員本人が担うべきとの指摘は受けました。
 議会としては、さしあたって、携帯電話通話料と自家用車ガソリン代に対し、みなし比率1/3を公費負担していたのを、今年度から思い切って全額自己負担に致しました。このみなし比率は、過去の裁判判例を基にしたもので、議員活動には政務活動、議員個人の活動、後援会等私的活動の3種類に分類されるとの考えからです。ですから1/3を公費負担していても特に問題はないのですが、近年政務活動費の不正が全国的に多発したこと、世間への説明責任を果たすことの2点の理由で、呉市議会として、自主的にこれらに係る公費負担を廃止したのです。これは、はやり外部監査の威力の賜だったでしょう。
 一方、これまでの主要施策における評価シートでは、各担当部署が自己評価して甘くなっており、これでは議会のチェックも十分果たすことができませんでした。しかも、指摘を受けそうな施策については、そもそも担当部署が評価シートの対象から外すことも十分あり得たのでした。
 そこで、この度の外部監査報告を読みますと、特定団体への定額補助金に対して、投資効果の検証を求め、金額の見直しまで言及されていたのには驚きました。この中には、過去、私が指摘して来たものが何件か含まれており、それは厳しい監査意見が付いたものもあったのです。
 具体的には、合併町地域まちづくり振興事業補助金、広電へのバス購入補助金がそれです。私は、この包括外部監査結果報告書を後ろ盾に、先の一般質問や一昨日まで連日開催されていた決算特別委員会でも、大きくチェック機能が増したと痛感したところです。決算委員会で私は連日質疑を行っておりますが、これとて、十分な事前調査が事欠かせません。その際に、この外部監査報告書が大きな助けとなったのでした。
 と申しますのも、決算書では記述されていない補助金額、その背景や導入経緯、平成24年度からの補助金額の変遷、補助対象団体についても克明に記載されていたからです。
 議員は市民を代表して、市長以下執行部の施策や予算執行状況をチェックする役割と責務があります。ですから、特定の市長候補を議員が応援すると、その候補が市長になった場合、市長与党となって、議員としてのチェック機能を行使し難くなります。
 私は今後も、毎年度末に提出される包括外部監査結果報告書を大いに活用して、チェック機能を強化し、議員としての努めを果たして参る所存です。
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