不可思議な、一般法人による市民全世帯からの半強制募金
Facebook 2017.12.16
去る12月11日は117回目の街頭演説。某政治家の政治活動用ポスターに、同日8時から呉駅前街頭演説の案内表記がされていたのを受け、この日の予定8時を30分繰り上げ、7時半スタートとしました。しかしその政治家が現れることはありませんでした。
さて、テーマは環境・健康募金についてです。
呉市においては、市民全世帯から募金を徴収していて、一世帯当たりの徴収目標は年額100円となっています。寄付ですから強制ではないとしつつも、相場の金額を予め設定している訳です。徴収するのは、自治会です。自治会費と別に個々に徴収するのは役員が大変ですので、多くの自治会では徴収した自治会費の中から、世帯分をまとめて事務局に納めています。
では、どこへ納めているのか?それは一般社団法人・広島県環境保健協会です。
この団体は、昭和31年に広島県が公衆衛生活動を発展させるための施策として、公衆衛生推進委員制度を構築したことが始まりです。当時は県知事が委員を委嘱しており、17年間継続した後、廃止されました。
但しその趣旨を継承し、県内市町村で、公衆衛生推進協議会を起ち上げ、委員の推薦を行ってきました。呉市公衆衛生推進協議会は昭和34年に発足して現在に至っており、呉市自治連会長が当て職で会長に就任され、各地区自治連会長が当て職で理事に就任されています。
一方、県内の公衆衛生推進委員の連絡・調整を行うため、昭和32年に任意団体たる広島県地区衛生組織連合会が発足し、国の公益法人改革に伴い、現在の一般社団法人・広島県環境保健協会になった訳です。健康、環境、水、食に関し、事業者を支援する各種事業を行っておられます。経営理念のトップに、「環保協創設の理念にふさわしい公益事業を推進する。」と謳っています。公益事業が主体であれば、一般社団法人ではなく、公益社団法人の認可を取るべきでしょうが、収益事業が公益事業の割合を上回っているため、公益社団法人になれなかったのです。
つまり、創設当初は公益事業が主体であったのを、現在は収益事業が主体となっていることは否めません。ということは、収益事業を主に行う団体に対して、住民1人1人から半強制的に、しかも自治会という徴収マシンを利用して寄付を集める行為そのものが疑問です。
確かにその決算書を見ますと、集めた寄付は目標額以内であれば、下部組織に4割が還付されます。目標を超えた部分は全額が地元還元される仕組みになっていることが判りました。呉市においては、呉市公衆衛生推進協議会を通じて、寄付を集めた母体である各地区自治会連合会に還付されます。それが各自治連の活動費に使われているのです。寄付徴収の労に対する対価がこの還付金なのです。環境・健康を旗印に集めたお金の約半分はそれ以外のことに使われていることになります。
しかも収益事業を行っているため、県は県環保協に対し補助金を交付していませんし、事務所も公共施設を無償提供していません。その様な団体に県内全世帯から自治会を通じて寄付を募るのは問題ありと考えます。事務所も自前で、広島市内にある広島県公衆衛生会館内に構えており、人間ドックの斡旋事業を初めとして大きな収益を上げているのです。
だいたい、この様な組織があるのは、全国の都道府県ではどうも広島県だけらしいのです。同団体が行っているような公益事業は、行政の役割として各自治体で行っていることです。だから敢えて団体を組織する必要性も低いと考えます。
ところで、県環保協の募金目標額は一世帯当たり年額100円ではなく、50円なのです。呉市もかつては50円でした。
その後近隣8町と合併した時点で各市町がばらばらだったため、統一する必要が出て参りました。合併協議の基本は、原則呉市の制度に合わせるということでしたので、50円にすべきところを100円に変更したのです。それには理由がありまして、呉市の自治会加入率が約76%なので、自治会を通じて寄付を集めるとすると、全世帯分の目標額を達成できない事情がありました。そこで目標をクリアし易いように100円に値上げしたのです。
因みにこの目標額は、県内市町ばらばらとなっています。例えば最高額の大竹市で300円、廿日市市や熊野町で200円です。東広島市のみが最低で50円となっていました。江田島市などは、合併前の能美町が250円、他の3町が200円と、同じ市内で不公平となっています。更には加盟していない町もありますし、広島市も未加盟です。
さて、呉市公衆衛生推進協議会においては、呉市所管部署は環境部でも保健所でもありません。直接関係のなさそうな地域協働課となっており、そこが事務局を務めています。これは自治会連合会に集金マシンをさせ、そのうまみとして活動費として還付している構造上、同課が窓口となっているのです。
結局、親組織は全てプロパー職員で収益事業を行い、その傘下に入っている市町単位の下部組織の事務は公務員が行っている訳で、いびつな関係だと言えます。実際募金を使った啓発活動として、県環保協は機関紙「環境と健康」を発刊していますが、これは各自治会に1枚しか配布されません。それだけ印刷代を倹約していますし、これを読んでいる市民は皆無に近いでしょう。自治会に1枚配布するだけなら、印刷せず自身のホームページにアップすれば、それで済む訳です。
私は、下部組織たる呉市公衆衛生推進協議会を解散し、自治会の負担を和らげ、市民啓発を中心とする必要な公益活動は市の施策において実施すれば十分だと考えています。
さて、テーマは環境・健康募金についてです。
呉市においては、市民全世帯から募金を徴収していて、一世帯当たりの徴収目標は年額100円となっています。寄付ですから強制ではないとしつつも、相場の金額を予め設定している訳です。徴収するのは、自治会です。自治会費と別に個々に徴収するのは役員が大変ですので、多くの自治会では徴収した自治会費の中から、世帯分をまとめて事務局に納めています。
では、どこへ納めているのか?それは一般社団法人・広島県環境保健協会です。
この団体は、昭和31年に広島県が公衆衛生活動を発展させるための施策として、公衆衛生推進委員制度を構築したことが始まりです。当時は県知事が委員を委嘱しており、17年間継続した後、廃止されました。
但しその趣旨を継承し、県内市町村で、公衆衛生推進協議会を起ち上げ、委員の推薦を行ってきました。呉市公衆衛生推進協議会は昭和34年に発足して現在に至っており、呉市自治連会長が当て職で会長に就任され、各地区自治連会長が当て職で理事に就任されています。
一方、県内の公衆衛生推進委員の連絡・調整を行うため、昭和32年に任意団体たる広島県地区衛生組織連合会が発足し、国の公益法人改革に伴い、現在の一般社団法人・広島県環境保健協会になった訳です。健康、環境、水、食に関し、事業者を支援する各種事業を行っておられます。経営理念のトップに、「環保協創設の理念にふさわしい公益事業を推進する。」と謳っています。公益事業が主体であれば、一般社団法人ではなく、公益社団法人の認可を取るべきでしょうが、収益事業が公益事業の割合を上回っているため、公益社団法人になれなかったのです。
つまり、創設当初は公益事業が主体であったのを、現在は収益事業が主体となっていることは否めません。ということは、収益事業を主に行う団体に対して、住民1人1人から半強制的に、しかも自治会という徴収マシンを利用して寄付を集める行為そのものが疑問です。
確かにその決算書を見ますと、集めた寄付は目標額以内であれば、下部組織に4割が還付されます。目標を超えた部分は全額が地元還元される仕組みになっていることが判りました。呉市においては、呉市公衆衛生推進協議会を通じて、寄付を集めた母体である各地区自治会連合会に還付されます。それが各自治連の活動費に使われているのです。寄付徴収の労に対する対価がこの還付金なのです。環境・健康を旗印に集めたお金の約半分はそれ以外のことに使われていることになります。
しかも収益事業を行っているため、県は県環保協に対し補助金を交付していませんし、事務所も公共施設を無償提供していません。その様な団体に県内全世帯から自治会を通じて寄付を募るのは問題ありと考えます。事務所も自前で、広島市内にある広島県公衆衛生会館内に構えており、人間ドックの斡旋事業を初めとして大きな収益を上げているのです。
だいたい、この様な組織があるのは、全国の都道府県ではどうも広島県だけらしいのです。同団体が行っているような公益事業は、行政の役割として各自治体で行っていることです。だから敢えて団体を組織する必要性も低いと考えます。
ところで、県環保協の募金目標額は一世帯当たり年額100円ではなく、50円なのです。呉市もかつては50円でした。
その後近隣8町と合併した時点で各市町がばらばらだったため、統一する必要が出て参りました。合併協議の基本は、原則呉市の制度に合わせるということでしたので、50円にすべきところを100円に変更したのです。それには理由がありまして、呉市の自治会加入率が約76%なので、自治会を通じて寄付を集めるとすると、全世帯分の目標額を達成できない事情がありました。そこで目標をクリアし易いように100円に値上げしたのです。
因みにこの目標額は、県内市町ばらばらとなっています。例えば最高額の大竹市で300円、廿日市市や熊野町で200円です。東広島市のみが最低で50円となっていました。江田島市などは、合併前の能美町が250円、他の3町が200円と、同じ市内で不公平となっています。更には加盟していない町もありますし、広島市も未加盟です。
さて、呉市公衆衛生推進協議会においては、呉市所管部署は環境部でも保健所でもありません。直接関係のなさそうな地域協働課となっており、そこが事務局を務めています。これは自治会連合会に集金マシンをさせ、そのうまみとして活動費として還付している構造上、同課が窓口となっているのです。
結局、親組織は全てプロパー職員で収益事業を行い、その傘下に入っている市町単位の下部組織の事務は公務員が行っている訳で、いびつな関係だと言えます。実際募金を使った啓発活動として、県環保協は機関紙「環境と健康」を発刊していますが、これは各自治会に1枚しか配布されません。それだけ印刷代を倹約していますし、これを読んでいる市民は皆無に近いでしょう。自治会に1枚配布するだけなら、印刷せず自身のホームページにアップすれば、それで済む訳です。
私は、下部組織たる呉市公衆衛生推進協議会を解散し、自治会の負担を和らげ、市民啓発を中心とする必要な公益活動は市の施策において実施すれば十分だと考えています。