そごう再々開発を白紙撤回?危険な呉駅周辺総合開発
Facebook 2018.5.17
ゴールデンウィーク明けの5月8日は、138回目の街頭演説。テーマは、呉駅周辺地域総合開発についてです。
呉市長は新年度予算300万円に基づき、市長諮問機関である呉駅周辺地域総合開発に関する懇談会の初会合を、去る5月2日に開催しました。これは、くれワンダーランド構想推進会議の分科会の位置付けで、4人の有識者で構成。具体的には、東京大学大学院教授、広島大学大学院准教授、都市再生機構理事、道路新産業開発機構理事の4名です。
前市長は呉駅前広場を再整備すると訴えましたが、新市長は、このエリヤを更に呉駅舎を含む、堺川から二河川までに拡大して、駅前周辺地域の総合開発を目指すとしています。呉市の重要な方向性を担う会議にも関わらず、先の呉市中小企業振興基本条例制定検討懇話会の初会合に続き、非公開となりました。
にも関わらず、翌日の新聞にその一端がすっぱ抜かれたのには驚きです。委員が突撃取材を受け、その情報を漏らしたことになります。そしてその内容は、そごう跡地再開発を白紙に戻すというものでした。これは委員間同士の自由討議に現れた一コマでしょうから、確定した訳でもないと、市側は主張するでしょう。何故なら非公開とあって、その内容は議会にもまだ報告されていないからです。
ここで、そごう呉店跡地の再々開発のこれまでの方針を説明致します。これは昨年9月に呉市議会総務委員会で公表されました。スケジュールが示されない極めて珍しい勇み足的内容だったのは、前市長が市長選挙に有利導くために踏み切ったと囁かれています。
それによると、建物と土地に係る権利者9者を3者に集約することで、再開発を進めるというものです。その3者とは呉市、㈱そごう・西武、日本通運㈱です。その3者で構成する呉駅西再開発ビル管理組合が公募した上で、土地・建物の権利を一括売却する方針でした。
その条件として、5千㎡を商業施設、その内3千㎡を飲食・物販施設にするという設定です。その部分に関し、建物を改修する場合は3億円を上限とし呉市補助、建物を建て替える場合は5億円を上限とした呉市補助を検討していると踏み込んだのです。
この場合の呉市の考えは、売却価格を競争させるのではなく、あくまで呉市にとって経済効果が最も期待できる施設を民間主導で誘致するというものでした。これでは価格が叩かれる可能性があるということで、民間の一部権利者が難色を示し、再々開発が5年間も進まなかったのです。
となりますと、建物の権利床を77%も所有している㈱そごう・西武は、その間呉市に固定資産税を納付し続けなければなりません。そこで同社が折れて、民間権利者から現在の市場相場価格で権利を一旦買い取った訳です。
ところが、あれから半年が経過しても一向に話が進みません。これは権利集約がまだ完結していないのか、新市長が方針を変えたかどちらかであることを意味します。つまり相手があることなので、呉市の思惑一辺倒では事が進まないことも考えられますし、市長の思惑で事がストップしているのかどちらかでしょう。実際、昨年度呉駅前地区再整備基本計画策定費1千万円を前市長が予算化しましたが、それを市長選後に390万円の調査でストップさせたことから、後者の可能性がちらついて来ました。
とは言っても、この3者集約が完結すれば、このビルだけでも土地とセットで再々開発が進む所まで来ていました。しかも前政権では、呉駅前地区再整備は呉市主導で、そごう跡地再々開発は民間主導で、と明確に分けることを、私の質問に対して答弁しているのです。
この度の懇談会では、呉駅周辺地域における総合開発を検討するということで、目前に迫っていたそごう再々開発を一旦白紙に戻したのです。つまり前政権が組んだ予算を伴う施策とも完全に矛盾しており、正にこれまでの方針を撤回したことになりましょう。
この方向性で議論が進むのは大変危険です。そごうのみの再々開発でさえ、権利者の合意や権利集約に5年もかかっているのです。これを更にエリヤを拡げて、広島駅前の様に総合開発しようとするなら、権利関係が複層し、相手の思惑も絡むことから、進まなくなるでしょう。そごうが幽霊屋敷と化してしまうのは必定です。そうなりますと、益々そごう跡地の市場価格が下がり、呉市やそごう・西武にとってもマイナスとなるのです。ましてや経済にも大きな悪影響を及ぼします。
呉市は人口減にさいなまされ、税収も減る一方なのですから、身の丈にあった小幅な開発に止めるべきなのです。背伸びをして大規模開発に手を染めようものなら、経済活性化の道は却って遠のき、財政逼迫要因にもなってしまいます。それでなくとも、今年度から5年間で財政赤字が109億円と算出しているのですから、大規模開発事業に手を染めようものなら、一層の財政赤字を招くのは必定です。
結局市長マニフェストのくれワンダーランド構想、そしてその目玉と自負される呉駅周辺地域総合開発は、財政赤字を招く大型開発ではないか、その様な懸念が増大したというのが現段階での私の見解です。
一方、有識者4名が呉市の長期基本構想、都市計画マスタープラン、歴史や財政状況、を熟知されているとは到底考えられません。しかも4名の委員の内、3名が東京から来ておられるのです。過去市長諮問機関において、県外から委員を招聘したのは余り例がないと思います。ということは、報酬の他に旅費・宿泊費を別途支給する必要が出る訳で、これがこの度の300万円という、諮問機関への報酬にしては大きい金額になっていることの要因だった訳です。
東京から呼んで自由に意見を交わされ、呉市の目玉施策の方向性をいたずらに膨らませれば、長期基本計画に矛盾をきたすどころか、更に夢物語に帰結すれば税金の無駄遣いになってしまうリスクを大いに孕んでいるのです。前市長がマニフェストでJR呉線の複線化を公言し、夢物語に終わった苦い経験があるのです。この時も2年間に亘って調査費と諮問機関設置費として2千万円を組み、血税をどぶに流してしまいました。
私は、選挙目当てに大風呂敷を広げるこれらの危険な兆候に待ったをかけるべく、今後も訴え続けて参る所存です。
呉市長は新年度予算300万円に基づき、市長諮問機関である呉駅周辺地域総合開発に関する懇談会の初会合を、去る5月2日に開催しました。これは、くれワンダーランド構想推進会議の分科会の位置付けで、4人の有識者で構成。具体的には、東京大学大学院教授、広島大学大学院准教授、都市再生機構理事、道路新産業開発機構理事の4名です。
前市長は呉駅前広場を再整備すると訴えましたが、新市長は、このエリヤを更に呉駅舎を含む、堺川から二河川までに拡大して、駅前周辺地域の総合開発を目指すとしています。呉市の重要な方向性を担う会議にも関わらず、先の呉市中小企業振興基本条例制定検討懇話会の初会合に続き、非公開となりました。
にも関わらず、翌日の新聞にその一端がすっぱ抜かれたのには驚きです。委員が突撃取材を受け、その情報を漏らしたことになります。そしてその内容は、そごう跡地再開発を白紙に戻すというものでした。これは委員間同士の自由討議に現れた一コマでしょうから、確定した訳でもないと、市側は主張するでしょう。何故なら非公開とあって、その内容は議会にもまだ報告されていないからです。
ここで、そごう呉店跡地の再々開発のこれまでの方針を説明致します。これは昨年9月に呉市議会総務委員会で公表されました。スケジュールが示されない極めて珍しい勇み足的内容だったのは、前市長が市長選挙に有利導くために踏み切ったと囁かれています。
それによると、建物と土地に係る権利者9者を3者に集約することで、再開発を進めるというものです。その3者とは呉市、㈱そごう・西武、日本通運㈱です。その3者で構成する呉駅西再開発ビル管理組合が公募した上で、土地・建物の権利を一括売却する方針でした。
その条件として、5千㎡を商業施設、その内3千㎡を飲食・物販施設にするという設定です。その部分に関し、建物を改修する場合は3億円を上限とし呉市補助、建物を建て替える場合は5億円を上限とした呉市補助を検討していると踏み込んだのです。
この場合の呉市の考えは、売却価格を競争させるのではなく、あくまで呉市にとって経済効果が最も期待できる施設を民間主導で誘致するというものでした。これでは価格が叩かれる可能性があるということで、民間の一部権利者が難色を示し、再々開発が5年間も進まなかったのです。
となりますと、建物の権利床を77%も所有している㈱そごう・西武は、その間呉市に固定資産税を納付し続けなければなりません。そこで同社が折れて、民間権利者から現在の市場相場価格で権利を一旦買い取った訳です。
ところが、あれから半年が経過しても一向に話が進みません。これは権利集約がまだ完結していないのか、新市長が方針を変えたかどちらかであることを意味します。つまり相手があることなので、呉市の思惑一辺倒では事が進まないことも考えられますし、市長の思惑で事がストップしているのかどちらかでしょう。実際、昨年度呉駅前地区再整備基本計画策定費1千万円を前市長が予算化しましたが、それを市長選後に390万円の調査でストップさせたことから、後者の可能性がちらついて来ました。
とは言っても、この3者集約が完結すれば、このビルだけでも土地とセットで再々開発が進む所まで来ていました。しかも前政権では、呉駅前地区再整備は呉市主導で、そごう跡地再々開発は民間主導で、と明確に分けることを、私の質問に対して答弁しているのです。
この度の懇談会では、呉駅周辺地域における総合開発を検討するということで、目前に迫っていたそごう再々開発を一旦白紙に戻したのです。つまり前政権が組んだ予算を伴う施策とも完全に矛盾しており、正にこれまでの方針を撤回したことになりましょう。
この方向性で議論が進むのは大変危険です。そごうのみの再々開発でさえ、権利者の合意や権利集約に5年もかかっているのです。これを更にエリヤを拡げて、広島駅前の様に総合開発しようとするなら、権利関係が複層し、相手の思惑も絡むことから、進まなくなるでしょう。そごうが幽霊屋敷と化してしまうのは必定です。そうなりますと、益々そごう跡地の市場価格が下がり、呉市やそごう・西武にとってもマイナスとなるのです。ましてや経済にも大きな悪影響を及ぼします。
呉市は人口減にさいなまされ、税収も減る一方なのですから、身の丈にあった小幅な開発に止めるべきなのです。背伸びをして大規模開発に手を染めようものなら、経済活性化の道は却って遠のき、財政逼迫要因にもなってしまいます。それでなくとも、今年度から5年間で財政赤字が109億円と算出しているのですから、大規模開発事業に手を染めようものなら、一層の財政赤字を招くのは必定です。
結局市長マニフェストのくれワンダーランド構想、そしてその目玉と自負される呉駅周辺地域総合開発は、財政赤字を招く大型開発ではないか、その様な懸念が増大したというのが現段階での私の見解です。
一方、有識者4名が呉市の長期基本構想、都市計画マスタープラン、歴史や財政状況、を熟知されているとは到底考えられません。しかも4名の委員の内、3名が東京から来ておられるのです。過去市長諮問機関において、県外から委員を招聘したのは余り例がないと思います。ということは、報酬の他に旅費・宿泊費を別途支給する必要が出る訳で、これがこの度の300万円という、諮問機関への報酬にしては大きい金額になっていることの要因だった訳です。
東京から呼んで自由に意見を交わされ、呉市の目玉施策の方向性をいたずらに膨らませれば、長期基本計画に矛盾をきたすどころか、更に夢物語に帰結すれば税金の無駄遣いになってしまうリスクを大いに孕んでいるのです。前市長がマニフェストでJR呉線の複線化を公言し、夢物語に終わった苦い経験があるのです。この時も2年間に亘って調査費と諮問機関設置費として2千万円を組み、血税をどぶに流してしまいました。
私は、選挙目当てに大風呂敷を広げるこれらの危険な兆候に待ったをかけるべく、今後も訴え続けて参る所存です。