街頭演説集

第141回 消防団員の報酬支払い方法

消防団員への報酬は、個人への直接振込に是正せよ!

Facebook 2018.6.1

 本日の街頭演説は、風が強く、幟が倒れそうになることしばしばでしたが、最後までやり遂げました。

 去る5月28日は、141回目の街頭演説。協力者である暫定相棒の最終日となりました。
さて、5月23日に岡山市消防団の団員報酬問題が浮上しました。これは岡山市消防団99分団の内、実に67分団が団員の報酬が振り込まれる個々の通帳を一括管理していたことが判明、岡山市消防局が指導に乗り出したというものです。
 消防団員は、地方自治法で特別職公務員と位置付けられており、その業務への対価として報酬を自治体が支払っています。報酬である限り、団員個人々々に対して支払われるのは当然です。それが岡山市では、個人通帳を分団毎に管理していた訳で、個人に対して報酬が支払われないのと同義であるため、甚だ不適切というものです。
 それでは我が呉市消防団の場合、どうなっているのでしょうか?実は、多くの分団で、団員の同意を取った上ではありますが、分団通帳で一括管理を行っておりました。これでは、折角活動してもその対価が団員個人に対して支払われないことになります。
 では、何故分団で一括管理する必要があったのかを考えてみましょう。
 各分団では団員相互の意思疎通を図るため、親睦の場、例えば旅行や懇親会を開催しています。この時の経費に充てるのが一括管理の趣旨なのです。これに対し、報酬を個人毎に支払えば、旅行会や飲み会の席にはその都度会費を参加者個人から徴収する必要があり、参加者が激減するのは目に見えています。
 つまり、半強制的に参加させるシステムを確立していたのです。勿論参加しなかった場合にお金が還付されませんので、参加しなければ損になります。だから参加率が必然と高くなり、親睦が図れるという訳です。
 しかし、本当にそうでしょうか?酒類が飲めない方、コミュニケーションが苦手な方は苦痛であって、自身の報酬がその様なものに使われてしまうのは不満であったことは想像に難くありません。旅行会にしても、都合が悪く日程が合わなかった場合も、そのお金は返って来ないのです。参加できない方の報酬が参加する方の費用に消える理屈です。
 しかも、団員は7階級に別れており、階級毎に固定報酬額が異なります。具体的には、年額として、団長82,500円、副団長69,000円、分団長50,500円、副分団長45,500円、部長39,500円、班長37,000円、団員36,000円と、国で基準が定められており、呉市ではこの額を踏襲しています。
 因みにこの度問題となった岡山市では、団員が21,000円ということですから、かなり低いことが判ります。この報酬設定は自治体裁量となっています。因みに通達において、5万円以上の報酬に対しては源泉徴収されます。
 ということは、分団毎に親睦を図っていますので、同じ分団内で、会計への貢献度も個人差があり、それに関わらず飲み会や旅行会の負担は同じですので、不公平がある訳です。
 加えて訓練参加や、火事・災害現場への出動には、その都度費用弁償が支払われます。退職者、自営業者、サラリーマンではいざという時の出動に差が出るのは仕方ありません。ということは、多く出動された方程、それに係る費用弁償額が大きく、会計への貢献度が大きくなりますので、ここでも不公平が存在していることになります。
 一部団員や団員OBからも不満の声は確かに聞こえていました。自身が働いたことによる対価を家計へ手助けする道も閉ざされていたのです。
 末端の団員が動いた結果、一部の分団では、費用弁償だけは団員に分配することを勝ち取った所もあったと聞いています。またこの問題は、10余年前に消防局内で改革の動きが出たことはあったようですが、もみ消された経緯があるとの話も、局OBの方から伺いました。
 そこで私は、平成27年9月、呉市議会26年度決算においてこのタブー視された問題を採り上げ、当局の姿勢を糺した経緯があります。その際一部の議員から反発を受けはしましたが、私の正論を受け、呉市消防局は改革を断行したのです。
 それは、一旦各分団の通帳に所属分団員の報酬と費用弁償を一括振り込むものの、その後分団長から各団員に報酬・弁償明細に沿って分配するという手法への大転換です。そのため、ちゃんと報酬等を受け取ったという受領印を分団員に押させ、それを消防局へ提出させるのです。
 岡山市の新聞記事を受けて私は、市当局に対し調査を行いましたが、全ての分団において、全団員の受領印が押されているということでした。これなら岡山市と違って、表面上は確かに各団員に報酬等が支払われていることになります。
 しかし、一旦支払っておいて、後日分団長に返却させるという一部団員の声も届いておりますが、証拠や明確な公益通報がないため、消防局としてそれを確かめる手立てを持ち合わせていないのが実情なのです。
 ということは、会計課の手間は増えるでしょうが、やはり本来の姿である、個人口座毎への直接振込を断行することしかないと考えます。岡山市の場合はこの様にしていても、通帳そのものが一括管理になっていたのですから、大きな抜け道だったと言えましょう。 私は消防局に対し、早急に直接振込への転換をするよう促しました。
 一方、岡山市消防団では、平成27~28年度の2年間で、費用弁償の支払いがなかった、即ち訓練や災害時出場が皆無だった団員が348名もいたそうです。この内夜間の巡視活動を自主的に行った団員は320人いたということです。
 これに対する呉市消防局の見解は、この種の活動をするのは、消防団員としての務めだから、出動が皆無であったとしても団員の務めを果たしており、問題ないとの見解ですが、私の見解は違います。この種の活動は青少年補導員、交通安全推進員、PTA、自治会役員等も行っており、こちらは全てボランティアで、完全な無償です。しかし消防団員は報酬がありますから、これも大きな不公平です。
 私は、訓練が皆無で、且つ災害があったにも関わらず出動が全くなかった団員は、登録だけの幽霊団員、或いは税金泥棒と言われても仕方がないのではないか、と思います。今後実態を調査し、改善策を講ずるよう当局に要請したところです。

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