街頭演説集

第152回 災害現場への消防団員派遣

災害時の消防団役割明記と、防災協力員制度創設を急げ!

Facebook 2018.8.18

 去る8月16日は、お盆を明けての152回目の街頭演説。テーマは災害現場への消防団員派遣です。

 この度の西日本豪雨災害で、ある消防団から、いつでも出動できるよう待機していたが、出動要請がなかったとのご意見がありました。
 そこで呉市消防局へ確認したところ、各地区消防団からの活動要望がなかったところは出動依頼はしていないとの回答でした。
 また、くれ災害ボランティアセンターとしては、消防団から可能な活動内容を登録して貰えれば、地域の要請とマッチングさせることは可能であったということです。ボランティアは自主的な活動ですので、登録があって初めて調整が可能となるので、理解できます。
 しかし消防団の場合は、特別職ではあっても公務員な訳ですから、受動的立場ではなく、消防局が積極的に消防団への活動要請をするべきではなかったのかと考える訳です。
 実際広島県消防局は、この度の災害を受け要請のあった市町に対して、県内各市町消防団員を去る7月21日(土)、22日(日)に被災地に派遣し、公共道路等の堆積土砂を撤去しています。坂町と海田町では、江田島市を初めとする6市町消防団が派遣されました。
 呉市消防局は、自衛隊が公共道路等への堆積土砂や瓦礫を撤去していることから、これを断ったことが判明致しました。被災地現場では、公共インフラが被害を受け、一日も早い復旧活動を願っているのですから、災害対策本部と連携して受け入れるべきだったでしょう。
 しかも他市町消防団がこのような活動をしているのですから、被災ご当地の呉市においては、呉市消防団の活用策をいち早く検討し、自衛隊の補助的役割として、天応、吉浦、安浦、倉橋等への団員派遣を調整の上行うべきだったと考えます。
 私の要請を受け、呉市消防局は呉市消防団と相談し、自衛隊が任務を終えた8月5日(日)に、初めて呉市消防団呉方面隊を天応に派遣し、残り1名となった行方不明者の捜索活動に当たったのです。日曜日を選んだのは、消防団員は勤務者も多いので、動員し易い日を選んだという訳です。県消防局が派遣したのも土日ではありました。
 公共道路等への土砂・瓦礫撤去は、自衛隊が既に行った後なので、残された土砂・瓦礫は民地しかなく、それはボランティアでの対応です。人力では困難な場合に公共事業対応となることから、捜索活動を優先するのは理解はできますが、それならもっと早く捜索を行うべきだったでしょう。取り敢えずこの日一日の限定というのも、アリバイ作りと言われても仕方ありません。ただこの日は、消防団員に加え消防局職員も加わり、合計95名を動員したのです。

 一方、周防大島町で行方不明になった2才児の藤本理稀君が3日目の8月15日(水)に発見されました。発見したのは、大分県から馳せ参じた78才の男性ボランティアだったのです。彼、尾畠春夫さんは、定年後世の中の役に立ちたいため、各地の災害における人命救助を含めたボランティア活動を自主的に行って来られました。8月18日にも被災地の呉市天応に入り、ボランティア活動を行われます。
 この度の呉市における捜索活動も、平素から体制を整えておく必要があります。消防団員の任務にも明記するべきではないかと考えます。
 また、既に退役した消防局吏員や消防団員、自衛隊員、警察、海上保安庁のOB等から有志を募り、災害時対応登録制度を構築することも検討すべきでしょう。保険適用は、消防団員等公務災害等補償基金を活用か、公務員でないため難しければ、呉市市民公益活動活動保険の対象に入れることができます。
 私は4年前の平成26年12月定例会において、消防OBにおる消防協力員登録制度創設を提唱致しました。これは災害よりも、初期消火活動の際に、消防団や消防隊の指示の下、現場で手伝いをする趣旨です。地元自治会長や自主防災組織とも連動して、ホースを繋げたり、ホースをポンプ車から回したり、消火栓に繋げたりする活動内容です。また、避難行動要支援者登録制度を活用して、自治会長や民生委員と協力することも可能です。
 私の提案を受け、ようやく呉市消防局は、去る3月の呉市議会予算特別委員会において、「火災を含めた災害時における地域在住の消防局や消防団OBの協力体制構築を30年度に具体的検討に着手する」と答弁したところだったのです。私が提唱してから4年ですから、もっと早く検討して制度構築していれば、待機消防団の活用策と相まって、この度の災害時にある程度有効な活動手段を打てた可能性があります。
 また、避難行動要支援者登録制度は2年前からスタートしたばかりで、災害時に避難行動困難者の詳細なデータを本人了解の下、地域の民生委員や自治会長が台帳管理しておくシステムです。先日も或る民生委員から、この台帳名簿の活用策のマニュアルがないのかとのご質問を受けたところです。私は、この度の災害を受け、対応マニュアルを策定し、研修会を行うべきと、呉市危機管理課に要請したところです。当局としても、その必要性を認識しており、今後検討するとの回答を得ました。
 天災は、これまで経済を優先して環境破壊をした人類への付けが回ったとするなら、一朝一夕では防ぐことはできませんが、備えはしておく必要あります。それを怠れば、人災に転じてしまいかねません。
 そこで私は、新たに制度構築する消防若しくは防災協力員(仮称)と民生委員や自治会長、自主防災会や自主防災リーダーとの連携も、平素からマニュアル化しておくべきと考えています。

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