街頭演説集

第153回 西日本豪雨災害における呉市議会の対応

豪雨災害の復旧・復興を最優先した呉市議会の神対応!

Facebook 2018.8.21

 8月21日は153回目の街頭演説。テーマは、西日本豪雨災害における呉市議会の対応についてです。

 この度の豪雨災害においては、私呉市議会議員個人としては、市民の皆様に寄り添い、現場に駆け付けての対応に務めて参りました。
 私が議会運営委員の時、災害時議会対応をテーマに先進事例を視察した結果、議会における大規模災害時の対応策を取りまとめました。即ち、

  1. 各会派代表等による対策会議の設置
  2. 議員の安否確認の実施
  3. 議員要望を議会事務局で集約した上で市災害対策本部との連携を図る

の3点が決まっておりました。
 この度は早速その体制が活かせた格好で、特に呉市として、災害対策本部の資料をホームページで公開すると共に、有力情報は逐一タブレットを駆使して議会事務局から各議員に送られて来たので、私としても状況把握に大変役立ったと感じています。
 ①の災害対応連絡会議は3度招集され、議長名で市長に対し、10項目の要望事項をまとめました。
 特に③のルール化については、各議員が個々に担当部署に要望を行うと、対応に混乱を来し、本来業務が滞るマイナス点が出る、との危惧を踏まえてのものでした。但し、私の様に要望事項を写真添付の上メール送信すれば、災害対策本部に上げ、そこから所管部署に下ろす場合は問題ないですが、議員から口頭で要望があった場合、途中でフィルターがかかり、意図が正確に担当部署に伝わらず、逆にトラブルを招いたケースがあったようです。
 担当部署によっては、これは逆効果だったと吐露しておられました。但し、被災当初は土木部への相談が相当多かったと推察され、それを個々に議員が押しかけていては、業務に多大な支障を来していたことは間違いないでしょう。
 従いまして、災害対策も落ち着いた今日、8月21日の呉市議会代表者会議を以て、今後は直接担当部署に要望することになりました。

 次に本会議の招集に関してです。広島県議会では臨時会を2度も開催し、被災状況の議会への報告と災害対策に係る補正予算の専決処分の承認を既に行いました。県内他市においても、臨時会を市長が招集し、補正予算の専決処分を承認したところもあります。
 呉市においては、臨時会の招集を見送り、補正予算の専決処分承認案は、来たる9月10日招集予定の定例会に委ねることになりました。しかも去る8月13日には、議員全員で構成する議会協議会をこの度の災害後始めて招集し、そこでは補正予算専決の承認案ではなく、あくまで被災状況報告とそれへの対応策について当局から説明を受け、それに対する質疑に止めたのです。
 さて、臨時会の招集を見送ったのは賛否両論あるとは思いますが、呉市は県内他市に比べて被災状況や被害総額が大きかったことで、その対応に職員がかなり手を取られたことが上げられます。その取りまとめに相当の時間を要したことが最大の理由です。或る部署では毎日23時頃まで残業を余儀なくされましたし、土日出勤もローテーションで続けました。
 この様な状況を鑑み、呉市議会では市の災害対策を最優先するため、敢えて臨時会招集を見送り、それに代わる議会協議会の招集を市長に要請したのです。しかも、全議員の内約半数が質疑に立ちますので、通常予算委員会の場合、質問時間は一人基礎時間15分で10時開催すれば18時頃までかかります。それを15時で終わらせ、職員に災害対応に早く専念してもらうため、質問時間を一人基礎時間10分に短縮致しました。この日は私を含め18名の議員が質疑に立たれました。私は、12年前の断水事故と比較する形で、今後の断水回避策検討を要請したところです。
 また、各定例会の2週間前には、4つの常任委員会や2つの特別委員会を開催して行政報告を受けることを慣例化していますが、これもカットしました。この報告内容が単なるペーパー報告に止まってしまったケースもあり、これでは議会軽視になるため私は、内容によっては、9月定例会中の常任委員会に報告案件を回してまでも質疑を行えるよう、議会事務局に対し、配慮を要請したところです。
 更に9月定例会の期間は通常は4週間ありますが、これを僅か11日間に短縮することにしたのです。具体的には、

  1. 一般質問をカット
  2. 本会議場での議案質疑をカット
  3. 議案を付託する常任委員会を1日毎に1委員会ではなく、2委員会を開催
  4. 決算委員会を半分の日数に縮小

の4点です。
 特に一般質問と議案質疑は、私は毎回欠かさず行っておりますが、管理職が的確な答弁ができるように、質問内容の事前聴き取りがあり、それに基づき係長級が答弁原稿を書き、課長から部長を通じて、最後は市長決裁まで行きます。つまり、これらは水面下での答弁調整に係る業務量が膨大であって、この二つを行わないことは、見た目以上に職員の労力を削減することに大きな効果があるという訳です。
 但し、これらの手法は市民を代表する議会を軽視することになりかねず、逆に市民意見が反映し難くなるという、言わば諸刃の刃でもあります。それらのことを重々承知した上でこの度は呉市議会として、災害復旧と復興を最優先し、執行部と一丸となって推進するため、苦渋の決断をしたと言えましょう。

タイトルとURLをコピーしました