街頭演説集

第185回 デリバリー給食の実情

中学校デリバリー給食は失政だった!喫食率低下で証明!

Facebook 2019.4.14

 去る4月8日は、選挙を直前に控え、この4年間で実に185回目の街頭演説となりました。テーマは中学校デリバリー給食の喫食率についてです。

 さて呉市では、旧市内において、平成27年度から中学校給食にデリバリー方式を採用しました。私だけがこの施策に、真っ向から反対をしたのです。
 と申しますのも、事前の保護者アンケートでは、給食導入には賛成が多かった割には、デリバリーは不評だったからです。それでも前市長は、その意向を無視して、強行的に踏み切ったのです。
 先ず、他都市と同様、持参弁当とデリバリーの選択制にしました。これなら、反対意見を押し切れるはずです。
 当初当局は、給食センターを造ったとしても、民間の調理場で献立して運ぶのとと何ら代わりはないと説明していたのです。ところが蓋を開ける直前になされた議会への報告では、食缶方式から弁当箱方式に方向転換したのでした。
 しかも、事業者は全て広島市内にあり、遠方より運びますから、冷めてしまうことおあて、持参弁当をセンタ屈する史干する生徒が増えて来ました。弁当では嫌いなおかずを母親が避けますから、変色となって食育からは遠ざかってしまいます。
 地元業者が手を挙げなかったのは、食中毒防止のため、既存の調理場とは隔離した新たな施設を建設する必要があったため、その投資リスクが大きいとみた民間事業者が敬遠したのでした。
 ところで、デリバリーを選択することを喫食率と呼んでいます。導入当初は45%だったのが、平成30年度では28%にまで落ち込んだのです。
 このことを受け、議会内の空気が一変しました。元々センター方式を臨んでいた公明党が疑問を投げかけ、デリバリーを提唱した保守系会派は喫食率向上策を迫り、一部保守系ではデリバリー給食廃止論まで飛び出したのです。

 一方、呉市と業者との契約は単価方式ですから、喫食率が下がっても呉市にとって特に痛みはありません。ところが業者にとっては、喫食率が下がることは注文数が減ることとイコールですから、赤字に転落する危機と背中合わせてなっているのです。
 弁当の数が減れば、収入が減ることはあっても、それに呼応した支出減とはならないためです。即ち調理人に係る人件費や光熱水費、運搬費用はそう変わらないため、収入減は直接響くのです。
 私は過去の委員会で、事業者が赤字に転落する限度の喫食率を迫ったところ、20%と答弁した経緯があるのです。つまり、この危険水域に迫りつつある訳です。実際、導入に際しては事業者と3ヶ年契約を締結しましたが、3事業者中1者が、次回からの応札を拒んだことを見ても、このことが伺えます。京都府福知山市では、喫食率激減に伴い、デリバリー廃止を英断し、給食センターを建てました。
 呉市においても、小学校自校調理施設は老朽化が激しく、耐震化も満たしていない場合が多く、早晩建て替えることになります。ならば、旧市内に2箇所程度小中双方を賄える給食センターを建設すれば、15年間でその投資分を埋めることができ、その後は半永久的に給食センター方式の方が経費面でも有利なのです。デリバリーの場合、学校給食法に基づき、保護者からは食材費しか徴収していませんので、残りの調理コストは全て税金であるからにほかなりません。この経費比較を当時呉市は議会や教育委員への報告を起こった前科があるのです。デリバリーを推し進めるため、不利な材料を隠蔽したと言われても仕方ないでしょう。
 しかも第2期契約において、30年度から34年度までの5ヶ年契約を事業者と交わしており、後に引けなくなった前政権の思惑が見てとれます。

 では何故、喫食率が下がるのでしょうか?それは美味しくないということでしょう。
 例えば、小学校給食での一番人気メニューはカレーです。この日ばかりは残食が少ないと聞きます。ところが中学に入学してデリバリー給食になりますと、カレーは何と、レトルトになるのです。食缶方式ではないため、カレーを独自の大きな容器に入れ、それをついで食べることはできません。そうなりますと、各自に配給するには、別途大きめの密封するための蓋付き容器を購入せねばなりません。全中学生に向け購入するには費用が嵩みます。
 そこで、レトルトカレーの登場となるのです。レトルトカレーには野菜が少なく、栄養価が低いとされており、これでは食育や地産地消とは無縁な献立となってしまいます。
 食缶方式で慣れていた小学生が中学に入学して、その給食ギャップに気付かされるようです。
 私の主張を受け入れて、小中合わせた給食センターを建築していれば、合併特例債という有利な財源確保もできた訳で、議会で議論が十分な交わされたとは到底言えません。
今からでも、方針転換をすべきで、残り4年間で、早急に設計・建築に入るべきでしょう。新しい市長だからこそできるはずです。決断するべき時が訪れているのです。

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