街頭演説集

第192回 学校給食の調理体制

学校給食調理業務の直営と委託の現状を明らかにせよ!

Facebook 2019.6.16

 去る6月10日は192回目の街頭演説。テーマは学校給食の民間委託化についてです。

 さて呉市は、平成24年6月に策定したアウトソーシング推進計画を財政集中改革後の財政再建の3本柱の一つとして位置付け、民間業務委託を進めて来ました。
 その中で、現業職である学校給食調理員は、昭和57年度から退職者不補充を継続し、平成12年度に阿賀小学校にて初の民間委託を実施。その後退職者自然減に伴い、平成19年度には6校まで民間委託を拡大しました。ところが、その後停滞しており、殆ど進んでおりません。
 私は平成23年6月定例会一般質問で、このことを質しましたが、当時の答弁は、「直営の方が民間委託より経費が安価で済む」というものでした。
 即ち、小学校1校の調理業務チームにおいて、正規職員を2名にしていたのを1名に減じるたり、チーフを正規から再任用職員にしたりして人件費を削減。それらを補佐する人材として嘱託やパート職員にしているというものでした。
 確かに例えば、4名のチームで再任用1名、パート3名で構成すれば、年間経費は業務委託より安価になるそうです。但し、具体的なコスト比較は公に公開しておりません。当時の一般質問では、保育所給食調理業務のコスト比較を答弁しています。具体的には、民間委託と嘱託職員との経費比較として、「二人配置の場合、1保育所当たり年間約320万円であるのに対し、嘱託職員やパートでの運用をする場合は約240万円である」ということでした。
 ところが、保育所の場合は、園児に夏休み、冬休みがないですが、学校の場合はあるので、このデメリットを控除しての年間トータル比較が必要となります。このことは、敢えて答弁を控え、保育所給食の時のみ人件費比較を公表したのは、巧妙なまやかしではないか、とさえ思えてまります。

 一方、平成24年度以降は各校へ1名の配置も困難な状況と答弁しています。
 しかしながら、学校統廃合は直営継続のプラスではありましたが、これも退職者不補充継続であれば、全校への再任用配置も難しく、各校への1名配置体制を崩していると推察されます。
 また、給食調理業務は一般職と異なり、高齢者雇用安定法とは無関係に、定年後は嘱託ではなく再任用していました。つまり65歳になれば、それ以降は嘱託採用となるのです。再任用は期末・勤勉を含めた手当支給があり、嘱託にはそれがありませんから、週29時間勤務であっても、人件費はかなり異なって参ります。同一労働同一賃金からはほど遠い実情があります。
 再任用も嘱託も夏休みや冬休み等、給食調理が不要な期間は、必要な期間に集約することで、年間の労働時間を同程度にしているものと推察致します。つまり、1チームに2人の正規職員から1名の正規職員、1名の再任用職員、1名の嘱託職員に変遷しているのではないか、と睨んでいます。現役世代ではないので、これで調理業務の質が保てるのか、甚だ疑問ではあります。
 ところが、正規職たる調理員はそうはいきません。夏休み、冬休みに関係なく、出勤しなければならないからです。当然固定給ですから、出勤は当然な訳です。
 では、給食調理員が調理を必要としない間に出勤して何をするというのでしょうか?業務規定を見ますと、研修を受けることが記術されていますが、児童が長期休暇中、全て研修をすることはあり得ませ。新学期直前は調理室の清掃がありますが、これも僅かの日数です。後は校長から命じられた雑務をこなすことになるのは火を見るよりも明らかです。下手をすると事務分掌以外の労働を課せられている可能性すら否定できません。
 しかも、小中親子給食の川尻町や、音戸町、蒲刈町の学校給食共同料理場の場合、食管等の運搬車が配置されています。これらの運転手はパートなのか、嘱託なのか、どのような方が運搬しているのか、夏休み、冬休みを含めたその勤務形態も興味があります。
 結局平成23年当時の答弁では、「民間委託拡充を検討する」としていますが、その後検討した結果どうなったのか、全く議会に報告がありませんでした。恐らく小規模校では、正規職員の不足を補う意味で、かなりの学校で再任用職員を当てているに違いありません。それを嘱託にとって代えている小規模校もあるかも知れないのです。

 いずれに致しましても、正規職員が後何年経てば不在となるのか、現状で民間委託と再任用・パート体制の直営との比較を含め、全体の状況が不明なままです。今後糺して参りたいと考えています。

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